レイザーはKineticoreがMIPSやボントレガーのWaveCellヘルメットよりも3つの主要な利点を提供すると主張しています。そのひとつが軽量、通気性の向上、プラスチック材料の使用量の削減です。
最初の2つは、確認するのがとても簡単です。最上位のヴェントヘルメットの重量は290gで、重量が270gの完全換気ヘルメットであるPOC Octal MIPsヘルメットとわずか30g差。それでも、ヴェントはエアロロードヘルメットとして設計されているのです。Evade IIは、MIPS SLを搭載したSpecializedのトップエンドエアロヘルメットで、重量は305gなのですから。ただ、ヴェントは世界を圧倒しているわけではありません。GIROの新しいエクリプス・スフェリカル・エアロヘルメットの重量は270gとさらに軽量です。ただ、軽さを重視する人にはZ1 KCがあり、こちらはMサイズで230gと超軽量なヘルメットです。
ベンチレーションは重量よりも少し主観的ですが、テスト用のヴェントを使用した暖かい早春の乗り物に基づくと、非エアロヘルメットと比較しても非常に涼しそうだという記事もありました。
そして最後に、レイザーのKineticore構造はMIPSを備えたヘルメットよりも必要なプラスチックが24%少ないというのです。余分なプラスチックライナーが入っていないので、理にかなっています。ただ、それを簡単に確認する方法がなければ、この新しいヘルメット技術の真の環境への影響については今はまだ不明です。ただ、TREKは自社開発のWaveCellヘルメットは消費後再生リサイクルポリスチレン50%使用を謳っている等、メーカーがSDGsを意識した製品開発をしている点は評価できるでしょう。
安全性という面ではGIROもシート状のMIPSに対して30%もの衝撃吸収性向上させたMIPS SPHERICALという技術を導入しています。シェルを2層構造にしているのが特徴ですが、MIPSは構造上ヘルメットの外形が大きくなる傾向が気になります。GIROはMETと違いアジアンフィットモデルがあるので、METのようにどうしてもLサイズになることはないはずですが、価格が少し高目になります。
ルディプロジェクトも2種類のEPSフォームを使うデュアルデンシティー構造のヘルメットを開発しています。安全性はアメリカの名門大学のお墨付きという比較になりますが、大学は異なりますが、それぞれのメーカーが5つ星を獲得しています。
ただ、今季ユンボがチームスポンサーが離れたチーム・リースアバイクがレイザーからGIROへヘルメット変更をしているので、プロの目からはジロのヘルメットの方が優れて見えるのかもしれません。レイザーにはTT専用のヘルメットがなく、これまでもTTではジロの特殊なエアロヘルメットを使用していたので、ヘルメットがレイザーだったのはスポンサーの意向だったのかもしれません。
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