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消毒、洗面

2020-05-09 07:22:36 | 医学
 この記事には私が適切な情報があると思ったサイトを紹介していますが、当然ながら細かい注意点など全てを紹介してはいませんので、もしも実用として使う場合は御注意を。


消毒について

 いわゆる消毒については国の基準というものがあるようです。[Ref-1]のいくつかのサイトで示されている方法は、感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)によるもののようですが、基準自体は別表などに書かれているのでしょうか。具体的には色々なサイトで紹介されていますが、

 *)手洗いには洗剤で丁寧に。またはアルコール(エタノールやイソプロパノール、60-70%以上)で。
 *)衣類、繊維類は洗濯。または熱水処理。80℃で10分なら特に頑強な芽胞を作るもの以外の病原体はほぼ全滅[Ref-2c]。つまりウイルスはすべて全滅。
 *)床・ドア・などは塩素系漂白剤などで、基本的には拭うのが効果的。

 なお処理条件の数値的なところは各国で違いがあります[Ref-2d]。また同じ処理でも病原菌により効果が異なるのは当然ですが、コロナやインフルエンザは弱い方らしいです。外郭がタンパク質だけではなく脂質も含んでいて、その脂質が溶けたり変質したりすると感染力を失うようです[Ref-2b],[Ref-3]。洗剤、アルコール、加熱水、塩素系漂白剤はいずれも効果があるので、対象による使い分けは主に使いやすさの問題でしょう。手を80℃で10分とはいきませんし。洗剤(界面活性剤)はどの対象にも使えますが、家庭などでは適切な濃度にするのが結構大変そうですね。

 煮沸は5分間とされていることが多いようですが、80℃で10分ということなら100℃ではそんなものでしょうね。[Ref-2b]では「煮沸(98℃以上)15~20 分間」という記載が出てきますが、より完全な滅菌を目指しているものと考えられます。芽胞まで殲滅しようとする基準なのかも知れません。

洗顔について

 ところで「マスクの有効性」(2020/04/17)でも紹介したWHOの手引書である「インフルンエザA(H1N1)アウトブレイクにおける市中でのマスク使用に関する助言 暫定的な手引き(2009/05/03)」には、手洗いの重要さは強調されていますが洗顔については何も書かれていません。洗ってない手で顔に触れると目や鼻から手の汚れが侵入する恐れがありますが、逆に顔の皮膚の汚れが手に移って、それがまた口や鼻に移る可能性も高いのではないでしょうか? なにしろマスクの表面(外面)にはウイルスが蓄積する可能性があるから注意しろと言われているのですから、そんな環境を通ってきたのなら顔面にも蓄積しているはずです。もちろんマスクの方は空気を何回も通してますから蓄積量は顔面の方がかなり少なそうですけれど。手洗いも大事でしょうけど洗面も推奨しなくて大丈夫なのでしょうか?

 などと考えていたら、いつの間にか洗顔も推奨されるようになっていました。
  厚生労働省「新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を公表しました」(05/07)より、「家に返ったらまず手や顔を洗う。できるだけすぐに着替える。シャワーを浴びる。」

 実は今回の新型コロナ以前にも洗面推奨をしている人たちはいました。
  セルフモニタリングツール・モニシアのコラム(2019/12/23)。日付はコラム一覧に記載。
  「自宅にウィルスを持ち込まないためには、帰宅後すぐの入浴がおすすめ。体に付着したウィルスを一気に洗い流すことができます。すぐに入浴できない場合は洗顔がおすすめ。顔にはたくさんのウィルスが付着しているため、石けんを使い洗顔することが効果的です。」

 やっぱり、そうですよねえ。


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Ref-1) わかりやすい手引
 Ref-1a) 厚生労働省の「社会福祉施設等に対する「新型コロナウイルス対策身のまわりを清潔にしましょう。」の周知について」
 Ref-1b) 中野区役所の「新型コロナウイルスの感染を予防する消毒方法について」


Ref-2) 詳しい手引
 Ref-2a) 厚生労働省の「重症急性呼吸器症候群(SARS)関連情報・家庭・職場における消毒(例)改訂版(2003年5月15日改訂)」
 Ref-2b) 山口県感染症情報センターの「感染症法に基づく消毒・滅菌の手引き」
 Ref-2c) 日本医師会発行の日医雑誌から日医雑誌,122巻,10号,p295-297 「消毒・滅菌の概要」
 Ref-2d) 吉田製薬の「病院感染、院内感染対策学術情報」

Ref-3) National Geographic日本版「消毒はせっけんでOK、漂白剤よりいい理由とは(2020/03/23)」

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