野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

炎のように燃え立つ花を咲かせるフシグロセンノウ(高尾山シリーズ02)

2019年10月01日 10時10分03秒 | 

高尾山で咲いていたフシグロセンノウ。すこしのっぺりとした花が園芸種のようにみえるが、れっきとした日本の固有種である。野草としてはこのような朱赤色の花は珍しいので、とくに人目を惹く。薄暗い林の中で炎のように燃え立つ花を咲かせるさまはみごとだ。

(2019-09 東京都 高尾山)

 

 

フシグロセンノウ(節黒仙翁、学名:Lychnis miqueliana Rohrb.)は、ナデシコ科センノウ属の多年草。

 

特徴
茎は直立し、高さは40-90 cmになる。和名の由来のように茎の節が黒褐色になり、茎の上部は分枝し、まばらな軟毛がある。葉は無柄で茎に対生する。葉身は卵形から長楕円状披針形で、葉先は鋭尖形で基部は細まり、長さ5-14 cm、幅2.5-5 cmになる。

花期は7-10月。野草では珍しい色の朱赤色の花を、分枝した茎の先にまばらに数個付ける。萼は2.5-3 cmの長円筒状で5裂し、毛はない。花弁は5個で長さ2.5-3 cmになる。蒴果は先が5裂した長楕円形となる。

種小名の「miqueliana」は、ドイツの植物学者のA.W.ミクエル(Friedrich Anton Wilhelm Miquel)に由来する。別名が「ゼニバナ」と「オウサカバナ」(逢坂関に自生していたことに由来する。)。

分布と生育環境
日本の固有種で、本州・四国・九州の山地の林下などに自生する。田中澄江が『花の百名山』の著書で、雲取山を代表する高山植物の一つとして紹介した。山野草として苗が販売されている。


ムクゲかと思っていたタカサゴフヨウ(園芸種シリーズ10)

2019年10月01日 08時12分07秒 | 

タカサゴフヨウという花は、意識してみたのは初めてだった。槿の一種だと思っていたのだろう。フヨウとは雄しべの形が違い、ムクゲとは花の裏側の模様が違う。何よりも葉の形がはっきりと異なる。花もかなり小振りである。気にしてみると、なかなかきれいな花だ。

(2019-09 川崎市 道端) 

【タカサゴフヨウについて】

科名・属名 アオイ科 ヤノネボンテンカ属

園芸分類 草本性低木

別名 ヤノネボンテンカ(矢の根梵天花)

タカサゴフヨウは、ブラジル、ボリビア、アルゼンチンなど南米原産のアオイ科ヤノネボンテンカ属の草本性低木です。アオイ科の仲間としては比較的小輪の花ですが、花の中心が黒紫色で案外目立ちます。

丈夫で、耐寒性もあり、こぼれダネで増えるのか、半ば野生化していて、土手の上など思わぬところで見かけたりすることがあります。上と下の写真は、庭の端からひとりでに生えた株が川べりにせり出して咲いているところを撮したものです。

ヤノネボンテンという別名は、葉がヤジリのような形を していることから付けられたようです。タカサゴ(高砂)の由来は、未確認です。

栽培したところでは、非常に丈夫で、枝もよく伸びますので、切り戻しをしてコンパクトにつくると、まとまって花が咲いてなかなか美しいものです。
少し困ると言えば、繁殖力が強いので増えすぎることでしょうか。とは言え、始末に困ると言うほどのことはありません。


【タカサゴフヨウの概要】
タカサゴフヨウの花
草丈 1mほどです。

花 花径5~6㎝の一重の花で、白い花弁の中心部が濃赤褐色をしています。

耐寒性・耐暑性
耐寒性、耐暑性があります。

学名
Pavonia hastata
学名の説明
Pavonia・・・・・スペインの園芸家 Don Jose Pavon に因みます。
hastata・・・・・「鉾(ほこ)形の」


きれいな球形の花がユニークなボタンクサギ

2019年10月01日 07時23分08秒 | 

森林公園ではまだアジサイが残っている時期だったので、アジサイと間違えそうになったボタンクサギ。作り物のようなきれいな球形の花がユニークだ。気にしてみると、野生化しているのをあちこちでみかけるようになった。不思議な花だ。

(2019-09 川崎市 森林公園) 

 

 

 

ボタンクサギ(クレロデンドルム・ブンゲイ) [牡丹臭木]

開花時期 7月、8月、9月、10月、11月
花の色 赤、紫
名前の読み ぼたんくさぎ(くれろでんどるむ・ぶんげい)
分布 原産地は中国南部からインド北部
生育地 庭木
植物のタイプ 樹木
大きさ・高さ 1~2メートル
分類 クマツヅラ科 クサギ属
学名 Clerodendrum bungei
花の特徴 枝先や上部の葉の脇から集散花序(最初の花が枝先につき、その下に次々と側枝を出して花がつく)を出し、淡い紅紫色の花をたくさんつける。
花冠は5つに裂け、裂片は横に開く。
雄しべ4本と雌しべ1本が花の外に突き出ている。
葉の特徴 枝葉に強い臭気があるが、切ったり揉んだりしなければ大丈夫である。
葉は幅の広い卵形で、向かい合って生える(対生)。
葉の縁には不揃いなぎざぎざ(鋸歯)がある。
実の特徴 花の後にできる実は核果(水分を多く含み中に種が1つある)である。
その他 ヒマラヤ臭木(ヒマラヤクサギ)の別名もある。