StellarHeart 67Ch🌟💙

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まだ見つかってないなんて…

2005-03-10 17:52:17 | 日記&独り言☆
 こないだ、恵庭の陸上自衛隊の訓練中に行方不明になっていた実弾が、未だに見つかっていないらしくて、TVで同じタイプの実弾を公開していた。。。

 確か、近くには高校があったはず…。。。

 そして、その高校は…、4月から私の妹が通うところ…。。。

 入学前に、見つかればいいんだけど…。。。

Childhood’s End   ~第4話・兄、行方不明!!!~

2005-03-10 17:11:25 | star spiritsシリーズ☆
 洋次は、日本での生活に戸惑いを感じながら、少しずつ慣れていった。ただ、洋次の兄・洋は、日本に来てからも未だにひきこもったままだった…。
 そんなある日の朝、洋次が起きて学校へ行く身支度をしている時、何気に庭の方を見ると、洋が珍しく庭に出ていた。
 「アレ、兄貴…?」
 洋次は洋に声をかけようとしたが、洋が庭にあるライラックの花の樹木を眺めていたので、ためらった。ライラックは、なくなった母親の好きだった花で、ロンドンにいた頃も、今の時期になると咲き始めていたのである。洋は、ライラックの香りを嗅ぎつけ、庭に出ていたのである。
 <兄貴…>
 洋の顔立ちや仕草は、なくなった母親の姿とだぶって見えた。
 <…いつまでも、悲しんでるワケには、いかないんだよな…>
 洋次は、涙が出そうになるのを必死で堪え、指で拭った。そして、朝食を済ませると、洋に声をかけないまま、学校へ行った。
 洋次が学校へ行った後、家政婦が洗濯物を干しに庭へ出てきた。
 「アラ…、今年も咲き始めたんですねぇ…。大通公園も今頃きっと、ライラックの香りがしてますね…」
 家政婦は、洗濯物を干しながら、何気にそう呟いた。その言葉を、洋はしっかり聞いていたのである…。
 <…大通公園…?>
 洋は、家の中に入ると、電話機のそばに貼ってあるJRの時刻表と、札幌市内の路線図を見て、何かメモを取っていた。そして、自分の部屋に戻ると、机の引出しから小銭入れを取り出し、身支度を済ませると、家政婦の目を盗み、外へ出てしまった…。

 この日、体育の授業でドッジボールをしていて、文人が最初にボールをぶつけられてしまったのを見て、洋次は怒鳴りつけた(機嫌が悪い時、何かにつけて文人に『八つ当たり』するようになっていた)。
 「おいっ、眼鏡チビッ! お前、何モタモタしてんだよっ!」
 「顔に当たったんだから、仕方ないだろっ! そんなに怒るなって…!」
 竜次は、洋次が文人に怒鳴りつけるのを見て、洋次を叱った。
 「…おい、文人、大丈夫かっ?」
 竜次が文人のところへ駆けつけると、文人が鼻血を出していたので、持っていたハンカチで鼻を押さえ、すぐに保健室へ連れてきた。その時、ちょうど保健医がいなかったので、竜次は文人に応急処置をすると、ベッドに寝かせた。
 「竜次、お前さぁ…。眼鏡チビの保護者かっ…?」
 竜次が保健室から出てくると、洋次が廊下で待っていて、竜次にそう言った。
 「…文人は、俺やお前と違って、体が小さいから、仕方ないだろっ…!」
 竜次がそう言うと、洋次は呆れた表情でこう続けた。
 「…体が小さいからとかいう理由は、いつまでも通用しないだろっ…! それに、いつまでもお前と一緒にいられるワケじゃないんだぞっ…! お前がアイツの事を庇い続けてたら、アイツの為にもなんねぇだろっ…!」
 <…いつかは、離れ離れになる時が来るかもしれねぇんだからっ…>
 洋次はそう言いかけたが、グッと飲み込んだ。だが、洋次が何を言わんとしていたか、竜次にはわかっていた。
 <…洋次の言う通りかもしれない…>
 保健室のベッドで横になっていた文人にも、洋次の言葉が聞こえ、胸に突き刺さった。文人は、頭から毛布を被ると、枕に顔を埋めて、二人に聞こえないよう、声を殺して泣いていた。
 竜次と洋次が体育館に戻ろうとした時、担任の教師が慌てて走ってきた。
 「あっ、沼津君っ…! ご自宅から連絡がっ…!」
 「えっ…?」
 洋次は、担任と一緒に職員室に入り、自宅からの電話に出た。電話は、家政婦からだった。
 “洋次お坊ちゃま、大変ですっ…! 洋お坊ちゃまがっ…!”
 「…ええ~っ! わかった、すぐ帰るからっ…!」
 洋次は、電話を切ると、担任に事情を説明し、急いで教室へ戻ると、自分の荷物を持って帰ってしまった。竜次が、担任から話を聞くと、兄の洋が家からいなくなっていたので、家政婦が電話をしてきたらしい。
 洋次はその日、学校に戻らず、家政婦と一緒に洋を探し回った…。