・氷温貯蔵Controlled freezing point storage ひょうおんちょぞう
チルド貯蔵Chilled storageともいい食品を0℃前後の温度(水の氷結点以下)、不凍液で鮮度よく貯蔵する方法です。糖分、塩分を含んだシャーベット状の氷をつくり水が凍る直前の氷温で果実、野菜などの食品を一定期間貯蔵すると、食品のうまみを向上させる効果があります。
冷凍保存ほどではありませんが一ヶ月から半年の保存ができます。
凍る温度は食品によって差があり多くは零下1度から零下5度くらいの温度では凍らず、冬眠状態になります。チルド温度帯として5℃~-5℃で酵素反応、呼吸、微生物の繁殖を抑制し貯蔵性が増すのです。
氷をシャーベット状に削り、塩分濃度を1~2%の冷却した塩水に混ぜ、一般の食品の氷結点の温度を-0.5度から-2.5度のシャーベット状の氷がつくられます。
昭和42年(1967年)に二十世紀梨のみずみずしさが保たれていることを偶然発見した鳥取大学の山根昭美(やまねあきよし)農学博士(当時)が生物によって異なる氷結点を調査・研究し、氷点下でありながら未凍結の温度領域を見い出し「氷温」と命名しています。
「氷温域」ともいい生物は凍らないように生体防御反応を働かし、その物質が糖類で、さらに熟成、アミノ酸でグルタミン酸などでは旨味となっています。
この氷温の状態を人工的に作って熟成させ旨み引き出したのが氷温技術です。
食品を氷温域で貯蔵すると、クーリング(10~5℃)に比較し、さらに鮮度の保持期間を延ばせるのです。
野菜のトマト・レタスなどでは-0.4℃~-0.9℃、サラダ菜は-0.3度、
果実類のリンゴ・バナナなどでは-2.0℃~-3.4℃、梨0℃
肉類は-0.6℃~-1.7℃、
魚介類は-1℃~-2℃、カニ-2度で新鮮さが保てるというのです。
「氷温貯蔵」を応用したは米、大豆などにも見られ多くの野菜類や、日本ナシ、イチゴ、メロン、リンゴ、オレンジ、ブドウ、イチジクなどといった果実類、畜肉、魚介類まで、冷蔵と比較して冷凍ほどではないですが特に野菜、果物類の長期間の貯蔵が可能となっています。
チルドとかパーシャルPartial 、氷温保存とかもよく聞かれます。食品の低温流通は、クーリングCooling、チルド、フローズンFrozenの温度帯に大別しています。
クーリングCoolingというのは、クーリングシステムCooling systmであり冷却システムことで10~5℃で冷蔵庫での保存です。
チルドChilledは5~-5℃の半凍結温度です。
フローズンFrozenは、冷凍のことで-18℃以下の凍結した温度です。
パーシャルフリージングPartial freezingは、部分凍結で-2~-8℃の部分的に凍結した状態の温度ということになります。
氷温保存とは、これは0℃以下でかつ凍結しない状態です。水に砂糖とか食塩とかの混ぜ物が入ると、0℃では凍結しなくなりる温度帯です。
温度帯で言えば、パーシャルPartialも氷温もチルドChilledの一部分ということになります。
食品は、5~-5℃ないし2~-2℃前後の温度帯で保存され、冷凍品より新鮮さがありますが温度管理が難しい、日持ちが冷凍品より短いですが品質の安定性があることから需要が増大しています。
「氷温域」といって食物の糖、アミノ酸の変化により旨みを増してくるのです。
保存食は、ある期間ちょうり保存しても変質、変敗することなく食べられる食物のことをいいます。変敗・変質をさせる微生物を減菌、殺菌させることによって微生物の繁殖しにくい環境とします。
その方法として脱水、乾燥、CA貯蔵、冷蔵、冷凍、塩蔵、糖蔵、酢漬け、燻煙、缶詰、瓶詰め、レトルトパウチ食品、防腐剤により加工食品が作られています。漬物(塩漬け・味噌漬け・醤油漬け・粕漬けなど)、佃煮、ジャム、なれ寿司、干物、菓子類などがあります。
下処理や味付けなどが施されたものが多いため、忙しい家庭での伸びが大きく重宝されているようです。メニューの幅も広がります。
氷温貯蔵は、チルド(5~-5度)であると共にパーシャル・フリージング(-2~-8度)の一部を含みます。新鮮さをそのままに、美味しさが増しているのが氷温貯蔵です。
さまざまの保存方法のひとつ「氷温貯蔵」によっても、美味しさが異なり、私たちの味覚を存分に満足させ楽しませています。
時間はたっぷり - こんにちは クマん家に ようこそ~ ←で氷温熟成鮭を😋美味しく調理・保存方法を紹介しています。市販品は、美味しいところの血合い・皮が除かれ綺麗ですが、栄養分も除かれている?味付けにも好みが有り。
ご愛読戴きましてありがとうございます。よりよい情報をお届けしてまいります。
(初版2020、10/6)