外務省の各国・地域における新型コロナウイルスの感染状況の国別1万人当たりの感染者数から国別ランキングを見ると、ちょっと意表を突かれる気もします。源である中国が遥かランク外で、しっかりしてそうな国が以外に上位に入っています。例えば中国の場合は広大な国土の中で濃密な感染があったのは一部の地方だけですから、分母が国土全体の人口になると小さくなってしまうのです。上位のアイスランドやベルギーなどは侵入されれば直ぐに全土に広がるでしょうから人口当たりの数値は高くなりやすいでしょう。公平に比較するならば、これら小国と比較すべきは、武漢だけとか、ニューヨーク州やニューヨーク市、ロンドン、パリ、東京23区などの地域でしょう。
【索敵徹底アイスランドの戦略】
[感染者数/人口]三傑の一国アイスランドは人口約36万人ですから、50人/1万人だと全数は1800人です。にもかかわらず、ロックダウンを避けてうまく対処しているとの称賛を受けています[[Ref-2]]。そのポイントは世界最高のPCR検査比率による徹底した感染者の検出とその隔離です。詳しくは引用先を御覧ください。
この島国にはたまたまなのか deCODE genetics という名前からして遺伝子検査会社とわかる企業が拠点を置いており、国立大学病院と分担して検査をしています。国立大学病院は主にハイリスク集団1万例弱の検査を行い、他に公募や無作為抽出での検査1万例強の検査をdeCODE社が行っています[[Ref-3]]。
ハイリスク集団というのは、「主に症状がある人,リスクの高い国に最近渡航した人,感染者と接触した人(mainly those who were symptomatic, had recently traveled to high-risk countries, or had contact with infected persons)」です。当然ながらハイリスク集団での感染率は高く、9199人中1221例(13.3%)、無料スクリーニングに申し込んだボランティア(3/13~4/01)では10797人中87人(0.8%)、無作為抽出では2,283人中13人(0.6%)です[Ref-3c]。もちろん陽性者は症状の有無にかかわらずすぐに隔離されています。
これで陽性者の約半数は無症状だったというのですから、ハイリスク集団の中にも症状のない人が相当数居たことになります。新型コロナの様々な特徴がわかってきたという点でも有用な研究となったのでした。
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Ref-1) アイスランドからの報告
1a) 在アイスランド日本国大使館(Embassy of Japan in Iceland)の「アイスランドにおける新型コロナウイルス感染関連情報」
1b) アイスランド国発表"COVID-19 in Iceland – Statistics"
Ref-2) アイスランドに関する記事
2a) Business Insider「「何年もかけて備えてきた」アイスランドでは誰でも新型コロナウイルスの検査が受けられる」(2020/04/06)
2b) CNN「「陽性者の半数は無症状」 アイスランドの徹底した検査に学ぶ」(2020/04/03)
2c) Yahoo News「休校も閉店もせず、小国ならではの対策で新型コロナと闘うアイスランド」(2020/04/09)
Ref-3) データおよび解析とその紹介
3a) ケアネット(Care Net)「アイスランドの新型コロナウイルス、遺伝子型が変化/NEJM」(2020/04/24)
3b) deCODE genetics 社の発表(2020/04/14)
3c) 論文"Spread of SARS-CoV-2 in the Icelandic Population" NEJM(New England J. Medicine)(2020/04/14)
3d) IcelandGuid.Net「アイスランドのコロナ・ウィルス検査結果を読む手引き」(2020/04/06)
【索敵徹底アイスランドの戦略】
[感染者数/人口]三傑の一国アイスランドは人口約36万人ですから、50人/1万人だと全数は1800人です。にもかかわらず、ロックダウンを避けてうまく対処しているとの称賛を受けています[[Ref-2]]。そのポイントは世界最高のPCR検査比率による徹底した感染者の検出とその隔離です。詳しくは引用先を御覧ください。
この島国にはたまたまなのか deCODE genetics という名前からして遺伝子検査会社とわかる企業が拠点を置いており、国立大学病院と分担して検査をしています。国立大学病院は主にハイリスク集団1万例弱の検査を行い、他に公募や無作為抽出での検査1万例強の検査をdeCODE社が行っています[[Ref-3]]。
ハイリスク集団というのは、「主に症状がある人,リスクの高い国に最近渡航した人,感染者と接触した人(mainly those who were symptomatic, had recently traveled to high-risk countries, or had contact with infected persons)」です。当然ながらハイリスク集団での感染率は高く、9199人中1221例(13.3%)、無料スクリーニングに申し込んだボランティア(3/13~4/01)では10797人中87人(0.8%)、無作為抽出では2,283人中13人(0.6%)です[Ref-3c]。もちろん陽性者は症状の有無にかかわらずすぐに隔離されています。
これで陽性者の約半数は無症状だったというのですから、ハイリスク集団の中にも症状のない人が相当数居たことになります。新型コロナの様々な特徴がわかってきたという点でも有用な研究となったのでした。
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Ref-1) アイスランドからの報告
1a) 在アイスランド日本国大使館(Embassy of Japan in Iceland)の「アイスランドにおける新型コロナウイルス感染関連情報」
1b) アイスランド国発表"COVID-19 in Iceland – Statistics"
Ref-2) アイスランドに関する記事
2a) Business Insider「「何年もかけて備えてきた」アイスランドでは誰でも新型コロナウイルスの検査が受けられる」(2020/04/06)
2b) CNN「「陽性者の半数は無症状」 アイスランドの徹底した検査に学ぶ」(2020/04/03)
2c) Yahoo News「休校も閉店もせず、小国ならではの対策で新型コロナと闘うアイスランド」(2020/04/09)
Ref-3) データおよび解析とその紹介
3a) ケアネット(Care Net)「アイスランドの新型コロナウイルス、遺伝子型が変化/NEJM」(2020/04/24)
3b) deCODE genetics 社の発表(2020/04/14)
3c) 論文"Spread of SARS-CoV-2 in the Icelandic Population" NEJM(New England J. Medicine)(2020/04/14)
3d) IcelandGuid.Net「アイスランドのコロナ・ウィルス検査結果を読む手引き」(2020/04/06)
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