新潟県内14医療機関で、本年1月14日~3月13日まで、実験的に実施されている。
若手職員による政策提言に基づくものだそうだ。
新潟県では、冬季、外国人客が増え、医療機関で通訳の必要性が増す。
時期的な需要増ということもあって、継続的な予算化が課題のようだ。
テレビ電話を使ったもので、大阪府大阪市の医療通訳事業者との契約で実施。
普及しない理由の一つが、事業者とは年間契約を結ぶ必要があるとのこと。
遠隔通訳そのものは、目新しいものではなく、手話通訳の分野でも行なわれている。
手話に限らず、コミュニケーション保障が権利として当然視されれば、解決は容易だ。
多くの機関で通訳の必要性が認識されれば予算化もされ、通訳事業も成り立つ。
少数派であるうちは、理解者の善意に頼るという心もとない出来事に終わってしまう。
この実験結果がどうなるか、経過を追ってみたい。
母の病院からの帰り、ろうの友人宅に寄った。サギソウの植え替えについて話すため。
植え替え時期を誤って、すでに芽が出てしまった。ミズゴケの準備も終わったので、
作業が終わってから、明日届けることにした。
帰り道、つらつら考えた。今日は奥さんもいたようだが、出てこなかった。
手話で話すということは、対面での作業なので、玄関口で声がしたからといって、
奥さんが出てくることはない。話したい場合は、呼んでもらわねばならない。
ろう者宅には回転呼び出し灯があるので、この表記は正確ではない。
もちろん回転灯が見えない場所にいれば、その限りではないが。<翌朝記載>
手話での会話は、顔を合わせることが絶対条件である。よそ見をしている人に、
手話で語りかけることはできない。通訳を要する状況で、話者が勝手に話し始めると、
通訳できない状況になる。講演会などでは聞くつもりでその場にいるから良いが、
聞こえる人の中にろう者が少数いた場合、勝手に話を始められると、通訳者がいても
困ることがある。
目で見なければ了解できないので、聞いてもらおうという姿勢がないと、通じない。
これが案外に理解されず、手話通訳者が慌てることになる。
ろうの会員が在籍して10年たってもそのことが理解されないというのは理解の外だが、
そのことを理解させ得なかったのは、自らの力不足と思うしかなく、今も悔やみの種だ。