早実が21得点で大勝…中京大中京の連覇ならず(読売新聞) - goo ニュース
早稲田実、25安打21得点=高校野球・中京大中京―早稲田実(時事通信) - goo ニュース
この試合、早稲田実業学校高等部が初戦に勝てば、相手が南陽工業高校でも、中京大学付属中京高校でも、間違いなく中盤の好カードになると思っていました。
結果的に、かつては3連覇の偉業を達成し、2連覇に挑む、中京大学付属中京高校が南陽工業高校に勝って、「伝統校同士の対決」となりました。
高校野球ファンは、よく知っているんですね。
甲子園球場に入れないほどのファンの列ができ、スタンド内は「満員御礼」ですから、この試合が持つ、「様々な意味」ご存じなのでしょう。
実に79年ぶり、2回目の対戦。
結果的に、早稲田実業学校高等部が、25安打21得点、1回表に打者13人8安打で一挙7点、そして5回表に打者17人11安打で一挙12点という「ビッグイニング」を2度も作って「圧勝」しました。
一言、凄い試合だったと思います。
英語の勉強の手を休めて見る価値はあったと思いました。
この両校、実は、そんなに「実力差」はないと思っています。
では、何故、それなのに、こんなに「大差」がついたのでしょうか。
私は、4つ、理由があると思います。
一つ目。
早稲田実業の選手諸君達の、得点は、何点あっても「セーフティーリード」はない…という意思の疎通が徹底していた事でしょう。
25安打のうち、「長打」は実はたったの4本。
中京大中京の先発の浅野投手からも、1回も持たずに交代した「エース」の森本投手からも、評価が高い投手でも、打ち所の投球が必ず来る…という「ため」の部分が早稲田実業には、しっかりできていて、それを確実に、忠実に実行しています。
気付いたら、いつの間にか、中京大中京のバッテリーに、全く仕事をさせなかった…。
これが、実力は「僅差」なはずなのに、中京大中京にしてみれば「相手が、一枚も二枚も、上」となったのでしょう。
5回の早稲田実業の満塁からの攻撃も冷静で、中京大中京の「内野前進守備」で併殺狙いに来ていることをしっかり見ていて、外野手の手前で落ちる打球か、広く開いた内野守備間を、速い打球で破れば、チャンスは続くと見て、それを徹底的に実行に移した「冷静さを兼ね備えた集中力」も、この差に繋がっています。絶えず1、2塁、あるいは2、3塁にランナーを置き、走者を貯めて満塁にしてチャンスを広げ、「短打」で2人の走者を帰す…この繰り返しが続いての1イニング12点でした。
5回途中から、中京大中京の名将・大藤監督が「なすすべなし」の表情を浮かべていたのが、実に象徴的でした。
2つ目。
守備の面で、敢えてピンポイントで指摘すれば、遊撃手の守備力に微妙な差がありました。
1回表の、早稲田実業4番バッターの小野田選手の中京大中京の遊撃手(実は、この時は、エースの森本選手)の左に、抜けるか抜けないかの打球を、適時安打にしてしまった一方で、早稲田実業の遊撃手(真鍋選手)は、同じような打球を2度、全身を使って処理して、併殺や、1つの「アウト」に繋げています。この差です。
恐らく、早稲田実業のあの「ファインプレー」がなければ、実はもっともつれた「殴り合い」の展開になっていたと思います。
早稲田実業の鈴木投手は、立ちあがりにどうも「難」があるようで、そこの「隙」をバックのファインプレーの連続で、流れを中京大中京に渡さなかったのが「差」になったと思います。
3つ目。
「応援」で、中京大中京は「完敗」でした。
ただでさえ、対戦相手は、東京六大学系列の高校。
「ヒッティングマーチ」の芸がない最近の応援とは、一味も二味も違う「応援」ができる相手に、アルプススタンドが「完敗」では、先制されたら大差がつくのは目に見えています。
声の大きさ…テレビで見ていても、全然違いました。早稲田実業の方が圧倒的に「大きい」。まるで、阪神タイガースが甲子園で試合をしているムードがそこにあり、「完全ホーム」にしてしまったのが、決定的な「差」に繋がっています。
大事なのは、負けている時の応援です。
応援団は、そこで活路を見出さねば、存在する意味が全くありません。
中京大中京の控え選手も、5回の時点で涙を流し、下を向き、応援団も「絶句」し、動きが「フリーズ」している様では…。
それが、如何に大事か…先日書いた力作調のこの記事を、私自らネット上に公開しているのに…残念です。
やっぱり、「応援団を応援する」事は、凄くパワーが必要だし、根気強く訴え続けるしかないようです。その意味では、頑張ります、勿論。
一方の早稲田実業の応援…流石です。
1回表で「勝負あり」でした。
早稲田が誇る、チャンスパターンメドレー『スパークリングマーチ』に始まり、小野田選手の遊撃手を襲った打球の時は『ダイナマイトマーチ』を炸裂。
そして7番バッタの深澤選手の打席では、「ダメ押し」の『コンバットマーチ』で、走者一掃の適時2塁打が生まれています。
これでは、早稲田が誇る第一応援歌『紺碧の空』が、何度も響き渡るのも、仕方ありません。
そう、たった1回の『コンバットマーチ』の「突き」で、中京大中京の浅野投手を「砕いて」しまいました。
中京大中京の「エース」の森本選手がマウンドに上がった5回でも、試合を決定づける時に『コンバットマーチ』で、やっぱり「砕き」ました。
これが、「応援の威力」です。これが、本来の「応援」です。
吹奏楽を「適当に鳴らす」のを「応援」と勘違いする方が大勢いらっしゃいますが(その話は、以前、拙ブログでも、この記事や、あの記事で警鐘を鳴らしています)、今大会で言えば、この早稲田実業の「リーダーが指揮する応援」を真似て欲しいです。
良く見てみると、出場校の殆どで見られる、打者毎に曲を変えて吹奏楽を鳴らす「ヒッティングマーチ」は、ただの一つも使っていないし、7回の味方の応援の前に、校歌を一番だけ歌う「エール」を贈る「マナー」も忠実に実行しています。試合開始前には、「エール交換」も行っていました。
こういう事が、「当たり前」にできる高校が、実に少なくなったのは、本当に寂しい事です。
4つ目。
和泉監督の「采配」です。その意味を選手達が良く理解しています。
ビッグイニングに「一喜一憂」するのではなく、如何に「無駄」を省き、「雑」をなくすか…。挑戦者の気持ちで挑む事…。これが和泉監督の哲学なのでしょう。
実は、和泉監督は、指導者のキャリアをスタートさせた、今大会、中京大中京に「惜敗」した南陽工業高校の監督時代に、相当なご苦労がお有りの様でした。指導者としての挫折も味わったと聞いています。
4年前もそうだし、昨年のセンバツでもそうだけど、和泉監督は、南陽工業との「縁」を相当感じているようです。だから、今の「成功」があるのかもしれません。
と、私が感じるポイントを4つを挙げましたが、3つ目に挙げた「応援」以外は、実は差がない部分です。
「甲子園に住む魔物」は、2連覇に挑戦する名門であり、伝統校である、今大会の「横綱」にも、容赦なく襲いかかる事が分かり、その「怖さ」と「面白さ」を両方見た気がします。そういう意味でも、凄い試合だったと思います。
展開はどうあれ、見る価値たっぷりの試合でした。
勝った早稲田実業学校高等部は、3回戦で、打線強力の東東京代表・関東第一高校と対戦します。「東西東京対決」ですね。
何が起こるか分からない、一度負けたらチャンスがなくなるトーナメント戦…。
16強ともなると、どこも実力があります。
今日の第2試合、明徳義塾高校-興南高校の試合も、見応えありで面白そうです。
興南高校の、今大会屈指の左腕・島袋投手が、明徳義塾・馬淵監督の「独特の哲学」に率いられた打線をどう抑えるのか。
そして、明徳義塾高校打線が、島袋投手にどう挑むのか。
興南高校の「切れ目ない」集中打が持ち味の打線が火を噴くのか…。
凄く楽しみです。
見てしまうな…間違いなく。
今日も、英語の勉強は、多分「ハァハァ」して、手につかなさそうです(13日に頑張って、一気にやってしまって、余裕を作っておいて良かった)。
早稲田実、25安打21得点=高校野球・中京大中京―早稲田実(時事通信) - goo ニュース
この試合、早稲田実業学校高等部が初戦に勝てば、相手が南陽工業高校でも、中京大学付属中京高校でも、間違いなく中盤の好カードになると思っていました。
結果的に、かつては3連覇の偉業を達成し、2連覇に挑む、中京大学付属中京高校が南陽工業高校に勝って、「伝統校同士の対決」となりました。
高校野球ファンは、よく知っているんですね。
甲子園球場に入れないほどのファンの列ができ、スタンド内は「満員御礼」ですから、この試合が持つ、「様々な意味」ご存じなのでしょう。
実に79年ぶり、2回目の対戦。
結果的に、早稲田実業学校高等部が、25安打21得点、1回表に打者13人8安打で一挙7点、そして5回表に打者17人11安打で一挙12点という「ビッグイニング」を2度も作って「圧勝」しました。
一言、凄い試合だったと思います。
英語の勉強の手を休めて見る価値はあったと思いました。
この両校、実は、そんなに「実力差」はないと思っています。
では、何故、それなのに、こんなに「大差」がついたのでしょうか。
私は、4つ、理由があると思います。
一つ目。
早稲田実業の選手諸君達の、得点は、何点あっても「セーフティーリード」はない…という意思の疎通が徹底していた事でしょう。
25安打のうち、「長打」は実はたったの4本。
中京大中京の先発の浅野投手からも、1回も持たずに交代した「エース」の森本投手からも、評価が高い投手でも、打ち所の投球が必ず来る…という「ため」の部分が早稲田実業には、しっかりできていて、それを確実に、忠実に実行しています。
気付いたら、いつの間にか、中京大中京のバッテリーに、全く仕事をさせなかった…。
これが、実力は「僅差」なはずなのに、中京大中京にしてみれば「相手が、一枚も二枚も、上」となったのでしょう。
5回の早稲田実業の満塁からの攻撃も冷静で、中京大中京の「内野前進守備」で併殺狙いに来ていることをしっかり見ていて、外野手の手前で落ちる打球か、広く開いた内野守備間を、速い打球で破れば、チャンスは続くと見て、それを徹底的に実行に移した「冷静さを兼ね備えた集中力」も、この差に繋がっています。絶えず1、2塁、あるいは2、3塁にランナーを置き、走者を貯めて満塁にしてチャンスを広げ、「短打」で2人の走者を帰す…この繰り返しが続いての1イニング12点でした。
5回途中から、中京大中京の名将・大藤監督が「なすすべなし」の表情を浮かべていたのが、実に象徴的でした。
2つ目。
守備の面で、敢えてピンポイントで指摘すれば、遊撃手の守備力に微妙な差がありました。
1回表の、早稲田実業4番バッターの小野田選手の中京大中京の遊撃手(実は、この時は、エースの森本選手)の左に、抜けるか抜けないかの打球を、適時安打にしてしまった一方で、早稲田実業の遊撃手(真鍋選手)は、同じような打球を2度、全身を使って処理して、併殺や、1つの「アウト」に繋げています。この差です。
恐らく、早稲田実業のあの「ファインプレー」がなければ、実はもっともつれた「殴り合い」の展開になっていたと思います。
早稲田実業の鈴木投手は、立ちあがりにどうも「難」があるようで、そこの「隙」をバックのファインプレーの連続で、流れを中京大中京に渡さなかったのが「差」になったと思います。
3つ目。
「応援」で、中京大中京は「完敗」でした。
ただでさえ、対戦相手は、東京六大学系列の高校。
「ヒッティングマーチ」の芸がない最近の応援とは、一味も二味も違う「応援」ができる相手に、アルプススタンドが「完敗」では、先制されたら大差がつくのは目に見えています。
声の大きさ…テレビで見ていても、全然違いました。早稲田実業の方が圧倒的に「大きい」。まるで、阪神タイガースが甲子園で試合をしているムードがそこにあり、「完全ホーム」にしてしまったのが、決定的な「差」に繋がっています。
大事なのは、負けている時の応援です。
応援団は、そこで活路を見出さねば、存在する意味が全くありません。
中京大中京の控え選手も、5回の時点で涙を流し、下を向き、応援団も「絶句」し、動きが「フリーズ」している様では…。
それが、如何に大事か…先日書いた力作調のこの記事を、私自らネット上に公開しているのに…残念です。
やっぱり、「応援団を応援する」事は、凄くパワーが必要だし、根気強く訴え続けるしかないようです。その意味では、頑張ります、勿論。
一方の早稲田実業の応援…流石です。
1回表で「勝負あり」でした。
早稲田が誇る、チャンスパターンメドレー『スパークリングマーチ』に始まり、小野田選手の遊撃手を襲った打球の時は『ダイナマイトマーチ』を炸裂。
そして7番バッタの深澤選手の打席では、「ダメ押し」の『コンバットマーチ』で、走者一掃の適時2塁打が生まれています。
これでは、早稲田が誇る第一応援歌『紺碧の空』が、何度も響き渡るのも、仕方ありません。
そう、たった1回の『コンバットマーチ』の「突き」で、中京大中京の浅野投手を「砕いて」しまいました。
中京大中京の「エース」の森本選手がマウンドに上がった5回でも、試合を決定づける時に『コンバットマーチ』で、やっぱり「砕き」ました。
これが、「応援の威力」です。これが、本来の「応援」です。
吹奏楽を「適当に鳴らす」のを「応援」と勘違いする方が大勢いらっしゃいますが(その話は、以前、拙ブログでも、この記事や、あの記事で警鐘を鳴らしています)、今大会で言えば、この早稲田実業の「リーダーが指揮する応援」を真似て欲しいです。
良く見てみると、出場校の殆どで見られる、打者毎に曲を変えて吹奏楽を鳴らす「ヒッティングマーチ」は、ただの一つも使っていないし、7回の味方の応援の前に、校歌を一番だけ歌う「エール」を贈る「マナー」も忠実に実行しています。試合開始前には、「エール交換」も行っていました。
こういう事が、「当たり前」にできる高校が、実に少なくなったのは、本当に寂しい事です。
4つ目。
和泉監督の「采配」です。その意味を選手達が良く理解しています。
ビッグイニングに「一喜一憂」するのではなく、如何に「無駄」を省き、「雑」をなくすか…。挑戦者の気持ちで挑む事…。これが和泉監督の哲学なのでしょう。
実は、和泉監督は、指導者のキャリアをスタートさせた、今大会、中京大中京に「惜敗」した南陽工業高校の監督時代に、相当なご苦労がお有りの様でした。指導者としての挫折も味わったと聞いています。
4年前もそうだし、昨年のセンバツでもそうだけど、和泉監督は、南陽工業との「縁」を相当感じているようです。だから、今の「成功」があるのかもしれません。
と、私が感じるポイントを4つを挙げましたが、3つ目に挙げた「応援」以外は、実は差がない部分です。
「甲子園に住む魔物」は、2連覇に挑戦する名門であり、伝統校である、今大会の「横綱」にも、容赦なく襲いかかる事が分かり、その「怖さ」と「面白さ」を両方見た気がします。そういう意味でも、凄い試合だったと思います。
展開はどうあれ、見る価値たっぷりの試合でした。
勝った早稲田実業学校高等部は、3回戦で、打線強力の東東京代表・関東第一高校と対戦します。「東西東京対決」ですね。
何が起こるか分からない、一度負けたらチャンスがなくなるトーナメント戦…。
16強ともなると、どこも実力があります。
今日の第2試合、明徳義塾高校-興南高校の試合も、見応えありで面白そうです。
興南高校の、今大会屈指の左腕・島袋投手が、明徳義塾・馬淵監督の「独特の哲学」に率いられた打線をどう抑えるのか。
そして、明徳義塾高校打線が、島袋投手にどう挑むのか。
興南高校の「切れ目ない」集中打が持ち味の打線が火を噴くのか…。
凄く楽しみです。
見てしまうな…間違いなく。
今日も、英語の勉強は、多分「ハァハァ」して、手につかなさそうです(13日に頑張って、一気にやってしまって、余裕を作っておいて良かった)。