耳順庵日記

60歳を超えて、生き馬の目を抜く首都圏の生活にカムバックした。
浦安太郎が見た、都会の意外な側面を綴ってみたい。

鸞鳳玉

2013年09月29日 17時55分39秒 | 盆栽
 サボテンをひと鉢育てている。 鸞鳳玉と言う和名が付いている。

 サボテンとは言ってもトゲがなく、ノペッとした形をしている。
アストロフィツムと言う属名は切り口が星の形をしている事に依る
と言う。
 10年ほど前に100円かそこらで買った時は4稜だったが、そのうち
5稜に成ってしまった。 鸞鳳系は稜が少ないのが珍重され、4角鸞鳳
とか3角とかがもて囃されるので、内心喜んでいたが値段相応だった
ようだ。



 どうも私は凝り性のようで、昔から何かにハマるとトコトン掘り
下げないと気が済まないたちのようである。SFを読み出した時は
文庫本の小松左京を全部買ったし、ロボット物に凝った時は早川
文庫のアイザックアシモフを全冊揃えた。
それらは未だに捨てられず、かみさんにいつも文句を言われている。

 学生時代に何かの拍子でサボテンにハマった。あの頃は、博多の
町中ではサボテンなんか手に入らず、カタログを取り寄せて
通信販売で購入するしか無かった。金は有るはずが無いから、
1本20円とか30円の小さな苗を少しずつ買い込んだ。
 サボテンは乾燥に強いので、鉢に植えてなくても紙でくるんで
小さなダンボール箱に詰め込んで、郵送できるのである。

 少し慣れたら、種子を買って実生にもトライした。砂場で拾って
来た砂を良く洗って煮沸消毒してから、播種するのである。
発芽したときから小さな刺があって、とても可愛かった。
 学生が、研究室の屋上でサボテンを育てているのは意外性が
あって、食堂のおばさん達なんかに結構モテたのであった。

 

 子供たちを連れて、今は無き真鶴サボテン公園で、サボテンの
花殻を拾ってきて、自宅で発芽させたことがあった。

 数年経って直径15cm位まで大きくなったので段々邪魔者扱いされ、
あちこちに里子に出された。残ったひと株は、水槽を転用した温室
の中で大きく育っていたが、昨冬この水槽を割ってしまって、寒さ
で凍傷を起してこの世を去った。

    <野良サボ>


 何鉢かサボテンが有ったがこの鸞鳳玉だけが一つ生き残った。
この春、植え替えてやったら、俄然元気を取り戻し、大きくなり
だした。名前のように、こいつは球状に育つはずで、これから
丸くなるのを期待している。






 サボテンといえば刺が特徴だが、美しい刺を持った文鳥丸と
いうサボテンが昔から好きだった。



 フェロカクタス属は強刺類とも言い、強靭な刺を持つものが
多いが、文鳥丸は根元が赤く先端が白で緩やかにカーブしている
刺が魅力だ。

 先日近くのホームセンターで幼苗を見つけたので200円ほどで
買ってきた。最近は植物というより、インテリアとして売られて
いて、砂が接着剤で固められていたり、極端な場合はスプレーで
刺に色をつけたりして売られている。生き物なのに残酷な限りで
ある。


 可哀想だから少し大きめの鉢に、乾燥した牛糞や油粕を少し
入れて、植え替えてやった。これで、元気に育ってくれるだろう。

 私が生きている間に、どれだけ大きくなるか、楽しみである。


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