Being on the Road ~僕たちは旅の中で生きている~

日常の中にも旅があり、旅の中にも日常がある。僕たちは、いつも旅の途上。

美麗的日本和我 (美しい日本と僕)/下野探訪記 第10回

2022-09-24 13:54:55 | 旅行

2022年の記録

9月最初の3連休初日、奥日光までドライブした時の記録

 

 

天候が崩れる直前、ほんとうに清々しく美しい空だった

 

 

日光までは、1時間ちょっと。散策先を欲張らなければ、前日の夜、天候を確認して、翌朝早めに出発すれば、渋滞に巻き込まれることなく散策して、昼すぎに帰宅できる。

 

 

日光市街地からいろは坂を登ったところにあるのが中禅寺湖。北側にある男体山の噴火でできた堰止湖である。人造湖を除く広さ4km2以上の湖としては、日本一標高の高い所にある湖で、栃木県最大の湖である。1周約25km。箱根の芦ノ湖、日光の中禅寺湖だと、僕は思っている。

 

 

英国大使館別荘は、英国の外交官アーネスト・サトウ*が、明治29年(1896年)に好きな登山や植物採取などを楽しむための山荘として建設している。その後、英国大使館別荘となり、平成20年(2008年)まで利用されていた。現在は、展示室とサトウが愛した中禅寺湖畔の“絵に描いたような風景”を眺めながられるCaféがある。

*「サトウ」はスラヴ系の希少姓で、スウェーデン領生まれドイツ系人の父の姓である。日本の「佐藤」姓との関係はないが、親日家のサトウは漢字を当てて「薩道」または「佐藤」と日本式に姓を名乗った。

 

 

イタリア大使館別荘は、1928年(昭和3年)、アメリカ人アントニン・レーモンドの設計で建設された。1997年(平成9年)まで歴代イタリア大使が使用、その後、修築、復元し2001年(平成13年)に国の登録有形文化財に登録された。木造2階建、瓦葺。

 

 

イタリア大使館別荘本邸から少し離れたところに副邸が建つ。本邸のような華やかさはないが、本邸と同じ木質を活かした外壁を施されている。現在は、国際避暑地歴史館として使用されている。

 

 

立木観音交差点まで戻り、左折して国道120号線を進み、奥日光・湯ノ湖畔まで行き、奥日光の足湯へ。木陰で早めの軽い昼食、その後、折り返して光徳牧場でデザートにアイスクリームを頂く。欲張りをせず、これくらいの時分で帰路につけば渋滞にハマることもない。

国道120号線沿いにあるふだらく本舗に寄って、お薦めの“ゆばむすび”(2個450円)を買う。

 

 

東武日光駅前の日光さかえや 揚げゆばまんじゅう本舗に寄る。小豆餡が嫌いな僕でも塩味が効いて美味しいと思う。揚げたてアツアツがお薦めだ。ただし、物価高騰のため200円→220円→240円と着々と値上げを進めている。値上しても、選ばれる味の強みだが、円高に反転、物価が沈静化した時には、値下げするのだろうか?

東武日光駅からクルマで1分、JR日光駅は、1912年(大正元年)現在の2代目駅舎が落成。ネオ・ルネサンス様式のハーフティンバー様式木造洋風建築2階建て、鉄道院技手・明石虎雄が設計。(長らく設計者は不明であったが、2012年に地元の郷土史家の研究で、ほぼ間違いないと判明した。)

 

 

【メモ】

2022年9月23日に西九州新幹線が開業した。報道過多のような気がしている。小難しい話をすれば、鉄道はネットワークに接続して、本来の効果が生まれる。つまり、今般開業した西九州新幹線は、東京~新大阪~博多~鹿児島中央と繋がる新幹線網に接続していないのだ。接続区間の新鳥栖・武雄温泉間の開通は未定である。チグハグ感を否めない。フリーゲージ開発の技術的頓挫をカネで解決 (カネの掛かる全線標準軌化) できないところに日本経済衰退を感じる。仮に接続問題が解消しても、新幹線開通と地方活性化には光と影がある。

 

観光客が大挙して押し寄せ街が活性化する、というのは、“光”の側面である。観光業は、観光資源があることが大前提であるし、インバウンド観光客が減少し、国内観光客を頼りにすれば、季節、平日休日との繁閑差に苦しむことになる。また、都市に近すぎれば、カネを落とさない日帰り観光客が増えるといった、脆弱性を孕んでいる。

 

一方の“影”は、大都市とのパイプが太くなると引力の大きい都市へと人材は吸い寄せられ、ややもすると過疎が進行する。企業の営業所は閉鎖され、商談は出張で済むようになると、雇用は縮小する。若者は都会の学校に進学し、そのまま都会に就職してしまう。

 

西九州新幹線の沿線は、観光資源にも恵まれている。しかし、全線が開通しても、東京や大阪から観光客が新幹線に乗って来るとは考えられない。逆に福岡の観光客は、日帰り観光に切り替えるかもしれない。

 

すべてが、僕の杞憂に終わることを祈る。

 

 

旅は続く