最近発表された『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』の症例報告によると、ある患者がCAR-T細胞療法を受けた1か月後に、非常に稀で致命的な血液がんを発症したことが確認されました。
CAR-T細胞療法とは、患者の免疫細胞に遺伝子操作を行い、がん細胞と戦う能力を強化する先進的な治療法です。しかし、今回の報告では、このT細胞リンパ腫がCAR-T細胞療法そのものの直接的な原因ではないとされています。それでもなお、研究の進展に伴い、副作用や二次がんのリスクに対する懸念が高まっています。
今回の患者には「クローン性造血」という状態が確認されていました。これは、血液幹細胞の一部がDNA変異を起こし、通常よりも多く増殖する現象で、加齢とともに見られることが多いものです。クローン性造血自体はがんではありませんが、がんのリスクを増加させる可能性があります。今回のケースでは、患者が治療を受ける前から異常な細胞が存在しており、その一部がCAR-T細胞製造の過程で使用されたことがわかりました。
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