新入学シーズンにあわせ、今春相次いで発売された子供向け携帯電話が爆発的な売れ行きをみせている。人気の秘密はGPS(衛星利用測位システム)による子供の居場所確認などのサービス。子供が被害に遭う事件が多発する中、「安心」を買い求める保護者が後を絶たないからだ。ところがこの携帯、ゲームなどの機能も付いているため、学校などへの持ち込みには賛否両論。「登下校時にこそ持たせたい」との意見がある半面、「教育現場には不要」との声もあり、学校関係者は対応に頭を痛めている。
子供向け携帯は五歳から中学生が対象で、auとNTTドコモが今年二月下旬と三月初旬に相次いで発売。新規契約の店頭価格は一万-二万円で、他の携帯と変わらない。両社は「売れ行き台数は非公表」とするものの、連日数百件の問い合わせがあり、全国的に品薄状態という。
また、六月に子供向けPHSを発売予定の玩具メーカー、バンダイも三月中旬から先行予約を開始したが、わずか半月で予定数をオーバー。同社の広報担当者は「目標の二十万台を軽く超える勢い。今年一番のヒットになりそう」と話す。
人気の理由は防犯ブザーに加え、いずれの機種もGPSが搭載されていること。子供向け携帯は保護者が、いつでもインターネットで子供の居場所を確認したり、指定されたエリアを子供が通過したりすると、保護者に電子メールが自動送信されるサービスがGPSを通じてできる。
さらにauは、事故や事件に遭遇したときに警備員を現場に急行させるほか、ドコモも六角形の特殊ネジを採用して電池を抜かれにくくしたり、電源が切られても現在地を知らせるメールが定期送信されるなど、子供の安全に配慮されている。
ドコモ関西広報宣伝部は「開発には、一昨年の奈良県小一女児殺害事件などで被害者の携帯が悪用された反省点を生かした」と明かす。
だが、“サービス”はこれだけではない。各機種にはアニメキャラクターのゲームや占い、辞書機能まで備わっているため、学校や塾への持ち込みには賛否両論がある。
公立小中学校は一般的に「授業に不要」として携帯の持ち込みを原則禁止しているが、大阪市のある小学校では、子供向け携帯を持ってきた新一年生の保護者に注意したところ、「子供が最も事件に巻き込まれやすい登下校時に持たせなければ意味がない」と、反論されたという。
また、大阪府和泉市のニュータウン地区の中学校では、保護者の意向を受けて数年前から携帯の持ち込みを限定容認。授業中は教職員が一括管理していたが、一部保護者から「校内で万一の事態が発生した場合、教職員が管理していると、子供の本当の居場所がつかめない」と要望が高まったという。この中学校の教頭は「気持ちは分かるが、子供にとってはおもちゃ。辞書機能を使ってテスト中にカンニングするおそれもある」と話す。
大阪府教委小中学校課は子供向け携帯について、「子供が納得して持っているかどうかが重要」と指摘。「購入前に子供とよく話し合うべきではないか」としている。
「子供GPSケータイ」大論争 教育の場には不要/登下校の安全確認
子供に携帯電話を持たせるのには賛否両論あるだろう。
子供の安全というのが携帯電話を持たせる主な目的だとしたら、それだけ今の日本の治安が悪化してしまったのが原因なのかもれしない。こんな日本に誰がしたのか・・・小泉さん。
一方、バンダイのpapipo!は「目標の二十万台を軽く超える勢い。今年一番のヒットになりそう」ということで、バンダイのキッズケータイは好調なようだ。子供向け携帯電話としては割高な値段だが、チャオとのタイアップによる高級路線のキッズケータイというコンセプトが人気の秘訣なのかもしれない。こういう発想はバンダイだからこそできたのかもしれない。
バンダイがこれに気をよくして、W-SIM音声端末の第二弾を矢継ぎ早に投入してくれると、それに刺激されて他社からもW-SIM音声端末の発売が前倒しになり、W-SIM音声端末のラインナップが豊富になる日も近いかもしれない。
この記事にはバンダイのキッズケータイもGPS機能搭載のように説明されているが、GPSはなく、PHSの位置情報システムが搭載されているはずだ。