・葛Arrowroot くず
マメ科、山野に自生し他のものに巻きついて10m以上にも繁茂(はんも)するつる性の多年草で根元は木質化している。花は、目立たないが8、9月に白、淡桃、赤紫の小さな花が群生して咲き、後に枝豆に似た実をつける。秋の七草のひとつになっており日なたで初秋に葉が大きくなる。根は長芋の塊根となり、長さ1.5m、径20cmにもなる。葛粉は、葛の根を10月から堀起こし採集し、掘り出した葛の根を砕きもみだし沈殿させ精製し翌年の2月ごろに多くを製品化する。主産地が奈良県、吉野地方で名産となっているが、中にはサツマイモでん粉を混入させていることがあることから粉状より自然乾燥した小片状態のものが良質という。糊化温度が低く熱湯を注いで葛湯とし家庭で利用したり菓子の原料(葛きり、葛団子、葛もち)にする。
3~6月の新芽や茎葉、つる先が食用になり、新芽、若葉、花が漬物に、茹でてあえ物、新芽、若葉は揚げ物、油炒めに利用してきた。葛の根は、葛根湯(かっこんとう)とし、解熱、発汗、保温、抗酸化作用があり漢方薬とし風邪予防、下痢症に用いている。精力アップにつながるとし花を乾燥させ葛花(かっか)といい民間薬として煎じ、胸焼け、二日酔いに利用していた。イソフラボン(血清コレステロールを下げ、抗がん、抗酸化作用)が植物女性ホルモンともいわれる。配糖体のアグリコン(非糖質部分)でダイゼインDaidzein、ゲニステインGenisteinなどがイソフラボンIsoflavoneの活性を示す。
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