2024/3/1
・仕事を求めてオクラホマ州に移り住むことになったアーネストが、地元の有力者である叔父の言いなりになって、オセージ族の連続殺人計画に飲み込まれていく話。
・実際の事件をもとに作られた3時間26分の大長編。
・アカデミー賞10部門ノミネートの記念上映で、実際見た人の評判もいい。それなのに、最初の20分くらいは何が起きているのかよくわからず、不安になる。
・徐々に登場人物の関係性、凶悪な行為、計画がわかってくるにつれ、話が加速していく。中だるみしなかった。
・後日譚の見せ方も好き。もうちょっと見たくなる。
・なので実時間ほど長くは感じないんだけど、それでも映画館の環境あっての作品ではある。
・オセージ族は、保留地から石油が採掘され、裕福だったため、白人入植者に権利を狙われているという背景。
・結構な数のオセージ族が殺されている。
・酷い話だけど、殺人シーン、人が生物から物になる瞬間の繰り返しがリズミカルでひきつけられてしまう。
・他の映画だと『アウトレイジ』の感じが近い。
・起きていることに比べて生々しさは薄めだけど、きれいごとで終わらせないという意思も感じる。
・オセージ族を善人として描かないバランスも好き。悲劇性よりも身近に感じさせることを優先している。
・アーネストは、オセージ族の女性と結婚している。
・当然、叔父と妻の板挟みに苦しむ話になると思いきや、アーネストはびっくりするくらい葛藤していない。
・叔父がオセージ族を殺せと言えば殺すし、オセージ族の妻のことは大好き、子供のことも大好き。
・何かを変えなければ、行きつく先はわかりきっているのに、叔父の言いなりになっているうちに、案の定、取り返しのつかないことになっている。
・どうしてこういうことができるのか、にわかには理解できないけど、やっぱり差別意識が根本にあるのかな。
・妻のことを愛しているのも本心なんだろうけど、同時に見下してもいる。たぶんこのへんは両立できる。
・自分自身が空っぽで、善悪の基準を持っていない。自分の感情よりもボスの言うことを優先する。
・遠い地域のまあまあ昔の話なのに、この主人公が全然他人に思えなくて困る。いまの日本人で彼のことを笑える人がどれだけいるのかと考えてしまう。
(TOHOシネマズすすきの)
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