<光る相模湾;塔ノ岳山頂より>
紺碧の空に光る海と富士山クッキリの丹沢:塔ノ岳(今年2回目)
(K大Nさんと付いたり離れたり)
2012年1月7日(土) 快晴
■大賑わいの登山届場所
冬至が過ぎてから,もう2週間も経つのに,夜が明けるのが一向に早くならない.私が小田急電鉄の渋沢駅に到着する頃,ようやく辺りが明るくなり始める.
今日は3連休の初日,土曜日である.渋沢発大倉行の1番バスは,立席が数名出る程度の混雑振りである.韋駄天のTさん,韋駄天のSさん,三角髭のTさん,K大Nさん,Y川さん,ホッシーさん,K井さん,F田さんなどのご常連も乗っている.
この時期,渋沢の朝はとにかく寒い.毎朝の天気予報を見ていると,私が住んでいる鎌倉と比較すると,朝の最低気温は,渋沢の方が4℃程低い.そして,最高気温は鎌倉と大体何時も同じである.
こんなに暗くて寒い朝,よくもまあ,皆さん,性懲りもなく丹沢へ来られるなと,自分のことは棚に上げて,感心する.
気持ちの持ちようとは不思議なもので,こんな寒い時期にもかかわらず,今朝,私は,何の抵抗もなく,
「丹沢へ行くぞ!」
と言う気分になる.平素は,寝床の中で,
「行く,行かない,・・」
を数回繰り返してから,やっと行く気になるのに・・・どうやらその気になるコツは,2~3日前から,
「今度は○月○日,○曜日には絶対塔へ行くぞ・・」
と思い続けることだと,今頃になって気がつく.
6時58分,私たちを乗せたバスは,何時ものように大倉に到着する.
今日は休日.秦野警察署から沢山の人が,待合室の前にテーブルを並べて,登山届を出すように促している.かなりの人たちは,登山届を出さずにトイレの裏手から,ソソクサと山へ出掛けてしまう.気が弱くて意気地なしの私・・・というよりは戦時中育ちの私は,お上の命令には100%従ってしまう性(サガ)を持っているので,何の抵抗もなくテーブルの前に並ぶ(もっとも,平素から私は登山届は提出しているが・・・).
数名の係員が忙しそうに対応している.
係員から手渡された“ちびた鉛筆”は書きにくいが(何時もは自分のボールペンで書くが・・),鉛筆を回しながら所定のフォーマットに記入する.
「今日は塔ノ岳までですか・・・気をつけてて下さい.一昨日も一人死にましたので.塔ノ岳のトイレは紙持ち帰りです.紙入れにこの袋を持って行って下さい・・」
と言いながら,係員が小さなビニール袋を私に手渡す.
そんなこんなで,大倉からの歩き出しが,平素の時間よりさらに遅くなり7時12分になってしまう.もうすぐに2番バスが到着する時間である.気温は2.6℃.無風だが身が引き締まるような寒さである.
■Y川さんとK大Nさん
寒いので,どうしても歩き出しの速度が速くなりがちである.そこんところの調節を上手くやらないと,途中でバテるので,どうにも困ったものである.
歩き出してから20分ほどで,やっとY川編集長に追い付く.大きな手袋をはめたY川さんが,
「手先,冷たくないですか・・」
と私に話しかける.
「いえ,特に冷たくはないですが・・・」
「そうですか.心臓が強いんですね・・・」
私は,そんなものかなと改めて思う.平素,今日ぐらいの気温なら,手袋を使ったり使わなかったりで過ごしている.
「ところで,今度の掲示板は,いつ頃発行の予定ですか?」
「今のところ,2月1日を目指しています・・・お陰様で原稿は沢山集まるようになりました・・」
「編集も大変ですが,プリントアウトも大変でしょうね・・・何ならプリントアウトぐらいはお手伝いしますよ・・・」
「ところで,今日は山頂までですか,それとも堀山登山ですか?」
「今日は山頂まで行く予定です」
「では,一足先に行かせて貰い,山頂で待っています・・・」
あとは他愛のない雑談を暫く続けてから,先に行かせて貰う.
観音茶屋の手前で,私より5分ほど前に歩き出したK大Nさんの後ろ姿が見え出す.K大Nさんは軽快な足取りで歩いておられる.
「きょうは随分軽快ですね・・」
「そう,今日(の靴)はゴローではなく,軽登山靴なので楽ですよ.それに,寒いのでドンドン速くなっちゃいます・・・」
K大Nさんとも,暫くご一緒する.見晴山荘を過ぎて見晴坂に差し掛かったところで,先に行かせて貰う.
<朝日が当たる表尾根>
<見晴坂>
■青空に溶け込んでしまう富士山の写真
8時03分,一本松を通過して,堀山の尾根道に入る.
今日は素晴らしい快晴である.進行方向右手には朝日を浴びて山襞が明るく照らされた表尾根がとても綺麗に見えている.もちろん,デジカメを取り出して数枚の写真を撮る.
反対側には5合目辺りまで真っ白に雪化粧した富士山が紺碧をバックにクッキリと見えている.もちろん富士山の写真も沢山撮る.ところが,私の腕が悪いのかカメラが安物のためか,目で見ているほどクッキリとした富士山がどうしても撮れない.何回移しても青空と富士山のコントラストがハッキリ写らない.
こんなことをしている内に,何時の間にか,もうとっくに追い越したはずのK大Nさんに追い付かれてしまう.
平坦な堀山の尾根だけは,とりあえずK大Nさんより先に行かせて貰う.
小草平で,大きな杉の間に見えている富士山をナントカ綺麗に撮ろうと苦労する.先日,ジャイアンに教えて貰った方法をいくつか試している内に,なんとか1枚だけ,青空に溶け込まない富士山の撮影に成功する.万歳!
<堀山の尾根からの富士山>
<小草平からの富士山;やっと撮れたが何だか色がおかしい>
■萱場平
途中で写真を撮りながらモタモタと登り続ける.私としては決してそう遅い速度で登っているわけではないのに,戸沢分岐でまたもやK大Nさんに追い付かれてしまう.何時ものK大Nさんと,今日のK大Nさんは一寸違う.
「この頃,若返ったんですよ・・」
とK大Nさんが笑う.
萱場平で定点観測の写真を撮ってからは,K大Nさんの後に付いて登ることにする.
<萱場平;青空が綺麗>
■花立山からの富士山と南アルプス
後7分坂をキッチリ7分掛けて登る.そして,9時10分,花立山荘に到着する.大倉からの所要時間は,1時間58分.K大Nさんに引きずられて登っている内に,何時の間にか2時間を切る好タイムで歩いている.この頃の私は,花立山荘までどうしても2時間1~2分は掛かっていたので,これには少々驚く.
花立山荘前のベンチで,数名の登山客に混じって,韋駄天のSさんが休憩を取っている.もう,とっくに,山頂まで往復してきたような顔をされている.
「スミマセン,今日はこのまま(花立山荘を)通過します・・」
と挨拶して,K大Nさんの後を追う.
「ここから,花立山までがいやですね・・・」
と言いながら,K大Nさんは,かなりの速度で登り続ける.私も後を追う.
今日の花立山からの富士山と南アルプスの眺望は,空気が澄んでいるために殊更に綺麗である.もちろん,ここで何枚か写真を撮る.
そうこうしている内に,K大Nさんとの距離が70~80メートルほど空いてしまう.どうせなら,二人で一緒に山頂にゴールしたいので,馬の背の平坦道をヤケになって急ぐ.そして,9時28分,金冷シで漸くK大Nさんに追い付く.
<花立山荘からの富士山(下山時撮影)>
<鍋割山稜の向こうに富士山と南アルプスが見える>
■韋駄天のTさんとマコさん
金冷シから最初の階段を登り切る手前で,下山してくる韋駄天のTさんとすれ違う.
「今日のK大Nさんは素晴らしく速いので,追い越されてしまいました・・」
とTさんに報告する.
「きょうは良い写真が沢山撮れたでしょう・・」
とTさんが言う.
最初の階段を登り切ったところで,下ってくるマコさんとすれ違う.
「おや,またお会いしましたね・・・」
実は,先日,1月4日に登ったときも,マコさんとすれ違っている.
マコさんと一言,二言話している内に,またもやK大Nさんとの距離が20~30メートル空いてしまう.私はK大Nさんの後を付けることを諦めてしまう.
<韋駄天のTさんが下る>
<まこさんが下る>
■塔ノ岳山頂
K大Nさんより,20メートルほど遅れて,9時43分に塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間31分.途中で沢山の写真を撮った割には,まあ,まあの速度である.もちろん,汗が流れないように自制しながらの記録である.
山頂の気温はマイナス4℃.
少し雲が湧いているが,相変わらず富士山と南アルプスが良く見えている.もちろん,塔ノ岳山頂から360度一回りの写真を儀式として撮りまくる.
山頂でご常連の“お名前忘れた女史”が休憩を取っている.
「今日は気温は低いけれども,随分暖かく感じますね・・」
と“お名前忘れた女史”が言う.これを切っ掛けにして暫く雑談をする.
<塔ノ岳山頂からの富士山と南アルプス>
■尊仏山荘
尊仏山荘に入る.小屋番はオーナーのHさん他.ご常連が数名.先に山荘に入ったK大Nさんは,すでに定番メニューを注文済みである.私は例によって300円也とお茶を所望する.
ご常連のK井さんとF田女史は,指定席のように何時もの場所に座っている.ネコはどこかでサボっているらしくて,営業に出てこない.今年になってから,まだ,ネコに会っていないので,少々気になるが,小屋番がHさんではネコを呼んで貰うわけにもいかない.
しばらく雑談をしていると,どこか別ルートを辿ったというU村さんが山荘に到着する.それにしては随分と早いご到着である.たまたま持参していた大杉山,霞沢岳,有明山,笊ヶ岳などの資料をU村お渡しする.三角髭のTさんは,U村さんとご一緒だったが,山荘に立ち寄らずに先に下山したとのこと.
雑談をしていると,何時の間にか,ご常連最長老のS藤さんがご到着.座が一層盛り上がる.
山荘から外に出る.
大きなシカが,ピーピー鳴きながら,山荘の裏手に向かって歩いている.
<大きなシカ>
■堀山の家でコーヒーブレーク
10時28分,下山を開始する.下りもK大Nさんとご一緒する.途中,登ってくる何人かの顔見知りと雑談をしているうちに,K大Nさんとの間がすぐに広がってしまう.
何時もなら,そろそろY川さんすれ違う場所に到着する.
「あれ・・・Y川さん.未だ登ってこないな.途中で下山したのかな・・」
と心配しかけると,タイミング良くY川さんの姿が見えてくる.Y川さんも頑張っているな.
K大Nさんは,後7分坂を私以上に慎重に下られるので,やっと追い付く.その後,萱場平までご一緒するが,萱場平で衣服調整のために一休みされるK大Nさんとお別れして,先に下山させていただく.このまま下山すれば,12時40分のバスに間に合うからである.
11時33分,堀山の家を通過しようとする.
すると,小屋の中から,なっちゃんが,
「FHさん,お帰りなさい・・」
と私に挨拶する.
何となく通過しにくくなり,堀山の家で途中下車.300円也のコーヒーを所望する.先客は中年夫婦1組.先ほど,私たち2人を追い越していった方々である.
暫くすると,K大Nさんが,堀山の家の前を通過していくのが見える.
<堀山の家のコーヒー;何時もお菓子が付いている.お値打ち>
■いつもの時間に帰宅
11時49分,堀山の家を出る.玄関前で,なっちゃんがご夫婦と私の写真を撮る.いずれ堀山の家のホームページに掲載されるんだろう.まあ,いいか・・・
これからでは,大倉発13時10分のバスになるんだから,急ぐことはないなと思う.そこで,ノンビリと柔らかい日射しを浴びながら山歩きを楽しむ.
12時54分,今日も無事に大倉に下山する.下りの所要時間は,堀山の家の休憩を入れて2時間26分.
渋沢13時37分発小田原行き電車に乗車する.車窓から入ってくる日光を浴びながら暫くの間居眠り.その心地がよいこと.自分の鼾で何回も目が覚める.
何時も通りに小田原で14時04分発特別快速高崎行の電車に乗り換えて,14時56分に帰宅する.
何時ものことながら,塔ノ岳を往復した日の私は,とても上機嫌なのである.
<ラップタイム>
7:12 大倉歩き出し
7:32 観音茶屋
7:48 見晴茶屋
8:18 駒止茶屋
8:34 堀山の家
9:10 花立山荘
9:28 金冷シ
9:43 塔ノ岳山頂着
10:28 〃 発
10:41 金冷シ
10:55 花立山荘
11:33 堀山の家(11:49までコーヒーブレーク)
12:04 駒止茶屋
12:22 見晴茶屋
12:34 観音茶屋
12:54 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間(雑談時間を含む)
大倉 発 7:12
塔ノ岳 着 9:43
(所要時間) 2時間31分(2.52h)
水平歩行速度 7.0km/2.52h=2.78km/h
登攀速度 1269m/2.52h=503.6m/h
■下降所要時間(雑談時間を含む)
塔ノ岳 発 10:28
大倉 着 12:54
(所要時間) 2時間26分(2.43h)
水平歩行速度 7.0km/2.43h=2.88km/h
下降速度 1269m/2.43h=522.2m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/90a1eec6db2ca3d69e2b64fa0e5e1fc2
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e8c654ab6c05dbdbc724515691648b05
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