経済が破綻した中国では今、失業者があふれている(GettyImages)
中国では今、景気の低迷による「史上空前の就職難」が大きな社会問題になっている。
中国の国家統計局が16日に発表した4月の若年層(16〜24歳)の失業率は20.4%だった。統計局が同時に発表した他の経済統計も、軒並み予想を下回っている。
こうした状況のなか、党幹部などの特権階級ではない一般の庶民は、今日を懸命に生きるために必死でもがいている。まさに生きることの究極の試練が、人々の日常になっているといっても過言ではない。
- 一流大学を出ても「卒業したら失業」
周知のように「データの改ざん」が常である中国当局が公表するデータは、それ自体信憑性が低い。したがって、中国の公式データを見る場合は、良い内容は割引き、悪い内容は倍加して見るという「裏読み」をしなければならない。
そのため、実際の失業状況は、公表された数値よりさらに深刻である可能性が高い。
先月、ネット上に流出した上海海洋大学の内部会議で使用された最新の就職状況に関するデータによると、4月11日時点の上海の大学の学部生の平均就職率は24.1%。大学院生は40.66%だった。つまり、今夏の卒業を前にして、8割近くの大学生がまだ就職先が決まっていないことになる。
「社会の安定」を最優先に掲げる中国共産党指導部は近年、ハイテクや教育など幅広い産業への締め付けを強めてきた。そのため、多くの業界では大規模な人員削減を強いられた。
そのうえ、過去3年に及んだ「清零(ゼロコロナ)政策」の影響により、大学生の主な就職先であった中小企業は大量に倒産している。また、これまで大学の新卒者を大量採用してきたハイテクセクターの分野では、業界全体で雇用縮小の動きが広がっているため、新規採用への動きは鈍い。
今年の夏に大学を卒業する学生は約1158万人と、過去最多を更新する見通しである。しかし「史上最も厳しい」と言われる今の就職難に、卒業とともに直面する学生たちが、仕事を求めて市場に溢れるのは必至だ。
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