野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

希少になった水生植物アサザ

2019年10月15日 09時37分54秒 | 

希少になった水生植物のアサザの花は、開花している状態の写真がずっと撮れないでいる。仕方がないので、少し小さいのだが、開きかけのものを。背後に移っている葉はいかにもアサザらしいものなので、間違いないと思う。神代植物公園で葉だけはたくさん増えていた。花ジュンサイという名前が似合う水草だ。

(2019-10 東京都 神代植物公園) 

アサザ [浅沙]

開花時期 5月、6月、7月、8月、9月
花の色 黄
名前の読み あさざ
分布 本州から九州
ユーラシア大陸の温帯地域に広く分布
生育地 池や沼に生える浮葉植物
植物のタイプ 水生
大きさ・高さ 5~10センチ
分類 ミツガシワ科 アサザ属
学名 Nymphoides peltata
花の特徴 縁が糸状に裂けてフリルのようになった黄色い花を花茎の先につける。
花びらは5枚あるが、花の根元はつながっており、合弁花である。
一日花で午前中に開き、夕方には閉じる。
葉の特徴 葉は緑色のハート形をしており、地下茎から柄を出して水面に浮かぶ。
葉の直径は5~10センチくらいである。
実の特徴 果実は卵形で扁平なさく果(熟すと果皮が裂開する果実)
この花について ―
その他 漢字では「阿佐佐」とも書く。
環境省のレッドリスト(2007)では、準絶滅危惧(NT)に登録されている。
若葉は食用になり、ハナジュンサイの別名がある。
俳句の季語は夏である。


高原の雰囲気が似つかわしいマツムシソウ(入笠山シリーズ04)

2019年10月15日 09時00分15秒 | 

マツムシソウはいかにも高原の雰囲気が似つかわしい花だ。探すときにはみつからないのも、あるところにはあふれるほどに咲いている。名前も典雅だ。高原ではヒョウモンチョウが好んでこの花に集まっていた。虫たちが上に乗りやすい構造になっているので、多くの昆虫をみかける花だ。

(2019-09 長野県 入笠山) 

マツムシソウ(松虫草、Scabiosa japonica)は、マツムシソウ科マツムシソウ属の越年草・多年草。北海道、本州、四国、九州に分布する日本の固有種で、山地の草原に生育する。

特徴
草丈はおよそ60-90 cmで、葉は対生し、羽状に裂ける。夏から秋にかけて紫色の花をつける。花は頭状花序で、花の大きさは径4 cmほどである。開花時期は、8~10月。

葉を出して冬を越し、花を付けてから枯れる冬型一年草(越年草)だが、高地では枯れずに2年目の葉を出す多年草である。

マツムシ(スズムシ)が鳴くころに咲くことが和名の由来であるとする説がある。薬草として皮膚病などに用いられることもある。日本の31の各都道府県で減少傾向にあり、各々のレッドリストに指定されている。

属名の「スカビオサ」という名前で園芸品種として栽培されるのは、近縁種のセイヨウマツムシソウ(Scabiosa atropurpurea)であることが多い。


ユーモラスな名前をもらったタヌキマメ

2019年10月15日 07時12分06秒 | 

タヌキマメという命名はユーモラスだ。写真にみられるように果実を包む萼がタヌキの体毛のようだという説もあるし、もっと別のことを考える人もいるだろう。花はマメ科の植物らしく、小さいけれどもきれいな形と色をしている。調布の野草園で育てられていたもので、ふだんはあまり見かけたことがない花だ。

(2019-10 東京都 調布野草園) 

 

 

 

タヌキマメ

科名:マメ科
学名:Crotalaria sessiliflora
原産地:日本 朝鮮半島 台湾 中国 熱帯アジア
草丈:20cm-70cm
主な開花期:8月-9月

タヌキマメとは

小さいけど、キレイな色をした花 全面が毛で被われている萼
東は日本から西はインドまで広く分布するマメ科タヌキマメ属の植物で、花後に枯れる一年草です。日本では本州(宮城より南)、四国、九州、南西諸島まで分布します。土手や池の周りのような湿り気のある場所によく自生しますが、平地や丘の日当たりのよい草地や道端でも見ることができます。

細長い笹のような葉っぱを出して、草丈70cmほどに生長します。夏の終わり~秋にかけて、茎の先端にいくつものつぼみを付けて1~数輪ずつ、下から順に開花します。花は蝶型で径1cmほど、色は濁りのない青紫色です。花後に萼が生長して大きくなり、果実をすっぽりと包みます。萼には粗めの茶色い毛がふさふさに生えます。果実は長さ1.5cmほどの長だ円形で、エンドウマメやエダマメの莢(豆果と言います)をごく小さくしてぱんぱんにふくらましたような姿です。熟すと表面は焦げ茶から黒っぽくなり、縦に裂けてタネをとばします。

漢字を当てると「狸豆」で、果実を包む萼がタヌキの体毛のようだから、花を正面から見るとタヌキの顔のように見えるから、など諸説あります。