05/08の記事で予告した通り、相対論的運動方程式、式5と式6の誘導をしておきます。あるいはもっとスマートな誘導があるかも知れませんが、私が思いついたのは以下の手順です。
運動量を次の式で定義する。
p=m(dx/dτ) --- 式1a
=m(dx/dt)γ --- 式1b)
ただし、mは運動する質点の質量、tは静止系での時間、xは静止系での位置ベクトル、τは固有時
dτ=γdt --- 式2)
また、γは簡略化のために定義した量
γ={1-(v/c)2}-1/2 --- 式3)
運動方程式はfを力として次のようになる。
f=dp/dt --- 式4)
pを代入して、α=(dx/dt)とfとの関係式を求めると、次の2式が得られる。
f=mγ{(α)+{(v/c)*(α/c)}vγ2} --- 式5)
α=(1/mγ){f-(f*(v/c))(v/c)} --- 式6)
式5の誘導
式4に式1aを代入して、微分の公式から
f/m=(dv/dt)γ+v(dγ/dt)
=(dv/dt)γ+v(d/dt){1-(v/c)*(v/c)}(-1/2)
=(dv/dt)γ+v{(v/c)*(d(v/c)/dt)}γ3 *1)
=γ{(α)+{(v/c)*(α/c)}vγ2} *2)
ゆえに式5および、式5bが得られる
f/mγ=(α)+{(v/c)*(α/c)}vγ2 --- 式5b)
式6の誘導
式5bの両辺に(v/c)を内積として掛けて
(1/mγ)(f/c)*(v/c)=(α/c)*(v/c)+γ2{(v/c)*(α/c)}{(v/c)*(v/c)}
=(α/c)*(v/c)+γ2{(v/c)*(α/c)}(v/c)2
=(α/c)*(v/c){1+(v/c)2/(1-(v/c)2)}
=(α/c)*(v/c){1/(1-(v/c)2)}
=(α/c)*(v/c)γ2
よって
(α/c)*(v/c)=(1/mγ3)(f/c)*(v/c) --- 式7)
式7を式5bに代入すれば、
(1/mγ)f=(α/c)+(1/mγ){(f/c)*(v/c)}v
これで式6が得られる
---------
*1) vがスカラーなら微分公式の通りだが、ベクトルの内積でも成立することを確認する。
(d/dt){v*v}
=(d/dt){vx2+vy2+vz2}
=2vx(dvx/dt)+2vy(dvy/dt)+2vz(dvz/dt)
=2v*(dv/dt)
で、成立している
*2) 内積項はスカラーなのでvと交換可能だが、v{v*α}={v*v}α、とはならない。内積とスカラー同士の積を区別していないと、うっかり結合法則を適用してしまうかも知れない。
運動量を次の式で定義する。
p=m(dx/dτ) --- 式1a
=m(dx/dt)γ --- 式1b)
ただし、mは運動する質点の質量、tは静止系での時間、xは静止系での位置ベクトル、τは固有時
dτ=γdt --- 式2)
また、γは簡略化のために定義した量
γ={1-(v/c)2}-1/2 --- 式3)
運動方程式はfを力として次のようになる。
f=dp/dt --- 式4)
pを代入して、α=(dx/dt)とfとの関係式を求めると、次の2式が得られる。
f=mγ{(α)+{(v/c)*(α/c)}vγ2} --- 式5)
α=(1/mγ){f-(f*(v/c))(v/c)} --- 式6)
式5の誘導
式4に式1aを代入して、微分の公式から
f/m=(dv/dt)γ+v(dγ/dt)
=(dv/dt)γ+v(d/dt){1-(v/c)*(v/c)}(-1/2)
=(dv/dt)γ+v{(v/c)*(d(v/c)/dt)}γ3 *1)
=γ{(α)+{(v/c)*(α/c)}vγ2} *2)
ゆえに式5および、式5bが得られる
f/mγ=(α)+{(v/c)*(α/c)}vγ2 --- 式5b)
式6の誘導
式5bの両辺に(v/c)を内積として掛けて
(1/mγ)(f/c)*(v/c)=(α/c)*(v/c)+γ2{(v/c)*(α/c)}{(v/c)*(v/c)}
=(α/c)*(v/c)+γ2{(v/c)*(α/c)}(v/c)2
=(α/c)*(v/c){1+(v/c)2/(1-(v/c)2)}
=(α/c)*(v/c){1/(1-(v/c)2)}
=(α/c)*(v/c)γ2
よって
(α/c)*(v/c)=(1/mγ3)(f/c)*(v/c) --- 式7)
式7を式5bに代入すれば、
(1/mγ)f=(α/c)+(1/mγ){(f/c)*(v/c)}v
これで式6が得られる
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*1) vがスカラーなら微分公式の通りだが、ベクトルの内積でも成立することを確認する。
(d/dt){v*v}
=(d/dt){vx2+vy2+vz2}
=2vx(dvx/dt)+2vy(dvy/dt)+2vz(dvz/dt)
=2v*(dv/dt)
で、成立している
*2) 内積項はスカラーなのでvと交換可能だが、v{v*α}={v*v}α、とはならない。内積とスカラー同士の積を区別していないと、うっかり結合法則を適用してしまうかも知れない。
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