おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

リトルサンタ / 母の顔をした殺人鬼4

2011-06-24 21:50:20 | 社会・政治・ニュース・教育・家族・話題

今回のりとるさんた / 母の顔をした殺人鬼は、秋田県藤里町で起きた畠山彩香ちゃんと米山豪憲くんが殺害された連続児童殺人事件を、二度とこういった悲惨な事件があってはいけないという強い思いから、作品づくりのモチーフにして描いた童話作品です。そして、その内容は本来の人間の本性と欲望を抉り出して解き明かし、母と子の親子関係の哀れみを率直に描いた感動がいっぱいの作品です。ただし、本作品の内容と、秋田県藤里町で起きた連続児童殺人事件とはまったく無関係であり、あくまでも本作品がフィクションとして作られたものであることをご了承ください。


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~健太くんの殺害計画1~
作 / 猪 寿


くも丸は、夕陽に染まる橋の上から、さくらちゃんが水死した鬼子母神川の風景を眺めていました。

この橋の名前はへその緒橋といい、さくらちゃんと直美親子が一緒にいる姿を、近くの住民に最後に目撃されたいわくつきの橋です。

ただ一見すると、そんな噂話とは程遠いような、西の空に沈む夕陽がブナ原生林の山肌や、川岸の周りの草花と色鮮やかに溶け合って、とてもきれいな場所でした。

くも丸はこの場所に来る途中、偶然通りかかった駄菓子屋の店先で、駄菓子屋のおばさんが馴染みの客と立ち話をしている、さくらちゃんのとても愛らしい噂話を耳にしました。

それは、さくらちゃんの遊び仲間の子供たちが何か買いに来る度に、いつも彼女だけが金を持っていないために、みんなと一緒に店の中には入らずに、その様子を店の外で一人だけ見ていたという話でした。

そして、さくらちゃんのことが可哀相になって、ときどき駄菓子屋のおばさんが外にいる彼女を手招きして呼んで、ガムやキャラメルなどをあげると、「さくらの分だけじゃお母さんが可哀相だから・・・」と言って、必ず母親の分までおねだりして貰って帰るという話でした。

この話を聞いたとき、再びくも丸の心の中には、さくらちゃんの母親に対して“なんで?・・・”という疑問と同時に、悲しみと怒りがこみ上げて来ました。

くも丸は、夕陽がブナ原生林の西の山頂の裏側に沈み、しだいにあたり一面が薄暗くなっても、まだ橋の上から川の風景を眺めていました。

それには、それなりの深い理由がありました。

それは、くも丸自身の中にこれまでのさくらちゃんの話を聞いたり、彼女の母親直美の行動を見ていたりしていると、彼女の死は警察が発表したように単なる水死事故ではなく、殺人事件ではないかという強い懸念があったからです。

そして、その真相を明らかにするために、さくらちゃんのお母さんを思う気持ちを無視して、無理にでも事件のあった当日にタイムスリップし、彼女の水死事故について調べるかどうかを、かなり迷って悩んでいたからでした。

というのも、くも丸がさくらちゃんの水死事故の真相を調べるということは、それに付随してもしも彼の直感が当たっていたら、彼女を大きく傷つけてしまうことが、目に見えて分かっていたからでした。

そうこう思い悩んでいるうちに、西の空の方角に一番星が姿を見せて、急速に日が暮れ始めると、あたり一面の景色はすっかり暗闇に包まれてしまい、うっすらとしか見えなくなりました。

ただ同時にそれとは逆に、今度は夜空にはいっぱいに夏の星座の群れが姿を現し、まるでそのきらびやかな星の光が瞬く風景は、クリスマス時に街いっぱいに飾られているクリスマスツリーを見ているようでした。

「そういえば、夏の一番星のペガ(織姫星)には、自分の好きな人(彦星)と七夕の夜に一年に一度しか会えないという、悲しい恋愛の話があったよね・・・」

「でも、一年に一度しか会えないという恋愛なんて、かえってすごく情熱的になれていいのかもしれないなあ・・・」

「あれ???」

「エッヘッヘッヘ。まだ小学生三年生の子供の僕が、こんな大人の恋愛の話を連想するなんて、ちょっとおかしいかなあ・・・」

くも丸は、自分で自分のこましゃくれた連想に照れくさくなって、ついつい一人で腹を抱えて大笑いしました。

よほど、自分でも織姫と彦星の恋愛話を連想したのが照れくさかったのか、いつまでもその笑いは止まりませんでした。

「クッ、クッ、クッ・・・ゲラ、ゲラ、ゲラ・・・」

「くも丸!」

「えっ?!」

突然、くも丸は自分のこましゃくれた態度にゲラゲラと照れ笑いしている最中に、誰かに自分の名前を呼ばれたので、顔から火が出るほど驚きました。

その名前の呼び主は、さくらちゃんでした。

「こ、こんな時間に、ど、どうしたの?さくらちゃん・・・」

「実は・・・お願いがあって来たの・・・」

「お願い?ぼ、僕に・・・」

「う、うん・・・」

さくらちゃんは、くも丸にお願いはしたものの、その後やっぱり不安になったのか、かなり彼にその内容を話すかどうかを躊躇っていました。

「大丈夫だよ、僕は君の味方だし、これから君に聞くことは誰にも話さないと約束するから、心配することなんか何もないよ・・・」

「ほ、ほんとに・・・」

「じゃあ、指きりしてくれる?」

「それはいいけど、指きりってなに?」

「指きりってね、人間の世界のぜったいに嘘を使いで約束を守るという、決めごとなの・・・」

「そうっか、そういう意味なのか。それで僕がさくらちゃんに嘘つきじゃないと信じてもらえるんだったら、僕は指きりするのはいつでもいいよ・・・」

「だったら、さくらの小指にくも丸の小指を絡めてくれる・・・」

「いいよ・・・」

「それじゃあ、指きりするね・・・」

さくらちゃんの言葉にくも丸が大きく頷くと、彼女はよほど安心したのか、とても嬉しそうに満面に笑みを浮かべて、子供同士がよく指きりするとき歌う、文句を口に出し大声で歌い始めました。

「♪指きりげんまん嘘ついたら針千本飲ます・・・」

「指きった!」

「じゃあくも丸、さくらと指きりしたから、ちゃんと約束を守ってくれるよね・・・」

「もちろんだよ・・・だから、きちんとその願いごとの内容を話してくれる・・・」

さくらちゃんは、くも丸と指きりまでして約束しながらも、おそらくやはりそれでも彼女にとってはかなり大きな問題なので、きっと心配になったのでしょう・・・その後もしばらくは彼の様子を観察でもするかのように見ているだけで、何も話そうとしませんでした。

でも、おそらくくも丸のこれまでのさくらちゃんに接する態度をみていて、きっと最後は彼女なりに彼のことを、本当に信じてもいい人だと決めたのでしょう。

今度は、さっきまでのためらっている態度とは大違いに、急に可愛らしい笑顔を見せ始めると、自分の方から積極的にその願いごとの内容を話し始めました。

ただしその内容は、まだあどけなさが残るさくらちゃんの可愛い笑顔とはあまりにも掛け離れた、決して本来は彼女のような純粋な心を持つ、小学二年生の子供の口から聞くべき話ではない、一般常識を逸脱した猟奇的なものでした。

「実は・・・お母さんがね、さくらのお友達の健太くんを殺そうとしているの・・・」

「えっ!えっ!!えっ!!!」

さすがにくも丸も、さくらちゃんの口からそのあどけない表情とはまったく裏腹の、もう狂っているとしか思えない彼女の母親直美の話の内容を聞いたときには、一瞬自分の耳を疑うほど驚きました。



Photo_2あなたの愛で・・・・・
僕らを福島の地に行かせてください!!


「あなたの愛で・・・・・僕らを福島の地に行かせてください!!」
そして、“ひまわり”の種を届けさせてください。
日本中に、“ひまわり”の花のような明るい笑顔が戻ってくるためにも。

詳しくは、下記のページをご覧ください。

http://ameblo.jp/dreamsnake518/


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