工房を借りている大家さんの娘さんが
瀬戸の商店街で個展を開催中。
今日主人と二人で早速行ってきた。
駅前のコインパークに車を停め、
記憶を辿って商店街へゆき
民家を改築したようなギャラリーで
大家さんの工房で時々見かける繊細な娘さんらしい、
繊細な作品を見せてもらった。
青の濃淡だけで描かれた植物が
鋳込みの白くて薄い肌によく合っていて
とても素敵。
高校の時、絵付けの授業があったけど
あんなに素直な絵付けは出来なかったなあ。
それにしても
約四半世紀ぶりに瀬戸の街を歩き、
所々に昔の面影の残る町並みを見ていたら
……ほとんど泣きそうになってしまった。
私にとって高校時代は
心の優しいクラスメートに囲まれて
色々なことを許されながら過ごした
至福の三年間だったのだ。
思い出だけで人は生きていけると言うけど
あながち大袈裟な表現じゃないと思う。
あの三年間が無かったら今の私は
もう少しいじけて小さく縮こまり、
自分の中の何をも表現しない人間になっていただろう。
何かを表現したくてもがき、だけど薄っぺらな自分に気付き、
自慢と自嘲を繰り返していた私の小ささを
あの三年間は許してくれた。
そうして今も、その思い出が私を許し続けていてくれる。
商店街でかき氷を食べ、
深川神社の横の公園を通ったら
家にあった写真に
その公園で撮ったものがあったことを思い出した。
ブランコに乗って笑っている私達。
空を見て笑っている私達。
その一瞬があったからこそ
私は生きていられた。
そうして、あの思い出があるからこそ
今私は生きていられる。