遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

中町サク監督『 すべては「裸になる」から始まって』(2012年)

2016-11-30 01:47:48 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

 

すべては「裸になる」から始まって [DVD]

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2016/11/30

森下くるみの自伝映画なら面白いのかなと思って見てみる。

最初は、AVにありがちな自己紹介シーン。

ヒロインが服を脱いでいる間に、唐突に死んだ魚の目を挿入する攻めの編集。

セックスシーンがたくさん出てくるわりに、頑なに乳首だけ映らないようになっていて、びっくりするくらい動きが不自然。

せっかく女優ががんばって全裸になってるのに、だんだん「股間を上手く隠す伝統的な下ネタ」のバリエーションのように見えてくる。

主演の成田梨紗は、森下くるみよりも、小向美奈子のほうが合っている。似てる似てない以前にタイプが全然違う。

映画監督や脚本家の役が出てくるメタ構造。

彼らは愚痴しか言っていないので、ほんとにこの映画自体、撮りたくなかったんだろうなと思う。

結果、魚と白塗りアングラ妖精だけの実験映画的なところだけ記憶に残った。

※たぶん、原作は面白いんだと思う(未読)。

すべては「裸になる」から始まって (講談社文庫)
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講談社
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鈴木大介『脳が壊れた』

2016-11-27 12:31:16 | 読書感想文

 

脳が壊れた (新潮新書)
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新潮社

2016/11/27

脳梗塞後、高次脳機能障害が残ってしまったルポライターによる闘病記。

著者の鈴木大介は『最貧困女子』など、社会的弱者の取材で知られるが、自身は無理も無茶も効くゴリゴリのフリーライター。

しかし、突然、普段取材対象としている「社会的弱者」になってしまう。

自分の不自由な言動が、過去に取材した社会的弱者の言動と重ねては「あのときの彼はこういう気持ちだったのか」と感じる。

著者はそれを「僥倖」と書く。

「四十一歳の若さで脳梗塞をやり、この当事者感覚を得つつ、感じ、考え、書く能力を喪失せずに済むという経験は、望んで得られるものではない」。

絶望的な環境を知恵とユーモアで乗り切る、映画『オデッセイ』の雰囲気もあった。日本人でもできるんだ。

本作はそのまま映画か演劇の原作にしたらいいと思う。というか、書いてみたい。

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新海誠『星を追う子ども』(2011年)

2016-11-24 17:58:54 | NETFLIX/PrimeVideo/UNEXT/Apple TVで観た

新海誠『星を追う子ども』予告編映像

2016/11/24

死後の世界「アガルタ」で少女が冒険する話。

アガルタはラピュタともののけ姫を合わせたような見た目。

「ラピュタと似たような、違う作品」という商業的なニーズで作られたような感じ。

飛行石っぽい石とかヤックルっぽい生き物とか、カリオストロっぽい落ち方とか、テトっぽいミミとか。

挙げるときりが無い宮崎駿サンプリング映画。

過去作では日常をとても美しく描いていたけど、実際、ファンタジーになってしまうと目新しさが無くどうしても「お仕事」感が残る。

先生はただの死にたがりにしか見えないし、残された母親も気になってしょうがない。

全体的に死後の世界が生者にとってずいぶん都合がいい。

この作品のあとは短編を挟んで『君の名は。』。

作家性を優先した作品に戻したら、ちゃんとヒットしたというのが感慨深い。

劇場アニメーション『星を追う子ども』 [DVD]
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メディアファクトリー
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片渕須直監督『この世界の片隅に』(2回目)

2016-11-22 00:47:49 | 映画を見てきた

【映画予告編】『この世界の片隅に』特報/出演:のん(能年玲奈)|Movie Trailer 114sec

2016/11/20

・気がついたら二周目。

・今度は日本語字幕付き。最初は邪魔に感じたけど、広島弁で聞き取りにくいところもあってので重宝した。

・覚えているシーンが記憶よりも前倒しで出てくる。

・「え、もうこのシーン?」と何度も思う。

・日常を淡々と描いているのに、異常にテンポがいい。

・町山智宏さんがこの作品を「マッドマックス怒りのデスロードタイプの編集ですよ」って言ってたけど、確かに展開のシンプルさ、テンポのよさ、情報量の多さは通じるものがある。

・ついでにすずさんとフィリオサの共通点は多い。

・悪人がほとんど出てこない話なので、懐古趣味のひとが真に受けて「昔はよかった」的なことを言いそう。

・ただ、作り手はそのへん無自覚ではなくて、終盤にちょっと唐突なくらい強烈なシーンを挿入している。

・そのシーンは、同時にヒロインの「最悪のif」の姿とも重なる。語りの効率がいい。

・この作品を以って「昔のひとは助け合って…(それにくらべて今は~)」とか言っているひとがいたら、口に楠公飯や雑草をつめてやっていい。

・日常の風景に戦闘機が入り込んでくるところは怖い。日常と非日常は常に隣りあわせ。

・いろんな兵器が降ってくるが、それすら日常になっていく。

・それを人間のたくましさだと思う一方、日の丸の旗を振って出兵を祝うのは、流されすぎだと思ったりもする。

・爆弾はどうにもならないけど、モラルの部分も意思の力ではどうにかならなかったものなのか。

・見間違いかとも思っていた太極旗は、やっぱりチラっとひるがえっていた。

・エンドロールのエピローグは二部構成。

・晴美さんの服がつぎはぎされているところが細かい。

・遊女のリンのifが切ない。

・ツイッターに絶賛が並ぶのを、能年玲奈の芸名騒動の反動で水増し評価されているのかと思っていたけど、見てみたら本物としか言いようがない。

・この感覚、最近味わったなと思ったら、日ハムの大谷が二刀流とかで騒いでいるうちに160kmも投げる本格派投手になっていた感じに似ている。

・片渕須直監督がポスト高畑勲の椅子に、シレっと腰掛けている。あんまり坐り心地がよさそうには見えないけど。

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岸誠二監督『劇場版「暗殺教室」365日の時間』

2016-11-20 00:53:19 | 映画を見てきた

『劇場版「暗殺教室」365日の時間』特報第3弾

2016/11/20

原作が好きで、テレビアニメシリーズも一通り見た。

大した調べもせず、シリーズの総集編なのかなーと思って見たらやっぱりそうだった。

原作最終エピソード。旧校舎の同窓会、その前日。

成長した渚とカルマが思い出話をする形式で、総集編が始まる。

一見さん完全お断りなのは仕方ないとして、もうすこしオリジナル要素があるのかと思っていた。

確かに二人のエピソードは未出だけども、ほとんど狂言回しだし、暗殺教室は3年E組のチーム感が好きなので、二人しか出てこないのが、どうしても物足りない。

比較的メディアミックスに成功していた作品なのでちょっと期待値上げすぎたかも。

せっかく「名簿の時間」や「卒業アルバムの時間」で色んな設定作ったんだからいかしてほしかった。

千葉君と速水さんとか、いいエピソードあるのに。

それでも、ラスボスのところを大きい画面といい画質、音でたっぷり見られたので、そこは満足する。

 

名簿の時間 暗殺教室 公式キャラクターブック (ジャンプコミックス)
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卒業アルバムの時間 暗殺教室 公式イラストファンブック (ジャンプコミックス)
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集英社

※こういうデータものは好物。

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世界エイズデー シアター 2016『クリス・アザー・ストーリー』

2016-11-19 23:15:25 | 演劇を見てきた

2016/11/18

札幌在住のアメリカ人、クリストファー・マイルス・キングがHIVに感染し、1996年に生涯を終えるまでの手記を舞台化した話。

おおよそ20年前の出来事なので、HIVやエイズそのものについての情報は、そんなに目新しいことはなかったような気がする。

逆に、ほんの20年前の話なのに、しっかりと差別や、あまりに融通の効かない医療の問題があったことについては、いまいち実感がわかない部分なので、そのあたりを重点的に考えながら見る。

同性愛だけでも差別の対象にはなるので、そのうえ、よく知られていない重い病気になってしまったら、とてもしんどいと思う。当時はネットでもそこまで調べられないだろうし。

今はだいぶん良くなっているというけど、結局、エイズだけの知識じゃ不十分で、性教育とか、LGBTや同性愛の性交の知識とか、周辺まるごと学ばないと、こういう問題の本質にはたどりつきにくいような気がする。

※こういうのもあるんですね。「WORLD AIDS Day 2016 > ポッドキャスト

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片渕須直監督『この世界の片隅に』

2016-11-19 01:07:15 | 映画を見てきた

【映画予告編】『この世界の片隅に』特報/出演:のん(能年玲奈)|Movie Trailer 114sec

2016/11/18

・広島に生まれた「すず」が太平洋戦争の期間も日常を守ろうとする話。

・このヒロインがとにかくかわいい。

・今風ではないデフォルメの仕方で、ずっともちょもちょしている。

・『かぐや姫の物語』の赤子の雰囲気に似ている。

・方言が安定して気持ちよく、さすが能年玲奈だと思ったりしたけど、東北弁と広島弁じゃ、たぶん全然違う。

・淡々と話が進んでいるようで、情報量が多いし、表現も攻めている。

・繰り返される食卓のシーンがまったく飽きない。

・描かれていない部分で悲惨な目にあってる人がたくさんいるんだろうけど、刺激的な部分は極力押さえている。

・おそらく、今見るお客さんに合わせているんだと思う。

・逆に言うと刺激に頼らずに緊張感を維持している。

・粘り強く日常を重ねていて、単なる「悲劇」として見せていない。

・なので、反戦の押し付けがましい「メッセージ」はない。そのバランスがすごい。

・空襲中の空に水彩画を重ねる表現が美しいし怖い。

・もちょもちょした人間とは対照的に、戦艦や戦闘機描写が細かい。

・人間描写と全然違う描き方でちょっと偏執的。

・全体的に高畑勲っぽい雰囲気だけど、戦艦や戦闘機だけは宮崎駿っぽい。

・高畑勲が若返ったらこういう感じの作品を作りそう。

・というか、ふたりの感想を知りたい。

・すずを締め出した夫がひどい。でも悩んでいたことがあとでわかってよかった。

・頼りない性格のヒロインが、作品の大黒柱として堂々としている。

・彼女以外の人間が中心だったら、こんなに見ごたえのある作品にはならなかったと思う。

・さぎのところだけよくわからない。

・クラウドファウンディングで草の根的に作られた作品というのもすごい。実写ならともかく。

・エンドロールの「もし」を重ねた表現。最後まで丁寧。

・戦後70年以上経って『火垂るの墓』並みのクラシックが出てくるとは。

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弦巻楽団『裸足で散歩』

2016-11-16 00:12:37 | 演劇を見てきた

2016/11/15

・楽日に見に行く。

・新居に引っ越してきた夫婦が大喧嘩する話。

・札幌の土地柄とニール・サイモンの作風は相性がいいような気がする。

・特にこの作品では、寒い時期に裸足で散歩することの意味を実感とともに想像できる、いい観客だったんだと思う。

・実際に舞台で見られるのはほんとにうれしい。

・古典と言うほど昔の作品ではないはず…と思っていたら、1963年の作品だった。半世紀以上前。

・コメディの軽さは残しつつ、人生の危機を端的に描く手際のよさ。

・夫婦喧嘩の話だけど、家族でも親友でも、ごく近い人間関係の危機に直面したことのある人なら誰でも共感できると思う。

・個性的で自由な妻と、理性的で真面目な夫(ニール・サイモン、この対比のパターン多い)。

・妻の自由人ぶりが突き抜けているので、どうしても夫のほうに感情移入して見てしまう。

・夫に肩入れして見るほど、クライマックスのカウンターパンチが威力を増す構成。

・「正しい。だからこそ、つまらない」というのは、「古典」らしい、彼のアイデンティティを揺るがす劇的なシーンだった。

・ただ、今回はそれでも夫のほうに肩入れしてしまうバランスだったような気がする。

・一見、「正しい」真面目な夫に、一撃を食らわす妻は自由人であればあるほどいいんだけど、クライマックスではお客さんの共感を鷲掴みにしなくてはいけない。

・そういうチキンレースみたいな配分が求められる役なので、難しいバランスだったんだと思う。

・西洋人を日本人の役者さんが演じることには、ほとんど違和感はなかった。

・一昔前より、世の中的に、西洋人と日本人の名前と見た目が一致しなくなってきていることも影響あるのかもしれない。

・役者さんは、お母さん役の小林なるみさんと変わった隣人役の齊藤雅彰さんがさすがという感じ。演技の引き出しをたくさん持っている。

・次は『おかしな二人』をお願いしたい。

 

※原題の「bare foot」という言葉からノータイムで烈海王を連想してしまったことは反省したい。

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報告:札幌オーギリングの十一月興行'16『ロード・トゥ・キング』

2016-11-09 22:23:19 | 報告!

2016/11/9

・札幌オーギリングの十一月興行'16『ロード・トゥ・キング』に参加してきた。

・オーギリングに限らず、いつもは見る側で、人前にでることはほとんどないのに、三回目の参戦で不思議な気分。

・そういえば、教文短編フェスの公開審査にも参加させていただいたし、今年は人前に出る一年なのだな。

・今回は、わりと早い段階からオファーを受けていたが、メインだとわかったのはほんとに直近で、かなりプレッシャーがあった。

・自分はオーギリングの一ファンではあるが、ファンだからこそ、レギュラーメンバーのオーギリングに対する本気度を理解しているつもり。

・そして、メインの出来は興行の出来に直結する。

・そこに6人タッグとは言え、ポッとでの自分がノコノコ顔を出していいものだろうかと、ちょっと悩んだ。

・しかし、自分にマッチメイクの権限はないので、精一杯やるしかない。

・お題は「衝撃!小学校で起きた事件とは」だった。

・これ一題で15分。

・時間を持たせられるか心配だったが、スピードを気にせず回答できたので、手数の少ない自分にとってはやりやすい形式だった。

・GJ選手が回答もマイクも絶好調だった。さすが。

・鈴木選手も、エース楽太郎くんが不在のなか、しっかりユニットを支えていた。

・楽太郎くんは、12月に引退をかけてタイトルマッチに挑む。

・彼にはいつもエンプロの公演でお世話になっている。

・ポッと出の「おじさん」がチャンピオンの足元をすくって、プレッシャーをかけてやろうと思っていたが、またしても結果的に良い「ワーク」をしてしまった。

・お客さんは当然aWoが勝つだろうと思っていたはずなので、予想を覆したかったが届かず。無念。

・ちなみに「口から砂」は漂流教室リスペクトだったが、元ネタのほうはあんまり伝わっていなかったような。

・それでもポイントが取れたので、楳図かずお先生はすばらしい。

・ただ、あの場にいた人、実は全員おじさんなので、広義で愉快なおじさんの勝利と言っても過言ではないと思う。

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札幌オーギリング 十一月興行'16『ロード・トゥ・キング』

2016-11-08 23:59:59 | 告知

9月に参加しましたオーギリングさんに出場させていただくことになりました。

BLOCHなのでコンカリに比べれば発声の問題は少ないと思われます。

本戦一勝目指してがんばります。

今回、いつもよりかなりお安くなっています。

よろしければどうぞ。

※当日券は800円になるそうです。

~~公式HPより~~

札幌の大喜利ファイターが集結!
ストーリーのある大喜利対決のみのお笑いライブ!
初の平日ワンコイン興行開催!いつものライブがなんと500円!
12月4日に控えた二大タイトルマッチの前哨戦が白熱!
果たして、前哨戦を制し、タイトルマッチに弾みをつけるのは誰だ?!

2016年11月8日(火)
19:30開場/20:00スタート

<会場>
演劇専用小劇場BLOCH
(札幌市中央区北3条東5丁目岩佐ビル1F)

<チケット>
一律500円
予約→http://ogiring.com/archives/975

●8ページカラーパンフ付チケット +300円
●紙テープ3セット付チケット   +300円
●パンフ&紙テ3セット付チケット +500円

(各種枚数限定/当日料金300円増)

<出場予定選手>
鈴木/GJ/遠藤雷太
ヤギハツマ/三上 翔/澤田へそ太郎/日野ヤヨイ
菊池旭/小原アルト/山本輔/佐々木さん/小林つばさ/及川広大
ノリス・イシハラ/スエヒロッソ/ガイアドラグーンⅡ世/ミウラ・ネーロ・ディ・セッピア/ドン・サトシーノ
喰魔骸/惡暇/ 中島麻載/安藤友樹 他 多数の大喜利ファイター

<進行>
市場ひびき/氏次啓/横澤章悟/佐々木琥太朗 / 上田龍成GM

(出場予定選手は変更になる場合がございます)

<問い合わせ先>
(WEB)http://ogiring.com/
(TEL) 080-6064-4316
(E-mail)wavision.info@gmail.com





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