2023/1/20
・高校生の鈴芽が、閉じ師を名乗る男との出会いと、彼の呪いをとく旅を通じて、自身の失われた過去を取り戻そうとする話。
・新海誠監督作品はだいぶ見ているけど、前の『天気の子』がなんか暗かったので出遅れてしまう。
・今回は鈴芽がよく動く。義務感に使命感、恋愛感情、動機はいろいろだけど、危険を顧みず、とにかく動く。
・現代日本が舞台、普通の身体能力の女子高生を中心に据えて、ここまでアクションができるものなのか。
・鈴芽は、いかにも主人公という行動をとるけど、恐怖の感情がマヒしているような危うさもある。
・多くの死者が出た大災害を経験しているのに、何度か死ぬのが怖くないと言い切っている。最後のほうの選択もそんな彼女でなきゃ無理だったはず。
・たぶんそれは彼女の過去の辛い経験とつながっている。主人公の主人公らしさに理由がある。うまい。
・序盤はロードムービー調。戸締り活動をしながら、ベタな出会いと別れ。善人ばかりで見ていて気持ちいい。あんまりそこはリアルにしなくていいと思う。
・椅子の寝相が悪いという謎のディテールがかわいい。何かに抗った結果なのかもしれないけど。
・叔母、あんなこと言わされてほんとに可哀そう。鈴芽を後ろに乗せて、後悔に抗うように力強く自転車をこぐシーン好き。
・芹澤さんの「大学生が時間を無駄に使っている感じ」も好き。かなり気の毒だったけど悲壮感がない。
・ミステリアスなイケメンの正体が、ちょっと変わった家業を継いだだけの大学生というギャップがうまい。
・わざとそうしているんだろうけど、絶望的な状況から攻勢に転じるところの理屈がよくわからず。
・いつの間にか猫ちゃんたちが味方になっているところ、みんな理解して見ているんだろうか。勢いと雰囲気だけでも楽しめるんだけど。
・実際に起きた災害をどのようにエンタメ化していくのか問題は気になるところではある。
・大きな自然災害の発生が、個人の行動の成否に左右されすぎるのもなんか違うような。
・ある程度、任意で地震を収めたり起こしたりできるので、悪いことしようと思えばかなり悪いことできそうだし。
・ラストからエンドロールに続く流れがきれい。ああいうタイトルの出し方は憧れる。
(札幌シネマフロンティア)
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