いつの間にか雨になっていた。
街行く人の中に一つ二つ傘が開いて、
「雨が降って来たのか…」と目を凝らす。
降り始めの細かい雨が、秋の冷ややかな風の上に透けて見える。
ふと、向かいのビルに目をやると屋上に一羽の鳩。
「一羽か…」
そう見渡すと、何羽かの鳩が。視界の外へ飛んで行った。
目を戻すと、上空には旋回する二羽の。
けれど、鳩は「何故?」と思う程に全く意に介す様子が無い。
凝視してるかの様に、背を伸ばし首を一方に固定したまま。
徐々に強くなってゆく雨脚に、たじろぐ様子も無い。
「鳩も何想うこと有るのか…」
身じろぎもせずに。
佇む。
既に他の、姿も声も無くなって。
雨は軒先から吹込んで来る程になっていた。
「濡れるよ」
そのうちに。ふいと。
給水塔の陰に入って行った。
飛び立つ姿は無い。
降る雨を見上げて。一息をつく。
「ねえ気づいてた?」私は「僕は」ずっと君を見ていたけれど。
2008.10.23(10.24 加筆) ?
リンク。10/23
街行く人の中に一つ二つ傘が開いて、
「雨が降って来たのか…」と目を凝らす。
降り始めの細かい雨が、秋の冷ややかな風の上に透けて見える。
ふと、向かいのビルに目をやると屋上に一羽の鳩。
「一羽か…」
そう見渡すと、何羽かの鳩が。視界の外へ飛んで行った。
目を戻すと、上空には旋回する二羽の。
けれど、鳩は「何故?」と思う程に全く意に介す様子が無い。
凝視してるかの様に、背を伸ばし首を一方に固定したまま。
徐々に強くなってゆく雨脚に、たじろぐ様子も無い。
「鳩も何想うこと有るのか…」
身じろぎもせずに。
佇む。
既に他の、姿も声も無くなって。
雨は軒先から吹込んで来る程になっていた。
「濡れるよ」
そのうちに。ふいと。
給水塔の陰に入って行った。
飛び立つ姿は無い。
降る雨を見上げて。一息をつく。
「ねえ気づいてた?」私は「僕は」ずっと君を見ていたけれど。
2008.10.23(10.24 加筆) ?
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