RADIO

2006-12-06 14:56:24 | discography

ジョン・ゾーンというヘンな兄ちゃんというかおっちゃんのCDです。ボーカル入り。というと知らない人はどんな歌を思い浮かべるのだろう、、、?

実を言うと僕がこの人の音楽をはじめて聴いたのは何を隠そう「空耳アワー」なのです。そう、タモリがやってる深夜番組のアレ。あの一部で超有名なコーナーでたまたま「田中がカタカナ、ださー」と絶叫する曲を見たのが最初で、第一印象は「ヘンなの。また、あの、デスメタルとかあっちですか」でした。知る人ぞ知るデスメタルの頻度は結構高いのと、ビデオの出来もあって印象は強かったのですが、僕自身はデスメタルはとんと疎いしあまり興味がなくってよくわからないので、いわゆる余所の世界かな、と。そしたら友人が「ジョン・ゾーンいいよ。ライブ貸したげる。ボーカル日本人なんだぜ」といって、衛星かなんかで撮ったライブのビデオを借りたのです。

ジョン・ゾーンは、なんていうんですかね、ジャンル分けの難しい人なんですが、いちおうジャズ・フュージョンと一括りにすると入るみたいです。本人はサックス吹きですが、とにかく挑戦的というか実験的というか、いろいろ試してみている感じの強い変わった曲をたくさん作っているみたいです。で、その日本人ボーカル入りのライブも、まあ今まで聴いたことのないような曲ばっかり。だってさ、フリー演奏っていうの?めちゃくちゃな音程でピロパロ吹きまくったかと思うとドラムがドカドカ、ボーカルなんて「声という楽器」で同じことをやる、つまり絶叫し続けるんですよ。チッチッチッチッドタドタドタドタブロロロロロロ「ゥワー!ゥワー!ゥワー!ィヤッ!ィヤッ!ィヤッ!」何をどう楽しめっていうんだ?と思いつつ、繰り返し聴くとだんだん慣れてくるところが怖い。

ただ、そういうことを曲作りでもライブでもやるんで、呼ばれてる演奏者はみんな一流の腕ききなんですね。同じ実験的でも、ボーカルなしの曲はメロディもちゃんとあって聴いてて分かるし、演奏がしっかりしているのですごくカッコいい。エフェクトのかけ方で遊んでる「Sunset Surfer」13分にわたる掛け合いの「The Yodel」えーとこれ、15拍子なのか「Metaltov」ほか「Party Girl」「Terkmani Teepee」あたりは、そのライブビデオをきっかけに聴くようになりました。

このうち「The Yodel」以外が入ったのがこの「Radio」。ほんとは「The Yodel」の入ったやつがほしかったんだけどその時レコード屋になかったんで、ほか全部入っているからいいや、と思って買いました。前半はインストゥルメンタル中心、だんだん雰囲気が刺々しくなってきてちょうど真ん中あたりからボーカルが入りだす、という構成もなかなかカッコよくって、ボーカル入りの曲も結構聴くようになりました。でも、脳波でいったら間違いなくβ波だから、聴くタイミングを間違えるとすごく疲れちゃうんですよね。一度会社に行くとき聴いちゃって、正門を入るときにちょうどボーカル真っ最中。その日はあまり仕事に集中できませんでしたよ、と曲のせいにしとく。

(2024/7/7 修正)


NAKED CITY「RADIO」AVANT AVAN003