「あれ、タヌキですか?」一緒に歩いていたS君が指差した。
大きなエノキの下に座り込み、涼しい風で、体のほてりを取っているときのことだった
彼の指先には…。 藪から顔を出したアナグマの姿があった。

突如現れたアナグマ おやおや脱糞したかな? 2013-07-02 多摩丘陵
僕は小声で「動くな!」とS君を制した。
「アナグマは、目が悪いので、派手に動いたり、大きな声を出したりしなければ、こちらに気が付かない。」と続けた。そして、アナグマに視線を送りながら、ゆっくりとカメラに手を伸ばした。
アナグマは、草原脇の窪みに沿って、小走りで移動してきた。我々にきずくこともなく、5mほど前を通り過ぎ、その先で脱糞するようなポーズを2回。それから林の中の道を上っていった。

アナグマの現れた場所 樹の下に我々(2名) 赤線がアナグマの移動ルート 2013-07-02 多摩丘陵
この間、ほんの30秒。いや15秒ほどだったかもしれない。
写真を取ろうとするがレンズキャップがなかなか外れない。外しはしたが、今度は、興奮していてカメラの設定が合わない。やっと撮ったが、今度はシャッター速度が遅くブレブレ。

興奮状態で撮った移動中のアナグマ(ブレブレ) 2013-07-02 多摩丘陵
冷静を装ってはいたが、やはり興奮していたのだ。
何とか撮影できる状態になり、動画撮影で後を追った。あとで見ると、録画時間はわずか9秒! 平常心に戻ったのは、アナグマが見えなくなった5秒くらいしてからだと思う。
「今の撮れた。」
「ちょっと興奮していて、うまく撮れなかったので、あまりズームアップしないで撮りました」
見せてもらうと、小さいが、ちゃんと写っている。S君の方が冷静だったのかもしれない。
「俺、すぐに動画にしちゃったんで、まともな静止画を取ってないんだ、これ、ブログに使わせてもらっていい。」
「ああ、いいですよ。小さいですけど!」
というわけで、最初の写真になったわけだ。最近のカメラは性能がいい。かなりトリミングしたが、それでもまずまずの画質でみることができた。
「Sクンありがとう…。」
アナグマには、これまでも数回出くわした。たいがい、林道などで向かいから歩いてくると言ったものだ。多くの野生動物は、人間より先に、こちらの動きを察知して、先に逃げて行ってします。しかし、アナグマは鈍感なのか、とにかく、マイペースで歩き続けるのだ。異常に気が付いた時も、視線を定めるのではなく、鼻先を持ち上げ、しきりに上下左右に振り、匂いの情報を集めているような動きをしたのを見たことがある。目が悪いというのは本当のようだ。
何の本だか忘れたが、――山の中で胡坐をかいて座り込んでいると、そこにアナグマが現れ、どんどん近づいてきた。そしてついに、胡坐の上に片足を乗せて、初めて人の存在に気が付き、驚いて逃げて行った。―― というのを読んだことがある。
最後に、アナグマの脱糞跡を確認したが、何も見つからなかった。脱糞したのではなく、お尻をすりつけ匂い付けでもして行ったのだろう。
僕は、姿を消したアナグマの後ろ姿を追うように、同じ道を登り始めた。
大きなエノキの下に座り込み、涼しい風で、体のほてりを取っているときのことだった
彼の指先には…。 藪から顔を出したアナグマの姿があった。

突如現れたアナグマ おやおや脱糞したかな? 2013-07-02 多摩丘陵
僕は小声で「動くな!」とS君を制した。
「アナグマは、目が悪いので、派手に動いたり、大きな声を出したりしなければ、こちらに気が付かない。」と続けた。そして、アナグマに視線を送りながら、ゆっくりとカメラに手を伸ばした。
アナグマは、草原脇の窪みに沿って、小走りで移動してきた。我々にきずくこともなく、5mほど前を通り過ぎ、その先で脱糞するようなポーズを2回。それから林の中の道を上っていった。

アナグマの現れた場所 樹の下に我々(2名) 赤線がアナグマの移動ルート 2013-07-02 多摩丘陵
この間、ほんの30秒。いや15秒ほどだったかもしれない。
写真を取ろうとするがレンズキャップがなかなか外れない。外しはしたが、今度は、興奮していてカメラの設定が合わない。やっと撮ったが、今度はシャッター速度が遅くブレブレ。

興奮状態で撮った移動中のアナグマ(ブレブレ) 2013-07-02 多摩丘陵
冷静を装ってはいたが、やはり興奮していたのだ。
何とか撮影できる状態になり、動画撮影で後を追った。あとで見ると、録画時間はわずか9秒! 平常心に戻ったのは、アナグマが見えなくなった5秒くらいしてからだと思う。
「今の撮れた。」
「ちょっと興奮していて、うまく撮れなかったので、あまりズームアップしないで撮りました」
見せてもらうと、小さいが、ちゃんと写っている。S君の方が冷静だったのかもしれない。
「俺、すぐに動画にしちゃったんで、まともな静止画を取ってないんだ、これ、ブログに使わせてもらっていい。」
「ああ、いいですよ。小さいですけど!」
というわけで、最初の写真になったわけだ。最近のカメラは性能がいい。かなりトリミングしたが、それでもまずまずの画質でみることができた。
「Sクンありがとう…。」
アナグマには、これまでも数回出くわした。たいがい、林道などで向かいから歩いてくると言ったものだ。多くの野生動物は、人間より先に、こちらの動きを察知して、先に逃げて行ってします。しかし、アナグマは鈍感なのか、とにかく、マイペースで歩き続けるのだ。異常に気が付いた時も、視線を定めるのではなく、鼻先を持ち上げ、しきりに上下左右に振り、匂いの情報を集めているような動きをしたのを見たことがある。目が悪いというのは本当のようだ。
何の本だか忘れたが、――山の中で胡坐をかいて座り込んでいると、そこにアナグマが現れ、どんどん近づいてきた。そしてついに、胡坐の上に片足を乗せて、初めて人の存在に気が付き、驚いて逃げて行った。―― というのを読んだことがある。
最後に、アナグマの脱糞跡を確認したが、何も見つからなかった。脱糞したのではなく、お尻をすりつけ匂い付けでもして行ったのだろう。
僕は、姿を消したアナグマの後ろ姿を追うように、同じ道を登り始めた。
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