「出没アド街ック天国」とかでよく使われる「テケテケテケテケ・・・」って音楽、ザ・ベンチャーズよりはちょっとトガった感じのやつね、知ってる人どのくらいいるのかな。ディック・デイルというギター弾きのおっさんの曲です。
NHK-BSが見れた頃だったか、昔の音楽シーンについて3夜連続とかで番組があって見たら、ベンチャーズやビーチ・ボーイズとかの曲の合間になんか汗臭いおっさんが凄いギターを弾いてるんですよ。長い髪を後ろで結わえて、よれよれのシャツに擦り切れたジーンズ、肩にかけたギターをただ無心に弾きつづける不思議な画。それがそのアド街テケテケ、「miserlou」だったんですね。
今はもうBGMの定番みたいになっちゃってるのであまりよく聴いたことある人ってそんなにいないかもしれないんですが、冒頭から低い音で「ベケベケベケベケ・・・」と始まってベースとシンバルが「バシン」という感じで入るところなんか、最初聴いたときは圧倒されました。そこからいわゆるサーフィン・ギターと呼ばれる曲の常套でシンバルが鳴り続けるきらびやかなリズムに乗せてトレモロ(テケテケテケと弾き続けながら音を伸ばす弾き方)がメロディーを奏でる、非常にドライブ感があって僕好みの曲です。最後に現れるピアノなんか早くて文字通り叩いてる感じ。
これはベスト盤ということで、ほかにはハリー・ベラフォンテで聴いた事があった「ハヴァ・ナギラ」のアレンジもあるんですが、何じゃこりゃ?全っ然違う曲になってる。「ハヴァンナ、ランナンナ」みたいなのんびりムードまるで無し、トルク丸出し。次の「Riders in the Sky」の出だしはドラムソロからギターの「ギュン」で主題に入り、これも基本の3,4,7のスネアが特急列車のようなスピード感出っぱなし。中にはボーカルが入った曲やちょっとゆったりめの曲もあるんですが、この手の早い曲を選んでベンチャーズと混ぜて聴くと色合いの違いが出てなかなか面白いです。
ときに、なぜか途中でちょっと間の抜けた掛け声が入るんですが、あれ何だろう?
「THE BEST OF DICK DALE & HIS DEL-TONES」RHINO R2 75756