二十一世紀最初の戯曲集 | |
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新潮社 |
2011/7/27
一人芝居は制約が多い。
いちばんの制約は、会話をひとりでやらなきゃならないところ。構造的な弱点だ。
(会話せずに成立する表現には、たいてい「演劇」以外の別の名前がついている)
だから、どうしても一人芝居は必要以上にストイックな感じがしてしまう。
閉塞感と言ってもいい。
なので、一人芝居を娯楽として成立させるためには、そこから何とかしなくちゃいけない。
高村智恵子という実在の登場人物を取り上げたのは、その工夫の一つだと思う。
高村光太郎の「智恵子抄」は、超の付く有名作品なので、仮に読んでいなくても、なんとなく雰囲気はわかる。
演劇の外から題材を持ってくることで、その閉塞感を少し減らすことができる。
退屈な状況説明を減らすこともできる。
一人芝居では、実在した人物を取り上げるほうが効率よく書けるような気がする。
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