2025/2/23
・女優になるべくハリウッドにやってきたベティが、マルホランド通りの追突事故で記憶を失ったカミーラと出会い、行動を共にする話。
・デビット・リンチ作品は初めて。古典感はあるけど2002年の作品。わりと最近。
・好きな人の感想ですら、難解とかよくわからないとか言われがちで、自分には合わないなと避けていた。
・見てみると、話の筋のようなものもあるし、身構えていたほどは混沌としていない。
・考えてみると、成功しているのか失敗しているのかもよくわからない小劇場系の観念的な作品と比べれば、巨匠の代表作という一定の評価があるぶん安心感はある。
・オープニングの事件に事故を重ねて混沌を上塗りしていく感じも、うまく機能している。
・とはいえ、ベティとダイアン(+ファミレスの店員)の関係性とか、わからないことも多かった。というか、余韻を残すための意図的な不整合はあるのかも。抽象画として見たほうがおもしろいんだと思う。
・序盤は色々なシーンが脈絡なく出てくる。適当に見えてのちのち意味が出てくる感じ。まさに布石なんだけど、出来上がるのが抽象画なので結局よくわからない。
・wikiには監督自らによる作品を理解するためのヒントが掲載されていた。公式サイトにも載っていたらしい。
・とりあえず『パーフェクト・ブルー』みたいな感じだったのかなと一応の理解をする。ダイアンにとっての理想の自分。
・誰も頼んでない、まずいとわかっているのに頼んで、案の定まずいエスプレッソ。
・ドジっ子の殺し屋の仕事ぶりが、唯一のわかりやすいコミカルなシーン。めちゃくちゃ。
・アメリカでも身近な鈍器と言えばゴルフクラブなのか。
・役者さんの演技に価値を置いているように見える。オーディションの時の演技や歌はもっと記号的にやったほうが見やすいはずだけど、そうしていない。
・現実社会であのオーディションやリハーサルを見て勘違いする監督や演出家はいそう。
・役者さんの肉体を通した表現を信用しているのか、たまたま出てきた演技に作品を合わせているのか。
・おじおばコンビがダイアンに迫っていくところ、怖いと言えば怖いけど、撮影現場はたぶん楽しそうだなと思いながら見てしまった。
(サツゲキ)