おとぎのお家と青い鳥

本ブログでは、主に人間が本来持つべき愛や優しさ、温もり、友情、勇気などをエンターテイメントの世界を通じて訴えていきます。

~浪花の夢~笑売人 最終回

2011-09-18 22:16:59 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

本日で、いよいよこれまで連載して来ました石坂まさ著の特別企画手記作品『笑売人』も、最終回を迎えることになりました。石坂まさをと深い親交があった、前吉本興業会長の故林裕章さん、その義父であり現在の吉本興業の礎を築いた、林正之助さんの二人の思い出を綴った手記作品『笑売人』を読んで、みなさんはどんな考えをお持ちになりましたか?

浪花の夢~ 笑売人

著 / 石坂まさを
企画 / 下家 猪誠

私が裕章さんを思い出すとき、必ずその傍らには会長の微笑がある。

また、会長を思い出すと、そこには必ず裕章さんの会長をいたわるようなまなざしがある。

吉本興業なくして、今日の芸能界は存在しない。

それほどまでに、数々のスターを育てた吉本興業。

今でこそ、日本中のあらゆるメディアで吉本興業のタレントは活躍しているが、その昔は大阪とその周辺だけだった。

そこを正之助さん、裕章さんの並々ならぬ努力で、漫才ブームを起こし、今日の姿に成長させたのである。

正之助さん亡きあと、裕章さんはラスベガスや中国、ロシアなどを視察し、さらに勉強し、ネタを仕入れて、舶来寄席なども始めた。

そして、芸人だけではなく、スポーツ選手、文化人とも契約して、日本の新しいエンターテイメントを築いたのだ。


「笑売人」 林正之助

畳半畳に 笑いを売れば
商売繁盛の 始まりや
狭い場所でも あきないし
きっと笑いで 金儲け
俺はなにわの 笑売人

落語 漫才 浪曲 歌手と
客が集まる 文化人
人が訪ねりゃ 付いてくる
萬円札が ニコニコと
俺は日本の 笑売人

なにわ文化は 世界の文化
なんでもござれの 世の中さ
宇宙ツァーで 人を乗せ
月にツイてる 夢を売る
俺は世界の 笑売人


▲この手記を書くモチーフになっているのが、故林正之助会長をテーマにした関西テレビで放映された「笑売人」というドラマです。

「時代を駆け抜けた風たちより」




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 あの世界一美しいと言われている四季と、もう一度日本中に笑顔の花を咲かせるために・・・・・

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下家 猪誠





~浪花の夢~笑売人2

2011-09-18 22:11:47 | 人・愛・夢・運命・教育・家族・社会・希望

只今、石坂まさを著による特別企画として、石坂まさをと深い親交があった、吉本興業の会長故林裕章さん、その義父であり現在の吉本興業の礎をつくった、林正之助さんの二人の思い出を綴った手記作品『~浪花の夢~笑売人』を、3回にわたって連載しています。

浪花の夢~ 笑売人

著 / 石坂まさを
企画 / 下家 猪誠


正之助さんは、怒りっぽい人ではなかったが、私を可愛がってくれたせいか、よく怒られた。

寿司屋では、たいていの人は大トロから食べるらしいが、貧乏性の私は甘いタレの付いたタコから食べた。

すると会長は、「すしの食べ方にもルールがある。お金のことを考えず大吐露から食べなさい」と、怒った。

お金が欲しければ儲ければいいではないか、というのが会長の考え方である。

吉本会館の千メートル先の千日前の角には、吉本が経営するパチンコ屋があったが、その一日の売り上げが千五百万円もあるとは、誰も知らなかった。

ひと月に四億五千万円である。

会長は、「商売とは、人にわからないように儲けなければいけない」というのが、口癖だった。

会長が亡くなってしばらくして、関西テレビで「笑売人」というドラマが放映されたが、その主題歌「浪花の夢」は、会長に可愛がられた石坂まさをにしかかけないとプロデューサーにおだてられ、私が担当した。

♪銭が仇の世の中だろと 俺は浪花の夢を売る・・・・・

三笠優子さんが歌ったこの歌は、カラオケなどで広く歌われた。

そして私は、この歌を聴くたびに正之助さんのいない寂しさを感じたものだ。

ここだけのはなしだが、二番の詞のなかに「徳利一本 めざしが二匹 ごめんなさいねと云うお前」というフレーズがある。

それは息子の裕章さんの家に泊まったとき、奥さんのマサさんが僕に出してくれた質素なおかずである。

そのことを思い出して書いたのだった。

今、目が見えなくなった私が一番見たいのは、裕章さんの男らしい笑顔だ。

裕章さんという人は、同志社大学を出て何年かして吉本興業に入り、正之助さんの目に留まり、マサさんの婿養子になった。

あるとき、マサさんが私に話してくれたことが、その後、ずっと続く関係のきっかけになったのである。

彼女はその頃、近くの神社にお百度参りをしていたらしい。

それは、旦那さんの裕章さんに「金のなる木と心の友だちが出来て欲しい」と念じているからだといったのだ。

それを聞いた私は、決心した。

金のなる木になれないが、心友になりたい。

そう思って、裕章さんと心から付き合ってきたのだった。

だからといって、裕章さんが孤独だったわけではない。

夫婦仲も良かったし、会社では社員に慕われ、そして何よりも、正之助さんとは、実の親子以上に絆が強かったと思う。

もちろん、会社経営のパートナーではあったが、義父を思う気持ちは血のつながりよりも強かったような気がする。


▲この手記を書くモチーフになっているのが、故林正之助会長をテーマにした関西テレビで放映された「笑売人」というドラマです。

「時代を駆け抜けた風たちより」


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下家 猪誠





 


~浪花の夢~笑売人1

2011-09-18 22:11:30 | 人・愛・夢・歌・宿命・運命・家族・社会

日より、石坂まさを著による特別企画として、石坂まさをと深い親交があった、吉本興業の会長故林裕章さん、その義父であり現在の吉本興業の礎をつくった、林正之助さんの二人の思い出を綴った手記作品『~浪花の夢~笑売人』を、3回にわたって連載します。


浪花の夢~ 笑売人

著 / 石坂まさを
企画 / 下家 猪誠

♪銭が仇の世の中だろと 俺は浪花の夢を売る・・・・・

一月三日は、林裕章さんの命日である。

平成十六年八月頃、私の病気を見舞いに来てくれて、その半年後に裕章さんの方が先に、あの世に行ってしまったのだ。

裕章さんは麻雀友達であるし、スナックなどに一緒に行くと「津軽平野」と言う歌を歌ってくれた。

周囲の人たちに言わせると、私をいつもいとおしそうな目で見て、弟のように可愛がってくれた。

とはいっても、私は昭和十六年生まれで、裕章さんは昭和十七年生まれ。

ひとつ私よりも年下だった。

その裕章さんが私に紹介してくれたのが、彼の義理の父、林正之助さんであった。

林正之助は、明治三十二年生まれ。吉本興業とのかかわりは十八歳のとき、姉せいが、夫の吉本吉兵衛と始めた寄席の経営の手伝いから始まる。

義兄の死後、庄之助が姉の力となり、吉本興業を守り立てたが、正式に代表になったのは、昭和二十三年のことだった。

その後、平成三年、九十二歳でこの世を去るまで、吉本興業を支えつづけた人である。

今のお笑いタレントの多くが、吉本興業に所属しているが、昔はもの凄かった。

花菱アチャコや横山エンタツら国民的芸人を抱え、笑いといえば吉本興業と言われるほどに、国中に笑いを売ったプロダクションである。

笑いのほかにも、意外なところでは広沢虎蔵や美空ひばりが所属していたこともあり、名実ともに芸能プロダクションの雄だった。

正之助さんは私が大阪に行くと、会長室に靴屋を呼び、靴を三十足あまり並べて、「石坂先生、女はトイレまでは一緒に行かないが、靴はトイレまでお供をしてくれる。どうぞ一足お土産に持っていらっしゃい」と、靴をプレゼントしてくれた。

それから、ある日は、腹がすいたから寿司屋に行こうと、法善寺横町の並びにあるすし屋に誘ってくれた。すると、しばらくして藤山寛美さんが、『会長、お元気ですか?』と顔を出した。

もちろんそこには、舞台で見るアホ面はなかった。

ちなみに、寛美さんが会長の誕生日にプレゼントしたものに、畳半畳の「笑いを売る 藤山寛美」と書いた書がある。

それを見て私が書いたのが、―♪畳半畳に笑いを売れば笑売繁盛のはじまりや・・・・・―という歌である。

中村美津子さんが歌ってくれた。


▲この手記を書くモチーフになっているのが、故林正之助会長をテーマにした関西テレビで放映された「笑売人」というドラマです。

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