東京電力廃炉資料館。福島県双葉郡富岡町中央三丁目。
2024年5月25日(土)。
道の駅「いわき よつくら(四倉)」で起床。トイレに満足できず、道の駅「楢葉」に移動した。道の駅内の入浴施設が障害者無料なので確認すると10時からなので諦めた。富岡町の東京電力廃炉資料館の見学を10時に予約していたからだ。廃炉資料館は日祝は自由見学だが、平日と土曜日は時間指定のガイドツアーを予約しなければならない。昨日の午前中に11時を予約したが、いわき市の草野心平記念館を含めいわき市の見学予定地が昨日中に終わる目途がついた15時ごろに10時に変更する電話をした。団体客と一緒になるがいいのかと確認された。
翌日曜日は相馬野馬追の神旗争奪戦本番で、土曜日もそれなりに行事があるようだったので、南相馬市周辺の道路渋滞や道路規制もあると思ったが、その通りだった。ただし、それほどの影響は受けなかった。
東京電力廃炉資料館は、2018年11月にオープンした東京電力が運営する資料館で、廃炉への取り組みを伝える資料館として、原発事故の記憶と記録・反省と教訓、廃炉の進捗状況等を伝える施設である。建物はもともとは、福島第二原発のPR館「エネルギー館」を改装した2階建ての建物で、見学は無料である。
東京電力廃炉資料館には9時45分ごろに着いた。受付に行くと、展示室などの自由見学はできず、周辺地域の観光案内図がある待機室で待つように言われた。コーヒーやお茶の無料給湯器があり、コーヒーを飲んで待った。玄関に飲料水のペットボトルが大量に置かれていたので帰りに持ち帰ろうと思って
いたが、20人ほどの団体がやってきてペットボトルを持っている人もいたので、1本頂いた。団体はどこかの企業の30歳代中心の男性だけの集団だったが、真面目に展示を見ていた。
10時になると、女性ガイドに引率されて、1時間で3つの見学ゾーンを回った。
見学ゾーンでは、映像やジオラマなどを使い、福島第1原子力発電所・第2原子力発電所の当時の状況や対応、廃炉現場の様子などの事故の全容と最新情報を伝えている。ビデオによる説明が多い。
圧力容器・格納容器の断面模型。
調査用ロボット。
数日前のニュースでは、東電の説明に、住民が「何も進展していないじゃないか」と怒っていた。
このあと、国道6号線を北上して双葉町へ向かった。福島第一原発は大熊町と双葉町の境に造られたという。そのあたりを通過していくと、国道の周囲に廃棄された商店や住居が点々としていた。
東日本大震災・原子力災害伝承館。福島県双葉郡双葉町大字中野字高田。
2020年9月20日に開館した福島県立の博物館・情報発信施設である。福島第一原子力発電所は南に3㎞の地点にある。
2011年3月11日に発生した東日本大震災と津波に伴う原子力災害(福島第一原子力発電所事故)を後世に伝えることを目的としている。3階建て、延べ床面積約5200㎡の巨大な建物である。
館内に入ると、入館券の自販機に欧米人10人ほどが購入の列をなしていた。入館料は大人600円と高い。同種施設の岩手県陸前高田市の東日本大震災津波伝承館は入館無料なので、無料でもいいのに不思議だ。横にいる係員に身障者手帳を見せると、無料で入館券を用意してくれた。
入口にある導入シアターの映像では、ナレーションを福島県出身の西田敏行が務めている。語り部コーナーには多くの人が話を聞く姿が見えた。
2011年3月11日、マグニチュード9.0という日本での観測史上最大となる東北地方太平洋沖地震が東北地方で発生した。これにより、津波も発生し、太平洋沿岸地域で甚大な被害に見舞われた。福島県もその例外ではなく、1600人以上が命を落とした。
さらに福島県双葉町に位置する福島第一原子力発電所の非常用電源が津波で使用不能になったことで、チェルノブイリ原子力発電所事故に並ぶレベル7となる最悪の原子力災害も発生した。
汚染土壌を収納しているフレキシブル・コンテナ・バッグ(フレコンバッグ)見本。
屋上からは周辺地域一帯で整備が進められている復興祈念公園が見渡せる。
このあと、南相馬市の小高神社・小高城跡へ向かった。