シルエット

夜、最寄駅前にあるお店で食事をした帰り道、
２つ持ってた荷物が１つない！！

『あー！お店に置き忘れた！』

幸い近い所やし、

『取りに行ってくる。先に帰っててー』

『一緒に行く』
って言ってくれたけど、

『いいから、先に帰ってて。私、走って行くから』
って言いながらお店へ。

よかったー、ちゃんとあった。

安心してさっき来た道を帰ってたら、

ダンナ君と分かれた辺りで、カップルがクスクス笑ってる感じ。
笑ってる先を見ると、

ん？ダンナ君？

でも、なんか頭が…
ん？ヘン？
フードかぶってるん？

電柱で見え隠れするし、夜やし、よく見えへん。
しかもシルエットになってる、そして頭のあたりが…


近づくと、

『ギャーーー、何それーーー！！！』

ダ・ダンナ君の頭がっ！



超でかいアフロになってるっ！！！



私が忘れ物取りに行ってた間に何が起こったんやろ。

カツラじゃなかったらどうしよう…


本人はこの頭に気付いてるんかな…

だってあまりにも普通にしてるから。


そこから家までの１００メートルくらいの道のり、
ずーっと笑い転げてた。

そりゃ、前のカップルも笑うはずやわ。

どうやらその時、私が来たと思ったらしい。


何のためにそれをしたのか、
どこで買ったのか、分かれへん。

それにしても、あのでかいアフロがカバンに潜んでたのかと思うと、笑える。

もう、その日は
トイレに行っては笑い、
お風呂に入っては笑い、
何をするにも思い出しては笑ってた。