中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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行楽客で大賑わいの丹沢:塔ノ岳(今年31回目)

2010年10月24日 23時06分32秒 | 丹沢の山旅

                                      <塔ノ岳山頂からの富士山・南アルプス>

              行楽客で大賑わいの丹沢:塔ノ岳(今年31回目)
                           (単独山行)
                     2010年10月23日(土)

■もの凄い人出
 この所,浅間山や甲州道中歩きなどで多忙だった.そのため,暫くの間,塔ノ岳はご無沙汰していた.前回塔ノ岳に登ったのは10月11日.従って,今日は12日ぶりの塔ノ岳である.さすがの猛暑も,さすがに10月中旬ともなると,すっかり秋めいて,朝晩はかなり冷え込むようになった.
 何時ものように,5時10分,真っ暗な中,家を出発する.渋沢発大倉行の1番バスは,行楽シーズンとあって,多数の乗り残しがでるほど混雑している.その中にご常連の顔もチラホラと見える.韋駄天のTさん,三角髭のTさん,K大Nさん他,名前は分からないが顔見知りの方々が数名乗車している.
 バスが大倉に到着すると,ご常連の皆さんは塔ノ岳を目指して,ソソクサと歩き出す.例によって,モタモタしている私は,結局,15分後に到着する2番バスの方々と大差ない7時08分に大倉から歩き出す.
 山道に入ると,昨日までの雨のためか,路面は少し濡れていて,滑りやすくなっている.私の前方には,多数の登山客が数珠つなぎになっている.

■ひたすらマイペースで
 足許に敷かれている小石や礫がベットリと濡れていて滑りやすいが,気温が低いので歩きやすい.ついつい,歩行速度が速くなりそうになる.そこを押さえながら,心の中で“マイペース,マイペース,・・”を繰り返す.
 今日は,気温と自分の体調を勘案して,塔ノ岳山頂までの所要時間を2時間35分前後に設定する.この所要時間は,常連にとっては,決して速いとは言えないが,まあ,それでもたまにしか登山をしない方々に比較すれば速い方になるだろう.足場が良くて道幅が広くなったところで,写真に写っている前方の登山客の大半を追い越させて貰う.一方では若い登山客や駆け足で登っていく多くの方々に追い越される.
 7時22分,丹沢ベースを通過する.暫く進むと,私より5分ほど先に出発したK大Nさんに追いつく.暫く雑談しながら一緒に歩くが,途中から先に行かせて貰う.
 7時43分,見晴茶屋を通過する.ここでカメラマンのMさんを追い越させていただく.

■男性の自慢話
 見晴茶屋から先の急坂も何となく登りきる.階段が二手に分かれ,またその先で一緒になるところで,60歳代の男性に追いつく.男性が私に話しかけてくる.
 「いや~ぁ・・(この坂は)なかなか大変ですね.大倉尾根の標準時間は3時間だったですかね・・」
 「多分,最近の資料では3時間半になっていると思います・・」
 するとこの男性が自慢話を始める.
 「私は若い頃,2時間半で登ったことがありますよ・・」
 私は,特別に速くはないなと思いながらも,
 「そうですか・・凄いですね!」
と相槌を打つ.
 「私の靴は,爪先に鉄板が入っている安全靴ですよ」
と自慢する.私は意表を突く話だったので,びっくりする.
 「安全靴って・・工場の現場で履いている安全靴ですか」
 「そうですよ・・・」
 私は,この男性と会話を続ける気にならなくなった.工場の安全靴で登山など考えられない.この手の老人は一番苦手.では,暫くお先にと挨拶をして,先を急ぐ.
 路傍に美しい花が咲き乱れている.
 

■堀山からの富士山
 8時12分,駒止茶屋を通過する.気温12.5℃.歩きやすい気温である.大倉を歩き出してから,1時間04分.1時間は切れなかったが,体調が本格的に回復していない今の私の実力では,まあ,こんな所だろう.小屋上のベンチでは,先ほど私をハアハア言いながら追い越していった若者数名がひっくり返るようにして休憩を取っている.
 彼らの若さが,とても羨ましい.あんな無茶をしても,ほんの少し休憩を取ればすぐに元気になれるのだから,羨ましいよ・・全く.
 堀山の尾根に出る.富士山が見事に見えている.ここで,暫くの間,立ち止まって,富士山の写真を撮る.
 8時31分,堀山の家を通過する.小草平のベンチでは数名の若者が休憩を取っている.

 
■萱場平
 8時50分,萱場平を通過する.同じバスに乗っていた韋駄天組は,とっくにここを通過している.一方,同じバスに乗り合わせた大半の登山客は,まだ,ここまで到着していない.辺りには人気がなくて静まり返っている.
 ここで定点観測の写真を撮る.


■あれ,誰だったっけ?
 「あと7分坂」を予定通り7分で登り,9時10分に花立山荘に到着する.大倉を歩き出してから,ここまで2時間02分.2時間が切れないのは,まだ私の体調が本調子でないことを意味している.
 山荘前のベンチは,休憩を取る登山客で一杯である.
 花立山荘をそのまま通過する.調子は悪くはない.むしろ軽快である.花立場の少し手前で,見覚えにある男性が下山してくる.誰かなと思っていると,この男性が,
 「FHさんでしょう? 相変わらずお元気ですね.ブログ読んでいますよ」
と言う.私は,心の中で,
 「はて,誰だったかな.確かに最近お目に掛かっているが・・」
と曖昧な顔をしていると,
 「私,ローギャーの弟,N村です」
という.途端に私もN村さんのことを思い出す.
 ここでN村さんと,すこし立ち話をしてから,再び歩き出す.
 花立場からは富士山,南アルプスの山々がとても良く見えている.

■山頂付近は少し紅葉
 金冷シ近くで,下山してくる韋駄天のTさん,三角髭のTさんと次々にすれ違う.お二人とも,全く驚異的なスピードである.
 9時18分,金冷シを通過する.気温は11.7℃.立ち止まると少し寒い.登山道周辺の闊葉樹は,そろそろ紅葉し始めている.後,1週間もすれば,もう少し紅葉が進むだろう.今から紅葉が待ち遠しい.
 もう,此所まで来れば,山頂まであと僅か.私は周辺の写真を撮りながら,気楽に登り続ける.


■素晴らしい眺望の塔ノ岳山頂
 9時37分,塔ノ岳山頂に到着する.山頂には既にかなり登山客が休憩を取っている.山頂の気温は8.2℃.かなり寒くなっている.
 少し雲が沸いてきたが,相変わらず富士山,南アルプス,丹沢の山々が良く見えている.例によって山頂からのパノラマ写真を一回り写してから,尊仏山荘に向かう.


■尊仏山荘で雑談
 今日の小屋番はオーナーのHさんとXさんの2人体制.先客はご常連らしい女性1人と男性1人.例によって300円也のお茶を所望する.私はネコのことが気になるが,Hさんにネコのことを伺うのは,ちょっと憚られる.そこでネコを可愛がっているOさんのことを,Hさんに尋ねる.
 「(小屋番の)Oさん,その後,如何ですか?」
 「う~ん・・まあ元気ですよ・・」
 そして,Hさんは,別棟のネコ御殿に目線を向けながら,
 「あいつ(注:ネコのこと)も,普段,可愛がって貰っているんだから,Oさんのとこりへお見舞いに行けば良いんだよ・・」
という.
 Hさんの目線の先を見ると,例によってミー君が気持ち良さそうに日向ぼっこをしている.私は,お茶を飲みかけのまま,
 「・・・一寸,あいつ(注:ネコのこと)の写真を撮ってきますよ・・」
と断ってから,デジカメをぶら下げて,山荘の外に出る.
 「オーィ・・こら,こっちを向きなさい・・」
とネコに声を掛ける.ネコは私の呼びかけを無視.
 その内に,呼びかけに応じたのか偶然か分からないが,寝ぼけ眼をこちらに向ける.
 山荘に戻って,お茶を飲み直す.そうこうしている内に,先ほど丹沢ベースを過ぎた頃追い越したK大Nさんが山荘に到着する.予想より随分と早い.
 「おや,今日は随分と早いですね・・」
 「そう・・今日は涼しくて,とても登りやすかったです.3時間を大分切りましたよ.この所,ずっと3時間を切っていますよ・・」
 そうこうしている内に.カメラマンのMさんが到着する.先に山荘に到着したK大Nさんや私を見ながら.
 「70才を越えると段々速くなりますね・・」
と茶々を入れる.“なんのことかな”と最初は分からなかったが,私,K大N氏,カメラマン氏の順番に山頂に達したが,達した順序が年齢順で,しかも先着2名が70才以上だということらしい.
 「今日はゴローの靴で登ってきましたよ・・・この靴重いです.軽い靴を履くと時間が大分違いますよ」
とK大N氏が言う.
 「大倉尾根を登るのにゴローの靴は勿体ないですね」
と私は思わず本音を言う.するとカメラマン氏が,すかさず,
 「でも,履かずに飾っておいても仕方がないでしょう」
と言う.なるほど!
 

■顔見知りと次々に会いながら下山
 10時06分,尊仏山荘を出る.山頂から辺りの風景を見回してから,下山を開始する.山頂のたむろす登山客が一層増えている.今日は所要時間2時間20分程度を想定して下山しようと思う.
 下り始めて間もなく,登ってくるローギャー氏とすれ違う.
 「こんにちは,弟さんと会いましたよ・・」
 次から次へと登山者が数珠つなぎで登ってくる.登山道が狭まっているところでは,すれ違いが結構面倒である.途中,数人の顔見知りとすれ違う.
 そろそろ,この辺りでジャイアンとすれ違わないかなと期待したが,今日は登ってこないようである.
 10時34分,花立山荘を通過する.登山道を良く見ながら下ると,小さな花が沢山咲いている.例によって,花のことは全く分からない私には,ただ花が綺麗だと言うしかない.何時かはジャイアンさんに手ほどきを受けて,最小限の花の名前ぐらいは覚えても良いなと思うが,どうも覚えられない.
 階段は,登ってくる登山者で長い行列になっている.その中にチャンピョンが居る.
 「こんにちは,ご苦労様です・・」
と声を掛ける.
 「おや,暫く振りですね・・」
とチャンピョンが返事をする.行列が続いているので雑談もできないまますれ違う.
 岩稜地帯に入る.下から登ってきた女性から,
 「あら,FHさん・・こんにちは」
と挨拶される.またもや,
 「はて?・・誰だっけ?」
 私は,自分の記憶力のなさに情けなくなる.
 「私,○○○クラブのハンドルネーム,山羊子(注:これは仮名)です・・」
 「ああ,山羊子さんですか」
 私はすぐに山羊子さんを思い出す.私の記事に良くコメントをしてくれる山旅スクールの方である.一度,どこか一緒に歩いたことがあるが,どこだったか思い出せない.鎌倉だったかな?


■最後は猛ダッシュ
 途中で花の写真を撮ったり,顔見知りと雑談したりしているところで,下ってくるローギャー氏に追い越される.
 11時34分,堀山を通過する.ここから大倉までに標準所要時間は55分.このとき,今日は休日.大倉発のバスは12時52分ではなく,12時40分だと気がつく.
 「これはいかん.40分のバスは無理だな・・」
 一本松を通り過ぎて紅葉坂を下っていると,山麓から12時を伝えるチャイムが聞こえてくる.12時11分,見晴茶屋を通過する. 
 「ひょっとしたら,12時40分のバスに間に合うかも知れないぞ・・」
特段,急いで帰る必要もないが,下山速度を上げる.
 12時23分,観音茶屋を通過する.12時36分,登山口.バスの発車まで後4分.走るわけではないが,急ぎに急ぐ.そして,12時39分36秒,バスのエンジンが掛かると同時に飛び乗る.入口近くに座っていたローギャー氏が,慌てる私の姿を見て,“にやり”と笑う.
 「ユックリし過ぎちゃいました・・」
と照れ笑いしながら,ローギャー氏の後ろの席に座る.



<ラップタイム>

 7:08  大倉発(24.2℃)
 7:28  観音茶屋
 7:45  見晴茶屋(12.5℃)
 8:12  駒止茶屋(11.2℃)
 8:31  堀山の家(9.3℃)
 9:10  花立山荘(12.6℃)
 9:23  金冷シ(11.7℃)
 9:37  塔ノ岳山頂 着(8.2℃)
===============================================
10:06  塔ノ岳山頂 発
10:34  花立山荘
11:25  堀山の家
11:43  駒止茶屋
12:11  見晴茶屋
12:23  観音茶屋
12:39  大倉 着

[山行記録]

■水平距離 
      7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉  発       7:08
   塔ノ岳 着       9:37
 (所要時間)  2時間29分(2.48h)
 登攀速度   1269m/2.48h=511.7m/h

■下降所要時間
  塔ノ岳 発      10:06
  大倉  着      12:39
 (所要時間)  2時間23分(2.38h)
 下降速度   1269m/2.38h=533.2m/h
                          (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/91f7b4b7965a6b8d619021c1092bbaa7
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6eabeb2b47d2ec1079d47bb574751660 



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2 コメント

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コメント有り難うございました (FH)
2010-10-25 11:57:17
若葉マークさま

私が戸沢分岐を通過したのは,11時05分でした.

下山のときは転倒するのが怖いので,ユックリと下山しています.そのために,沢山の方々に追い越されるので,あの辺りでどなたに追い越されたか覚えておりません.

次回もしお会いしましたら,是非,声を掛けて下さい.

これからも当ブログをお尋ね下さい.
よろしくお願いいたします.
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もしやっ! (若葉マーク)
2010-10-25 11:00:54
同じ日に大倉行きの一番バスに乗ってました。私たちは今回は戸沢から政次郎尾根経由で塔ノ岳に登ったのですが、帰りは花立山荘を過ぎてから戸沢への天神尾根で下山しました。
実はちょうどその戸沢への分岐点でF.Hさんらしき方に追いついたのです。
この時間だともしかして??お顔も似ているかも??と思ったのですが確証がなくて(お顔もはっきり覚えてなくて)、お声もかけることなく下山しました。
戸沢への分岐を通過したのは11時頃だったのでもしかしてもしかするとです(笑)
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