HFからVHFの無線機のキット製作がこれからも続く予定なので測定器で使用する通過型アッテネータを自作することにした。
これまでは1Wまでのアッテネータしかなく・・実はmcHF調整時に1Wアッテネータ一本を焼損させてしまった。
そこでアッテネータの自作にチャレンジ?(といほどでもないが)した。
本来ならばチップ部品で周波数特性の良いものを作りたかったが・・
高耐圧のチップ抵抗はスグには手に入らないので酸化金属皮膜抵抗で製作することにした。
目標は高望みせずHF全バンドで使用できることとした。
【設計】
簡単に手に入る部品で作りたいのでT型回路かつ24系列に近い部品がセレクト出来るように10-20dBの間で出来るだけ大きな減衰量を探し18dBとした。
この時、39Ωx2個と12Ω1個でT型を構成出来るので酸化金属皮膜抵抗5Wタイプを手に入れた。
材料に安価な部品を使ったので部品代は1000円以下で一番高い部品はBNCの基板用コネクタ220円/個だ。
出来ればHF帯でどうにか使えると良いが。
【完成、検証】
部品が揃えば製作は1時間以内で完成だ。完成していよいよ周波数特性をVNAで計測だ。
【下段が自作ATT。周波数特性と減衰量をVNAで計測する】
まずは広域500MHzまでの特性を確認してみる。すでに150MHzからSWR2を超えている。
抵抗器のL性C性の変な特性カーブは150MHzまでは出てない。ま、ここまで使用可能か?
1.5以下で使用して50MHz程度までは楽に使えそうだ。
それにしても設計値18dBのATTだったはずが・・低い周波数では25dBを越え、50MHzでは15dBくらい。
では50MHzまでを再度確認してみる。思ったよりも緩やかな特性変化だ。
では、HFのバンド内の特性はどんなものか?まず、3.5MHzの特性を調べてみた。
帯域内の減衰量は30db±0.04dBとなっている。一応、Rs,Xs,|Z|も確認してみた。
下図の通り、Xsは最大で1Ω、Rsは51.8Ω、|Z|は51.8Ωとなっていた。(追記)
次はいきなり29MHzを調べてみる。
こっちも帯域内は20dB±0.15dB
全ての帯域で確認してみたが減衰量の帯域内誤差は0.1%以下となっている事が確認できたので
送信波形の確認には使えそうだ。
これからHF-50MHzの波形確認用アッテネータとして活躍して貰う予定だ。
写真は写真、グラフはグラフなのかもしれませんが、通過型ATTのF特ということであれば、ATTの反対側をDET端子に接続して、測定モードは「伝達特性」のような・・・。
酸金抵抗をお使いで、写真の基板を見る限り、100Mぐらいまでは設計とおりの性能が出ると思います。
実は一方のBNCに接続するコネクタが無いため片側ショートで反射特性で測定してみました。
往復でATTを通過しているのでどうかな?とは思いました。BNC入手出来ましたら早速確認したいと思います。
今年もまたハムフェアに出ますので宜しくお願いします。