世界中に新型コロナ(COVID-19)が広がってしまった今も感染者ゼロと奮闘している国々があります。が、こうなるともはや称賛よりも奇異の目で見られてしまうという可哀想な事態となっているようです。特に17カ国の中でも中国に近い、北朝鮮、タジキスタン、トルクメニスタンの3カ国は疑惑の目で見られているようです。残りは、太平洋の島国12カ国(キリバス、クック諸島、サモア、ソロモン諸島、ツバル、トンガ、ナウル、ニウエ、バヌアツ、パラオ、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦)、およびアフリカの2カ国(コモロ、レソト)です[Ref-1]。小さな島国では外からの侵入は防ぎやすいでしょうし、逆に一旦すり抜けられればまたたく間に全島に広がりそうです。
ただし在タジキスタン日本国大使館(Embassy of Japan in Tajikistan)からの最新情報(2020/04/30)によれば29日に15件の新型コロナウイルスの感染例が認められとのことです[Ref-2]。
北朝鮮は、04/12の記事「コロナも国により(2)」で先手必勝と評した台湾に次ぐくらいの早さで対処していました。12月からというほどではないようですが、中国からの情報は台湾より早いくらいかも知れませんから内部では早めに何かがなされていたのかも知れません。
01/22 中国からの観光客の受け入れを全面停止[Ref-3]。外国人観光客の入国全面停止[Ref-4]。
01/22 中国の武漢封鎖
01/30 衛生防疫システムを「国家非常防疫システム」に切り替えると宣布
02/01 国際列車、空路定期便をすべて運行停止(帰国する北朝鮮人や商用往来者のため運行していた)
02/12 隔離期間が30日に延長された。(多くの国の隔離期間は2週間程度)
02/22 屋外でのマスク着用が国家の指示として全住民に義務付けられた
-------引用[Ref-3]-----------
治療のための医療施設の充実よりも、まず水際対策と感染予防が重要であることを北朝鮮は当初から強く認識していたのであろう。
治療法がないのであれば、感染の疑いがある者を社会から隔離するしかない。たとえ医療施設が少なくても、北朝鮮は隔離施設には困らないだろう。
-------終わり-----------
04/03 一人も新型コロナウイルス感染者が出ていないと発表
PCR検査が計709人(外国人11人と北朝鮮人698人)。陽性反応の事例はなかった。
外国人382人、北朝鮮人2万4969人の計2万5351人を隔離してきたことになる。
-------引用[Ref-3]-----------
北朝鮮に新型コロナウイルス感染者がゼロであるというのは疑わしい。しかし、少なくとも感染爆発を起こすほど数多いとも思われない。
-------終わり-----------
例によって、このような北朝鮮の発表は本当かどうかの判断は難しいのですが、なぜか世界は注目しないよね、というのが[Ref-4]の記事です。
-------引用[Ref-4]-----------
なのに新型コロナウイルス感染者がゼロなのは、資金的問題、あるいは、PCR検査等を行う器具不足や、技術などの問題で感染者を特定することができないのではないか。もし、「ゼロ」主張を貫くのであれば、医学的監視対象者数をわざわざ発表するのはおかしい。医学的監視対象者もゼロでないと矛盾するという指摘だ。
-------終わり-----------
前述の「PCR検査が計709人」という数値から見てもPCR検査の容量不足は確かでしょう。でも「医学的監視対象者もゼロでないと矛盾する」という記事では身元不明の研究者の論理は意味がわかりません。少しでも疑わしい症状の人たちを医学的監視対象者として強制収容、もとい医療的保護の元においたのですから、大半が普通の風邪やインフルエンザだったとしても何も矛盾はないはずなのですが。
-------引用[Ref-4]-----------
その理由は、各国が自国の新型コロナ対応だけで精いっぱいで、北朝鮮へ目を向ける余裕がないことが最も大きいが、もう1つは、海外へ渡航する北朝鮮人がほとんどいないため、北朝鮮人から感染が広がるリスクが皆無であり、関心がないのだろう。
----- 中略 -------
そのため、北朝鮮当局による新型コロナ感染者の発表が0人でも1万人でも、周辺国やアメリカへの感染リスクはほぼゼロのため、主要国は、「ゼロはおかしいだろう」といったツッコミは入れず、さしたる関心を示さないわけだ。
-------終わり-----------
ごもっともです。でも同様に独裁国家とされるタジキスタンやトルクメニスタンはどうなのよ(^_~)。北朝鮮よりも閉鎖性は少なそうなんだから、もしも偽装してたらこちらの2カ国の方が危険に思えますが、筑前サンミゲル氏もさしたる関心を示してないみたいですし・・・。やっぱり日頃の行いでしょうか。目立ちたがり屋の首領様とは異なり、この2カ国は地味に過ごしてましたから。
さて、そのタジキスタンはどうだったかと言えば、北朝鮮ほど徹底したとは言えないのに感染者ゼロです。これは運が良かっただけなのでしょうか?
01/23 中国からの入国者に対する10~14日間の隔離措置
02/26 中国以外の国からの入国者に対する隔離措置(14日間)
03/19 ドゥシャンベ空港を閉鎖
上記の最新情報では感染者ゼロクラブから脱落した模様ですが、逆に言えば、これまでの感染者ゼロ情報が意識した完全な嘘ということではなかった、ということになると思います。
「トルクメニスタンは2月初旬に中国や他国へのフライトをキャンセル」と、タジキスタンよりやや遅れて対外封鎖をしたのですが、「現地からの報道によると、住民たちが「新型コロナウイルス」という言葉を口にするだけで拘束され、公式文書とメディアでも使用が禁止されている。市民のマスク着用も「感染していることを連想させる」として禁じられている。」というのは独裁国家らしいけれども変わってますね。「住民の多くが「新型コロナウイルスが国内にある可能性をほのめかすこと」さえ恐れているため、普段通りの生活を送り、カフェやレストランは開店、結婚式のために人は集い、大規模イベントも実施される。」とか大丈夫かなと心配になりますね。そりゃあ対外封鎖が突破されなければ大丈夫だろうけども。
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Ref-1) 西岡省二「独裁3カ国の“感染者ゼロ”は新型コロナの潜在的脅威」Yahooニュース(2020/04/14)
Ref-2) 在タジキスタン日本国大使館(Embassy of Japan in Tajikistan)からの「タジキスタンにおける新型コロナウイルス感染者の発症について」(2020/04/30)
Ref-3) 宮本悟「北朝鮮、新型コロナ感染者はゼロだが隔離は2.5万人超」日経ビジネス(2020/04/22)
Ref-4) 筑前サンミゲル「北朝鮮は「コロナ感染者ゼロ」!?明らかにおかしいのに世界が無関心なワケ」週刊ダイヤモンド(2020/04/30)
ただし在タジキスタン日本国大使館(Embassy of Japan in Tajikistan)からの最新情報(2020/04/30)によれば29日に15件の新型コロナウイルスの感染例が認められとのことです[Ref-2]。
北朝鮮は、04/12の記事「コロナも国により(2)」で先手必勝と評した台湾に次ぐくらいの早さで対処していました。12月からというほどではないようですが、中国からの情報は台湾より早いくらいかも知れませんから内部では早めに何かがなされていたのかも知れません。
01/22 中国からの観光客の受け入れを全面停止[Ref-3]。外国人観光客の入国全面停止[Ref-4]。
01/22 中国の武漢封鎖
01/30 衛生防疫システムを「国家非常防疫システム」に切り替えると宣布
02/01 国際列車、空路定期便をすべて運行停止(帰国する北朝鮮人や商用往来者のため運行していた)
02/12 隔離期間が30日に延長された。(多くの国の隔離期間は2週間程度)
02/22 屋外でのマスク着用が国家の指示として全住民に義務付けられた
-------引用[Ref-3]-----------
治療のための医療施設の充実よりも、まず水際対策と感染予防が重要であることを北朝鮮は当初から強く認識していたのであろう。
治療法がないのであれば、感染の疑いがある者を社会から隔離するしかない。たとえ医療施設が少なくても、北朝鮮は隔離施設には困らないだろう。
-------終わり-----------
04/03 一人も新型コロナウイルス感染者が出ていないと発表
PCR検査が計709人(外国人11人と北朝鮮人698人)。陽性反応の事例はなかった。
外国人382人、北朝鮮人2万4969人の計2万5351人を隔離してきたことになる。
-------引用[Ref-3]-----------
北朝鮮に新型コロナウイルス感染者がゼロであるというのは疑わしい。しかし、少なくとも感染爆発を起こすほど数多いとも思われない。
-------終わり-----------
例によって、このような北朝鮮の発表は本当かどうかの判断は難しいのですが、なぜか世界は注目しないよね、というのが[Ref-4]の記事です。
-------引用[Ref-4]-----------
なのに新型コロナウイルス感染者がゼロなのは、資金的問題、あるいは、PCR検査等を行う器具不足や、技術などの問題で感染者を特定することができないのではないか。もし、「ゼロ」主張を貫くのであれば、医学的監視対象者数をわざわざ発表するのはおかしい。医学的監視対象者もゼロでないと矛盾するという指摘だ。
-------終わり-----------
前述の「PCR検査が計709人」という数値から見てもPCR検査の容量不足は確かでしょう。でも「医学的監視対象者もゼロでないと矛盾する」という記事では身元不明の研究者の論理は意味がわかりません。少しでも疑わしい症状の人たちを医学的監視対象者として強制収容、もとい医療的保護の元においたのですから、大半が普通の風邪やインフルエンザだったとしても何も矛盾はないはずなのですが。
-------引用[Ref-4]-----------
その理由は、各国が自国の新型コロナ対応だけで精いっぱいで、北朝鮮へ目を向ける余裕がないことが最も大きいが、もう1つは、海外へ渡航する北朝鮮人がほとんどいないため、北朝鮮人から感染が広がるリスクが皆無であり、関心がないのだろう。
----- 中略 -------
そのため、北朝鮮当局による新型コロナ感染者の発表が0人でも1万人でも、周辺国やアメリカへの感染リスクはほぼゼロのため、主要国は、「ゼロはおかしいだろう」といったツッコミは入れず、さしたる関心を示さないわけだ。
-------終わり-----------
ごもっともです。でも同様に独裁国家とされるタジキスタンやトルクメニスタンはどうなのよ(^_~)。北朝鮮よりも閉鎖性は少なそうなんだから、もしも偽装してたらこちらの2カ国の方が危険に思えますが、筑前サンミゲル氏もさしたる関心を示してないみたいですし・・・。やっぱり日頃の行いでしょうか。目立ちたがり屋の首領様とは異なり、この2カ国は地味に過ごしてましたから。
さて、そのタジキスタンはどうだったかと言えば、北朝鮮ほど徹底したとは言えないのに感染者ゼロです。これは運が良かっただけなのでしょうか?
01/23 中国からの入国者に対する10~14日間の隔離措置
02/26 中国以外の国からの入国者に対する隔離措置(14日間)
03/19 ドゥシャンベ空港を閉鎖
上記の最新情報では感染者ゼロクラブから脱落した模様ですが、逆に言えば、これまでの感染者ゼロ情報が意識した完全な嘘ということではなかった、ということになると思います。
「トルクメニスタンは2月初旬に中国や他国へのフライトをキャンセル」と、タジキスタンよりやや遅れて対外封鎖をしたのですが、「現地からの報道によると、住民たちが「新型コロナウイルス」という言葉を口にするだけで拘束され、公式文書とメディアでも使用が禁止されている。市民のマスク着用も「感染していることを連想させる」として禁じられている。」というのは独裁国家らしいけれども変わってますね。「住民の多くが「新型コロナウイルスが国内にある可能性をほのめかすこと」さえ恐れているため、普段通りの生活を送り、カフェやレストランは開店、結婚式のために人は集い、大規模イベントも実施される。」とか大丈夫かなと心配になりますね。そりゃあ対外封鎖が突破されなければ大丈夫だろうけども。
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Ref-1) 西岡省二「独裁3カ国の“感染者ゼロ”は新型コロナの潜在的脅威」Yahooニュース(2020/04/14)
Ref-2) 在タジキスタン日本国大使館(Embassy of Japan in Tajikistan)からの「タジキスタンにおける新型コロナウイルス感染者の発症について」(2020/04/30)
Ref-3) 宮本悟「北朝鮮、新型コロナ感染者はゼロだが隔離は2.5万人超」日経ビジネス(2020/04/22)
Ref-4) 筑前サンミゲル「北朝鮮は「コロナ感染者ゼロ」!?明らかにおかしいのに世界が無関心なワケ」週刊ダイヤモンド(2020/04/30)
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