前回からの続き
以下、日々の取引の典型的なものについて、元帳への転記を見ていきます。それぞれの場合で貸方と借方はどのような面からの見方になるのでしょうか。まずは仕入れと販売です。
仕入れと販売で利益が生じる
仕訳帳
1) 仕入れ 商品(100個)、8000 // 現金、8000
2) 販売 現金、5000 // 商品(50個)、5000
元帳(現金勘定)
1) 仕入れ // 現金、8000
2) 販売 現金、5000 //
*) 差額 費用、3000 //
元帳(商品勘定)
1) 仕入れ 商品(100個)、8000 //
2) 販売 // 商品(50個)、4000 【注意】
*) 差額 // 収益、4000
ここで商品元帳での販売額が原価で表示されていることに御注意ください。元帳は各項目の増減を記録するものなので単位は統一しないとまずいわけです。
さてパチョーリ流だとここで各勘定ごとに借方(debt)と貸方(credit)との差額を費用または収益として算出し両者をバランスさせます。そして各勘定(この例では現金勘定と商品勘定)の費用と収益を損益勘定という名の元帳へと転記します。
元帳(損益勘定)
1) 現金 費用、3000 //
2) 商品 // 収益、4000
*) 差額 利益、1000 //
損益勘定元帳というのがまさしく損益計算書に当たるわけです。そして決算でバランスシートを作るときには、損益勘定でわかった利益の額が総資産の増加額になるのです。またこの利益は販売した商品の売り上げと原価との差から出てきたもので、本ブログの記事[国民経済計算の基礎(3) -付加価値はどこで生まれるか-(2012/03/16)]で書いた付加価値と同じものです。
さて販売品ではなく消費するための消耗品や備品には、通常は購入しかありません。ただし耐久品か否かで扱いが異なる点もあります。
消耗品や備品の購入
仕訳帳
3) 購入 消耗品、 500 // 現金、 500
4) 購入 耐久品、2000 // 現金、2000
元帳(現金勘定)
1) 購入 // 現金、 500
2) 購入 // 現金、2000
*) 差額 費用、 2500 //
元帳(消耗品勘定)
1) 購入 消耗品、 500 //
1) 使用 // 消耗品、 500 【注意】
*) 差額 0 // 0
元帳(耐久品勘定)
1) 購入 耐久品、2000 //
*) 差額 // 収益、 2000
元帳(損益勘定)
1) 現金 費用、2500 //
2) 消耗品 //
3) 耐久品 // 収益、 2000
*) 差額 // 損失、 500
ここで耐久品は資産として残りますが、消耗品は使用して消耗します。まあ鉛筆や紙などは在庫も管理した方がやりやすいでしょうが、会計上は当期の間に消耗してしまうと扱ってよいわけです。鉛筆在庫管理は秘密帳簿でどうぞ(^_^)。電力やサービスなどは取引とほぼ同時に消耗しますね。
決算でバランスシートを作るときには、損益勘定での損失の額だけ総資産が減少します。マイナスの利益と考えれば、仕入れと販売で得られた利益の場合と全くおなじことです。一体どこで損失が生じたかを流れの中で見ると、資産だった現金が消耗品購入で同価値の消耗品に変化した段階では総資産に変化はありません。しかし消耗品は消費して消えてしまいますから、期末にはなくなっていて、その分だけ総資産は減っている(損失が生じている)というわけです。
耐久品の場合は使用しても消えませんから、損失とはならないわけです。ただし長年には劣化したりして価値が減りますから、その分を償却費として会計期ごとに計上するという処理をするのです。
次回は債務や債権の取引です。
以下、日々の取引の典型的なものについて、元帳への転記を見ていきます。それぞれの場合で貸方と借方はどのような面からの見方になるのでしょうか。まずは仕入れと販売です。
仕入れと販売で利益が生じる
仕訳帳
1) 仕入れ 商品(100個)、8000 // 現金、8000
2) 販売 現金、5000 // 商品(50個)、5000
元帳(現金勘定)
1) 仕入れ // 現金、8000
2) 販売 現金、5000 //
*) 差額 費用、3000 //
元帳(商品勘定)
1) 仕入れ 商品(100個)、8000 //
2) 販売 // 商品(50個)、4000 【注意】
*) 差額 // 収益、4000
ここで商品元帳での販売額が原価で表示されていることに御注意ください。元帳は各項目の増減を記録するものなので単位は統一しないとまずいわけです。
さてパチョーリ流だとここで各勘定ごとに借方(debt)と貸方(credit)との差額を費用または収益として算出し両者をバランスさせます。そして各勘定(この例では現金勘定と商品勘定)の費用と収益を損益勘定という名の元帳へと転記します。
元帳(損益勘定)
1) 現金 費用、3000 //
2) 商品 // 収益、4000
*) 差額 利益、1000 //
損益勘定元帳というのがまさしく損益計算書に当たるわけです。そして決算でバランスシートを作るときには、損益勘定でわかった利益の額が総資産の増加額になるのです。またこの利益は販売した商品の売り上げと原価との差から出てきたもので、本ブログの記事[国民経済計算の基礎(3) -付加価値はどこで生まれるか-(2012/03/16)]で書いた付加価値と同じものです。
さて販売品ではなく消費するための消耗品や備品には、通常は購入しかありません。ただし耐久品か否かで扱いが異なる点もあります。
消耗品や備品の購入
仕訳帳
3) 購入 消耗品、 500 // 現金、 500
4) 購入 耐久品、2000 // 現金、2000
元帳(現金勘定)
1) 購入 // 現金、 500
2) 購入 // 現金、2000
*) 差額 費用、 2500 //
元帳(消耗品勘定)
1) 購入 消耗品、 500 //
1) 使用 // 消耗品、 500 【注意】
*) 差額 0 // 0
元帳(耐久品勘定)
1) 購入 耐久品、2000 //
*) 差額 // 収益、 2000
元帳(損益勘定)
1) 現金 費用、2500 //
2) 消耗品 //
3) 耐久品 // 収益、 2000
*) 差額 // 損失、 500
ここで耐久品は資産として残りますが、消耗品は使用して消耗します。まあ鉛筆や紙などは在庫も管理した方がやりやすいでしょうが、会計上は当期の間に消耗してしまうと扱ってよいわけです。鉛筆在庫管理は秘密帳簿でどうぞ(^_^)。電力やサービスなどは取引とほぼ同時に消耗しますね。
決算でバランスシートを作るときには、損益勘定での損失の額だけ総資産が減少します。マイナスの利益と考えれば、仕入れと販売で得られた利益の場合と全くおなじことです。一体どこで損失が生じたかを流れの中で見ると、資産だった現金が消耗品購入で同価値の消耗品に変化した段階では総資産に変化はありません。しかし消耗品は消費して消えてしまいますから、期末にはなくなっていて、その分だけ総資産は減っている(損失が生じている)というわけです。
耐久品の場合は使用しても消えませんから、損失とはならないわけです。ただし長年には劣化したりして価値が減りますから、その分を償却費として会計期ごとに計上するという処理をするのです。
次回は債務や債権の取引です。
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