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相対性理論での運動方程式の誘導

2010-05-13 06:42:55 | 物理化学
 05/08の記事で予告した通り、相対論的運動方程式、式5と式6の誘導をしておきます。あるいはもっとスマートな誘導があるかも知れませんが、私が思いついたのは以下の手順です。

 運動量を次の式で定義する。
  =m(d/dτ)  --- 式1a 
    =m(d/dt)γ  --- 式1b)
 ただし、mは運動する質点の質量、tは静止系での時間、は静止系での位置ベクトル、τは固有時
   dτ=γdt  --- 式2)
 また、γは簡略化のために定義した量
   γ={1-(v/c)2}-1/2  --- 式3)

 運動方程式はを力として次のようになる。
  =d/dt  --- 式4)

 を代入して、α=(d/dt)ととの関係式を求めると、次の2式が得られる。
 =mγ{(α)+{(/c)*(α/c)}γ2}  --- 式5)
 α=(1/mγ){-(*(/c))(/c)}  --- 式6)


式5の誘導

 式4に式1aを代入して、微分の公式から
 /m=(d/dt)γ+(dγ/dt)
  =(d/dt)γ+(d/dt){1-(/c)*(/c)}(-1/2)
  =(d/dt)γ+{(/c)*(d(/c)/dt)}γ3  *1)
  =γ{(α)+{(/c)*(α/c)}γ2}     *2)

 ゆえに式5および、式5bが得られる
 /mγ=(α)+{(/c)*(α/c)}γ2  --- 式5b)

式6の誘導

 式5bの両辺に(/c)を内積として掛けて
 (1/mγ)(/c)*(/c)=(α/c)*(/c)+γ2{(/c)*(α/c)}{(/c)*(/c)}
=(α/c)*(/c)+γ2{(/c)*(α/c)}(/c)2
=(α/c)*(/c){1+(/c)2/(1-(/c)2)}
=(α/c)*(/c){1/(1-(/c)2)}
=(α/c)*(/c)γ2

 よって
 (α/c)*(/c)=(1/mγ3)(/c)*(/c)  --- 式7)

 式7を式5bに代入すれば、
 (1/mγ)=(α/c)+(1/mγ){(/c)*(/c)}

 これで式6が得られる

---------
*1) がスカラーなら微分公式の通りだが、ベクトルの内積でも成立することを確認する。
 (d/dt){*}
  =(d/dt){vx2+vy2+vz2}
  =2vx(dvx/dt)+2vy(dvy/dt)+2vz(dvz/dt)
  =2*(d/dt)
 で、成立している

*2) 内積項はスカラーなのでと交換可能だが、{*α}={*}α、とはならない。内積とスカラー同士の積を区別していないと、うっかり結合法則を適用してしまうかも知れない。

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