2016/2/11
・2009年以来2回目の観劇。
・舞台は主に絞首刑が執行される部屋。
・犯罪者が、死刑を執行されてからもなお苦しみ続ける話。
・前回見たときはシアターZOO。地下の劇場で、作品の持つ閉塞感や息苦しさが増していた。
・今回はコンカリーニョ。比較的開放感のある劇場なので、大丈夫かしらと思っていたら、これがよかった。
・細くて白いプロセニアムアーチ風のものを設置し、突き当たり正面の壁に同じ質感の白い長方形を描く。
・客席から見ると、舞台全体を囲う大きな額と、正面の小さめの長方形が相似形になる。
・結果、合わせ鏡のような「逃げられない空間」にも見えるし、大きな長方形の手前(つまり客席)にさらに大きな長方形があるようにも想像できて、観客側もその場に閉じ込められているような感覚になる。
・シンプルな装置だけど、すごい工夫。
・序盤の訓練シーンは、職員たちの「仕事」への罪悪感と、訓練の引き伸ばしが関係なく見えてしまい、「明らかに悪者風にキャラ付けされている人の言っていることが正論すぎる」問題がうまく消化できず。
・何時から始めてるのかはわからないけど、夜中の一時までやってたら、そりゃ怒るだろうという感じで。
・小林エレキくんは登場シーンだけでぞわぞわする。真打登場でうっかり掛け声をかけたくなるくらい。「よっ、小林屋!」みたいに。
・自分の中で「小林屋」「エレキ屋」経由で「電気屋」になったけど、うっかりしなくてほんとによかった。
・何の説明もない時点で、あきらかに「殺ってる」のがわかる。すごい。
・全体的に殺人者よりの理屈で話が進行しているので、クライマックスでどんだけバランスを取れるかが勝負。
・被害者の「女」はお客さんに共感させられる時間が少ないので、結構な無茶ブリだと思う。
・こういう話だと「死刑の是非」が注目されがちだけど、「死刑の現場ではこういうことが起きている」ということを、演劇らしくシンプルに見せている。
・佐藤杜花さんの演技がしょうもなさすぎておもしろい。「シリアス」の激流に竹ざお一本で抵抗している感じが応援したくなる。
・余計なエピローグなく、ぴたりと終わる。余韻十分でさすが。
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