CYCLINGFAN!!

自転車をこよなく愛し、自分の脚と熱いハートで幾つになっても、可能な限り、どこまでも走り続けます~♪

ローラートレのサドル選びの重要性

2025-03-24 14:21:45 | トレーニング
 今年に入りフィジークの3DプリントサドルVento Antares Adaptiveを購入したことに伴い、ローラー台に設置しているCAAD10で実際に乗り心地を確認する作業に入りました。併せて、いままで使用して来たサドルも含めて乗り比べも行いました。

 その結果分かってきたことがいくつかあります。そのひとつはやはり高額のサドルはそれなりに座り心地も脚の回りも良いということでした。ただ、Vento Antares Adaptiveは座面が滑らない為、最初のポジションを正確に出さないと、宝の持ち腐れになり兼ねないことも分かりました。高額な製品でも正しい使い方をしないと、製品の良さが活かせないこともあることは知っておいて損はないと思います。

 一方、これまで使用して来た過去のサドルを色々と試してみて、とりあえず、フィジークのアリアンテ・ヴァーサスを使用し続けて来たのですが、このところなかなか1時間のトレーニングが出来なくなって来たのです。ヴァーサス(溝あり)タイプでないアリアンテは座面中央の盛り上がりがやや高目で、股間の圧迫感が強く、溝のあるヴァーサスの方が股間の血流を妨げないと思っていたのですが、どうやら溝にお尻の肉が食い込むことが違和感の原因だったようです。

 過去にもロングライドで落ち込んだ部分が股擦れの原因になり、使用を止めたという経緯があるサドルでした。ただ、1時間程度のトレーニングなら問題なさそうだったのですが、実際に1週間・2週間と使って来ると、次第に長くトレーニングが続けられなくなって来たのです。

 疲労の蓄積なのかと考えていたのですが、思い切ってトレーニングの途中でサドルを第4世代のSupersix EVOから取り外したFabricのCellにサドルを替えてみることにしたのです。3つあるCellの中で最も新しい製品です。そうすると、1時間のトレーニングに耐えられるようになりました。加えて、脚に係る負荷も低減された感じなのです。

 Vento Antares AdaptiveやNAGO R4では1時間で20数㎞のトレーニングが出来ていたので、Vento Antares Adaptiveは第4世代のSupersix EVOで、NAGO R4は第3世代のSupersix EVOでそれぞれ使用する予定です。実走ならダンシングが容易なので、血流が悪くなれば腰を上げれば解決するのですが、ローラー台ではダンシングが出来ないので、どうしても血流を戻すには脚を止めなければいけないのです。

 アリアンテ・ヴァーサスの時は30分で1度バイクを降りないといけませんでしたが、FabricのCellなら1時間はサドルの上にいられそうな感じなのです。改めて自分に合ったサドルなのだと実感しているところです。重量があり過ぎるので、Supersix EVOには新しいサドルを装着しますが、ローラー台のバイクにはこのままCellを使い続けようと思っています。自分のお尻に合ったサドルならトレーニング時間も増やせて、脚への負担も少ないというのは新たな発見です。
 



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ミラノ~サンレモでのポガチャルの敗因を考える(2)

2025-03-23 14:56:03 | プロ・ツール
 2つ目の敗因はポガチャルの落車の影響でしょう。見た目の傷こそほとんど無かったものの、あれだけの落車でしたから、身体のどこかに不具合があっても不思議ではありません。ただ、チプレッサのレコードを更新しているので、これを不調といえるのかと言われれば、確かにその通りなのです。

 ただ、ポガチャルはその気になれば大抵の登坂記録は更新出来るほどの選手なのです。問題なのは登坂記録を更新してもファンデルプールを引き離せなかったという事実の方でしょう。昨年のツールのガリビエ峠でマルコ・パンターニの登坂記録を塗り替えた時は、ヴィンゲゴーもエヴェネプールも記録は更新していました。ただ、ポガチャルが彼らを圧倒して勝利していたのです。今回のポガチャルは絶好調ではなかったのかもしれません。

 もうひとつ気になる事があります。それが機材です。今年からポガチャルが使用しているY1Rsというコルナゴの新型エアロロードですが、ここまでの勝利はUAEツアーのポガチャルの勝利しかないのです。先週、ティレーノ~アドレアティコで総合優勝したフアン・アユソはずっとV4Rsを使用していますし、今回のミラノ~サンレモでもY1Rsを使用していたのはポガチャルとナルバエスだけでした。

 ツアー・ダウンアンダーに始まり数多くのレースで勝ちまくっているUAEチーム・エミュレーツですが、Y1Rsでの勝利はポガチャルのUAEツアーだけというのは気になる材料ではあります。ポガチャル自身もストラーデビアンケではV4Rsを使って勝っているのですから。ミラノ~サンレモは距離こそ長いものの、獲得標高は1870mとストラーデビアンケの半分以下で、ポガチャルは空力を重視した選択だったのでしょう。ただ、フロントのチェーンリングはファンデルプール(54-40T)より大きい55-38Tという特殊なものを使っていたのが気になりました。

 バイクのエアロ効果を考えるとチェーンリングを大きくしたいのは私にも理解出来ます。ただ、結果としてそれがプラスには働かなかったというのは大きな事実なのです。これは以前『Y1Rsの功罪を考える』という記事でも指摘していることですが、コルナゴのY1Rsが未成熟だということです。ホワイト・ペーパー上でのデータは凄いものがあったのですが、第4世代まで進化しているCANYON AEROAD CFR等と比べると成熟度が段違いなのです。

 実際にチーム内で使用している選手が少ないのも気になります。ポガチャルとナルバエスは積極的に使用しているようですが、これからジロを狙うアユソやデルトロはV4Rsを好んで使っているように見えます。勾配が6%まではエアロロードが有利というcannondaleのデータはありますが、Y1Rsの重量がそれに当てはまるかは不明なのです。チプレッサとポッジオという2つの登りでファンデルプールを引き離せなかったのは単に勾配と距離が足りなかったのか、Y1Rsより軽いV4Rsなら結果は違ったのではないか、私の中でモヤモヤ感が拭えないのです。

 ポガチャルはバイクのせいで負けたとは決して口にはしないはずなので、推測するしかありません。ただ、このレースの結果を受けてポガチャルが今後Y1Rsをどのようなレースで使用して来るのかには注目しています。

 今後はE3サクソ・クラシックを挟んでロンド・ファン・フラーデレンでファンデルプールと対戦するポガチャルが果たしてどちらのバイクに乗ってくるのかが今から楽しみです。獲得標高こそ2170mとありませんがとにかく激坂が多いロンドではファンデルプールが3勝、ポガチャルが1勝ですが、直近の直接対決(2023年)ではポガチャルが先着しています。

 コース適正もあり、ポガチャルが4連覇しているイル・ロンバルディアや昨年ポガチャルが初めて制したリエージュ・バストーニュ・リエージュではファンデルプールの優勝はありません。逆にポガチャルはこのミラノ~サンレモとファンデルプールが連覇を目指すパリ~ルーベの優勝が無いのです。こと、パリ~ルーベに関しては出場さえないのです。もしかすると、今回の敗戦のリベンジをパリ~ルーベで狙って来る可能性はまだ残されてはいるのです。たた、チームはそれを止めると公言しているので、出場の可否は不明です。個人的にはポガチャルにリベンジを果たして欲しいという気持ちが強くなっているのです。


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ミラノ~サンレモでのポガチャルの敗因を考える(1)

2025-03-23 12:35:59 | プロ・ツール
 ポガチャルにとって悲願ともいえるモニュメントのひとつミラノ~サンレモ。予測通りチプレッサで仕掛けたポガチャルでしたが、マチュー・ファンデルプールとフィリッポ・ガンナを振り切ることができませんでした。チプレッサを圧倒的な速さで駆け上がって行ったポガチャルでしたが、独走に持ち込むことが出来なかったのです。

 チプレッサを最速の9分で登坂しても勝てないというのは、ポガチャルにとってトラウマになりそうな負け方でした。敗因はいくつか考えられます。最も大きかったのはチプレッサへ入った時のチームの位置取りでしょう。ベテランを並べたUAEチーム・エミュレーツとしては痛いミスでした。

 チームとしてもチプレッサで9分を切ることを目標にしていたようですが、結果だけを見れば目標は達成しているのです。ただ、チプレッサの入り口で大きく位置を下げてしまった結果、エース・アシストのティム・ウェレンスとジョナサン・ナルバエスをここで使い切ってしまったのは痛かった。
 加えて、ナルバエスが早目にアシストを終えてしまったため、ポガチャルの発射のタイミングが早くなり、意外と脚を消耗していたことが、ポッジオでファンデルプールを引き離せなかった要因になっていたのかもしれないのです。ただ、個人的にはチプレッサの頂上で3名に絞られた時にポガチャルの勝利を確信していたのです。ただ、ポッジオで何度もアタックを仕掛けながら、ファンデルプールを引き離すどころか、ファンデルプールにアタックを仕掛けられるシーンまであったのは予想外でした。

 チプレッサとポッジオでこの二人に食らい付いたガンナはティレーノ・アドレアティコでも登れていたので新トップ・ガンナへと進化しているようです。それにしても、ポガチャルにしっかり食らい付き、ゴールスプリントでガンナとポガチャルを退けたファンデルプールは流石シクロクロスの世界チャンピオンを7度、クラシック・ハンターとしてパリ~ルーベを連覇中の名選手です。ロンド・ファン・フラーデレンも3度制していますので、3つのモニュメントで2勝以上を挙げているのです。ここ数年はポガチャルとファンデルプールでモニュメントをほぼ独占している状況が続いています。

 グランツールではヴィンゲゴー、エヴェネプール、ログリッジといったGCライダーにはかないませんが、ワンデーレースでは無類の強さを見せて来た選手です。ただ、個人的には昨年アルカンシェルを着ながらロンド・ファン・フラーデレンとパリ~ルーベをファンデルプールが征した時にもポガチャルの方が強いと思っていたのです。
 昨年はポガチャルがWツールでジロを選択したため、春のモニュメントで二人の直接対決はミラノ~サンレモだけでした。結果はフィリップセンのアシストに徹したファンデルプールはポガチャルに先着を許していたのです。ただ、ポッジオでのポガチャルのアタックを悉く封じたのは彼でした。ただ、ポガチャルの本気のアタックに付いていくとほとんどの選手は脚を削られ、徐々に遅れて行くのが常なのです。
 



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新たなシューズはXC-100

2025-03-22 14:21:57 | 自転車用品
 春分の日が過ぎても40㎝以上の雪が残り、未だシーズンインが見通せない日々が続いています。サドルとクランクに続いて購入したのがビンディングシューズでした。既に使用しているシマノのXC-702やXC-300の下位モデルに当たるXC-100です。ただ、この製品はオンラインショップ限定モデルで、初めてシマノのオンラインショップを使うことになりました。

 これまで、海外通販のWiggleなどでも購入したこともありますが、シューズやヘルメットは実際に試着してみないと、フィット感が分からないので不安もあるのです。実際にヘルメットに関しては海外通販で大失敗した苦い経験があるので、ほとんどはショップで試着して購入を決めています。シューズも同様です。

 初めてのビンディングシューズはシマノのSPDシューズでワイドサイズでした。勿論、ショップで試着して購入しています。2足目はMAVICでしたが、これも同様です。今回のXC-100に関してはワイドサイスが無いことは承知しています。ただ、形状が他のモデルと違い、クロージャーは面ファスナー式で足全体をしっかりホールドでき、ワンタッチで脱ぎ履きしやすいのが特徴で、特にワイドサイズである必要は無さそうという印象でした。

 実際に足を入れてみても特に違和感はありません。ホールド感も十分です。流石にDTMのニットアッパーのようなフィット感はありませんが、これで1万円以下というのはコスパが高いと思います。重量に関しては307gに313gと若干の差はありますが、平均で310gなのは流石シマノといった感じです。

 早速クリートを取り付けました。クリートはシューズではなくペダルに付属して来るのですが、昨年、ペダルを幾つか購入していたので、その時のクリートがあったのです。この辺りはビンディングシューズを始めて使う方は要注意です。シューズとペダルを同時に購入すれば問題がないのですが、先にシューズを買い、クリートが無いとあわててクリートだけを買う人がいるのも事実です。そして、ビンディング・ペダルを買うと付いてくることで後悔することになります。

 今朝、ローラー台で試してみました。履き心地は悪くありません。普通の靴のようにスパッと履け、Y字のクロージャーを締めるだけです。クロージャータイプのシューズは最低2か所、通常は3か所締めなければならないのですが、XC-100は1か所締めなのです。実走では頻繁にシューズを脱ぎ履きすることはありませんが、毎日のように利用する室内ローラー台の場合、これはとても有難い機能なのです。

 ソールの剛性は5で素材もグラスファイバー補強ナイロンとひとグレード上のXC-300と同じです。1時間ほどのとレーニンでは特に違和感はありませんでした。初心者やトレーニング用ならこれで十分なはずです。
 



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ミラノ~サンレモ2025の行方(3)

2025-03-22 11:14:09 | プロ・ツール
 ポガチャルのライバルとなりそうな選手は何人かいますが、ストラーデビアンケでの落車の影響さえなければファンデルプールやピドコックでは太刀打ち出来ないはずです。ライバルはスプリントに持ち込まれた時のスプリンター勢になるはずです。ポガチャルとしては何としてもスプリント勝負は避けたいはず。

 今年の勝負所はポッジオではなくチプレッサ(登坂距離5.6km、平均勾配4.1%、最大9%)になると見ています。ポッジオは距離3.7kmで平均勾配3.7%、最大8%区間はあるものの、ポガチャルには距離が短過ぎるのです。昨年もここでデルトロがペースを上げ、集団を絞り込んだものの、ヤスペル・フィリップセンやマイケル・マシューズといったスプリンターも残っていたのが敗因でした。勿論、ポッジオでファンデルプールにマークされたのも痛かった。

 今年のUAEチーム・エミュレーツのメンバーはストラーデビアンケで3位と好走を見せたティム・ウェレンス(33歳)、ニルス・ポリッツ(31歳)、ベガード・ラエンゲン(36歳)、ドメン・ノバク(29歳)、ジョナサン・ナルバエス(28歳)、とベテラン色が強いのが特徴です。最初の登録ではブランドン・マクナルティ(26歳)の名前があったのですが、パリ~ニースのリタイヤが影響したのか、直前でデルトロとの入れ替えがありました。先日、ミラノ~トリノを征したイサーク・デルトロ(21歳)のエントリーはポガチャルにとって良い知らせでしょう。先週のティレーノ・アドレアティコでもアユソの初優勝にアシストとして貢献していたのですから。

 確かにマルク・ヒルシやディエゴ・ウリッシの移籍があったものの、今季はナルバエスが新規加入しています。状況によってはナルバエスを先行させ、ウェレンスを集団に残し、ポガチャルがアタックというシナリオがひとつ考えられます。ナルバエスは昨年のジロの第1ステージでポガチャルを出し抜いて勝利した選手なのですから。ナルバエスはポガチャルがこのレースで勝つために獲得したとも言われているのです。

 ただ、ナルバエスが先行して逃げ切ってもチームもポガチャルも満足はできないはずなので、ナルバエスは必ず脚を止めてポガチャルと合流するはずです。ポッジオを下りきってUAEが2枚なら、十分勝機はあると見ています。ただ、確実なのは早目にポガチャルが飛び出し、ナルバエスとウェレンスが交互にマークに入るというのが妥当な戦略だと思います。

 いずれにしても、ゴールスプリントには持ち込ませないためには、ポガチャルの長目の距離からのアタックは不可欠なのです。ポッジオではダメだったので、チプレッサというのは少々単純な考え方かもしれません。序盤から誰かを逃げに乗せ、ハイペースでライバルチームに追わせて脚を使わせるという戦術も考えられますが、ベテランを多く配して来たということは、序盤は守りに徹して、後半勝負を考えているはずです。逃げに入れるメンバーの選別をし、集団をコントールしながら、チプレッサの登りまでに逃げを捉え、ナルバエスを先行させ、満を持してデルトロとポガチャルが飛び出す。ポッジオの下りでは最低チームメイトと2枚体制を築きゴールに向かえれば理想形でしょう。

 いよいよ今夜注目のレースが始まります。UAEチームとポガチャルが果たしてどんな作戦を用意して来るのかが楽しみです。モニュメントの中でも最長距離のレースなので、途中寝落ちしないように私も万全の態勢で観戦しようと思っています。
 



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