・プラスチックの歴史History of plastic ぷらすちっくのれきし
セルロイドCelluloidをご存じですか。硝化綿(ショウカメン)ニトロセルロースNitrocelluloseを樟脳(しょうのう)で柔らかくする可塑化(カソカ)した植物素材由来のセルロイドがプラスチックの先駆けといえるでしょう。セルロイドは土に還(かえ)ってしまいやすいのですが欠点は熱可塑性樹脂で摩擦熱でも発火することがあるほど可燃性が高いことにあります。セルロイドは1856年にイギリスのアレキサンダー・パークスAlexander Parkes:1818-1890によっての発明です。1870年頃に工業化し、日本でも1905年(明治38年)から生産が始まっています。
昭和の中頃までに盛んに作られていました。しかし精製に手間がかかることと、人工的な代替品の登場で、今では多くは製造していません。
さらに、天然樹脂の代表的なものに、松脂、ウルシ、アラビアガム(ゴム)として知られるアカシア樹脂、カイガラムシから抽出されるシェラック、膠(にかわ)などがあります。
初の合成高分子としてのプラスチックは、1907年にアメリカでベルギー人のレオ・ベークランド(Leo Baekelandによるフェノール樹脂(ベークライトBakelite:電話機)の成形法発明です。ついで1920年にユリア樹脂(尿素樹脂)、1926年・可塑化ポリ塩化ビニルPVC(手袋、コード、フィルム)、1933年・ポリ塩化ビニリデンPVDC(漁網、ラップ)、1938年・ポリスチレンPS(コンピューター、テレビの外枠)、1938年・ポリテトラルフオロエチレンPTFE(フライパンの表面のコーティング)、1938年・ナイロンNylon(衣類、ストッキング)、1941年・ポリエチレンテレフタレートPET(飲料用ペットボトル)、1951年・高密度ポリエチレンHDPE (バケツ、パイプ、漁網)、1951年・ポリプロピレンPP(台所用品、車の部品)、1954年・発泡スチレン(発泡スチロール、包装)の開発が有りました。
熱可塑性樹脂は、アクリル樹脂が1927年に、さらにポリ塩化ビニル、ポリスチレンの生産、高圧法のポリエチレンなどの工業的生産がそれに続きました。1939年にメラミン樹脂などの熱硬化性樹脂が発明があります。その主として第二次世界大戦後に不飽和ポリエステル樹脂(UP:unsaturated polyester)、エポキシ樹脂EPなどの工業的生産が続いています。1950年代にツィーグラー‐ナッタ触媒の発明により、低圧法ポリエチレン、立体規則性ポリプロピレンの工業的生産が始まっています。
現在、四大プラスチックとよばれポリ塩化ビニルPVC、ポリスチレンPS、ポリプロピレンPP.、ポリエチレンPEが世界の生産量の60%以上を占めるといいます。
先の合成繊維やゴムはプラスチックとやや性質を異にし、それぞれの特徴をもっているので、複合化して、耐衝撃性、剛直性、耐用温度を著しく改善する複合化技術がプラスチックの材料としての用途を拡大させています。発泡体としてポリウレタンやポリスチレンも各種用途に応用、多用しています。
プラスチックは原油が1970年ころまでの十数年間に、これを原料として大きく発展してきました。プラスチックは金属に比べての欠点は一般に耐熱性に乏しいことであり、これらを改良していく一つの方法の複合化が進んでいます。
日本では、1960年には、1人が1年間に使うプラスチックの量が約5.8kgでしたが、2018年は82.2kgと約やく14倍にも増加しています。
小さなプラスチックが海で発見されたのは1970年代でマイクロプラスチックMicroplasticsという言葉がよく使われるようになったのは2004年のサイエンス誌に「Lost at Sea: Where Is All the Plastic?」というタイトルの論文が出てからのようです。現在約51兆個ものマイクロプラスチックが世界中の海を漂っているといわれています。微細なために回収が不可能で、海洋のどこにどれだけ、どのような種類のマイクロプラスチックが広がっているのか、さらにどのように蓄積を続けているのかはまだよくわかっていないのが現状況です。
海洋汚染の問題の指摘への解決策が急務で模索中です。一人一人の問題として捉(とら)えていくことが重要と考えます。
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