<山頂付近の樹氷>
雪・霧氷・富士山を楽しむ丹沢:塔ノ岳(今年9回目)
(単独山行)
2011年2月13日(日).晴.
■春が忍び寄ってくる
春の使者のような低気圧が本州南海上を東に進んでいる.
そのため,丹沢山行を楽しみにしていた昨日,土曜日の朝,私の住んでいる鎌倉では冷たい雨が降っていた.丹沢へ行けば,雨ではなく雪が降っていることは分かっていた.でも,さすがの私も,早朝,雨の中を出掛ける気にはならなかった.
そして今日,天気予報では日中は上々の行楽日和になりそうである.そこで私はイソイソと家を出た.昨夜から今朝に掛けて,気温が大分下がったらしくて,自宅からモノレールの最寄りの駅までの坂道が凍てついていて,とても滑りやすくなっている.こんなところで怪我はしたくない.私は駅まで下り坂を随分と慎重に歩いた.
2月の中旬ともなると,日の出も随分と早くなっている.東海道本線の電車が小田原駅に到着する頃には,辺りがだんだんと明るくなってくる.
渋沢発大倉行のバスは,私と同じようにもともと土曜日に登山するつもりの人たちが日曜日に廻ったこともあって,ついに乗り残しがでるほどの大混雑である.その中にご常連の顔も随分と沢山揃っている.韋駄天のTさん,Sさん,ウッズさん,K女史他の顔が見える.
バス停大倉付近は,鎌倉に比較すると朝の最低気温が,日によって5~6℃も低いことがある.天気予報によると,今日の大倉の最適気温はマイナス4℃.バスが大倉に到着したときも実に寒々としている.
大倉バス停から登山口までの舗装道路は,残雪こそないが,雨が降っていたらしくて,路面が完全に凍結している.滑りやすい道を注意しながら登り続ける.
昨夜も降雪があったらしくて,登山口を過ぎると,新雪で覆われた雪道になる.そのため,路面の状態は最悪.状態が良ければ,大倉から登山口まで,およそ4分で登れるのに,今日は6分も掛かってしまう.次いで,登山口から克董窯までも通常4分の所が6分も掛かる.
前方には沢山の登山客が歩いている.ユックリ歩いている私よりさらにユックリ歩いているので,申し訳ないが,追い越させていただく.
頭上を覆う杉の枝に降り積もった残雪が,キラキラと輝きながら,絶えずパラパラと落ちてくる.時々,首筋にも入り込む.冷たいのなんのって・・・でも,これぞ雪山だぞという興奮も覚える.
<朝日新聞(2011/212,13)から引用>
※本州南岸を低気圧が発達しながら通過した.
■駒止茶屋
私は,路面が少々滑りやすいなとは思いながらも,ノーアイゼンで登り続ける.そして見晴茶屋を通過して,最初の急坂を登り切ったところで,ノーアイゼンでは随分と疲労してしまうような気がしてくる,そして,ついに4本爪アイゼンを装着する.すると,ノーアイゼンの時よりも大分楽に歩けるようになる.
駒止茶屋手前の急坂に差し掛かる.アイゼンを装着しているので滑る心配はないが,アイゼンの歯か小石に当たって,ガリガリと音を立てる.歩きにくいので,一層ユックリ丁寧に歩き続ける.
歩き出して1時間14分,ようやく駒止茶屋に到着する.いつもより10分ほど余計に掛かっている.
「今日は,まあ,(塔ノ岳山頂まで)3時間というところだな・・」
私は自分に,雪の日は特にユックリ安全に登るんだぞと言い聞かせる.
駒止茶屋を過ぎると雪の量がさらに増える.
■見事な富士山
雪に覆われた堀山の尾根を進む.途中から富士山が見え出す.快晴の青空に雪を被った富士山がクッキリと見えている.手前の山々にも残雪があって,凛とした雰囲気が伝わってくる.
私は富士山の見える場所に立ち止まって,気が済むまで沢山の写真を撮りまくる.後から来た登山者が,私の脇に立って,
「素晴らしい景色ですね・・」
と言いながらリュックを降ろしてカメラを出す.
■萱場平
堀山の尾根の下り坂に差し掛かる.何時もなら,かなりスピードを上げて歩くところだが,今日は雪が降り積もっているので,慎重に歩き続ける.そして,8時47分に漸く堀山の家に到着する.何時もならば萱場平に到着している時間である.
急坂の露岩帯を登り続ける.途中で数名の方を追い抜くが,逆に数名の方に追い越される.
9時08分に萱場平に到着する.木道が埋まりそうになるほどの積雪である.
■花立山荘
アイゼンをガリガリ言わせながら,ノソノソと露岩帯を登り続ける.立て続けに数名の登山者に追い抜かれる.
突然,頭上で人の気配がする.尊仏山荘のOさんである.
「やあ,こんにちは・・」
と挨拶して,二言三言雑談をする.尊仏山荘にOさんが居なければ,ネコにも会えない.それに,今日は大分時間も押しているので,尊仏山荘には立ち寄らずに下山してしまおうかと思い始める.
後7分坂を10分も掛けて登る.坂の途中で,韋駄天のSさん等と擦れ違う.Sさんは,私に,
「さすが外国の山へ登っておられるので用心が良いですね.ちゃんとアイゼンを付けているんですね・・」
と妙な褒め方をする.立ち止まって,1~2分雑談.
9時36分,漸く花立山荘に到着する.何時もなら,もうとっくに尊仏山荘に入っている時間である.花立山荘前のベンチには,色とりどりの服装をした登山客が休憩を取っている.その向こうに,相変わらず素晴らしい富士山が見えている.
■花立山から馬の背へ
10分掛けて花立山山頂を通過する.足の速いご常連2人が,軽やかな足取りで,下山してくる.
「やあ,やあ,・・・どうも,お先に・・」
と私に挨拶して,軽快に下っていく.
花立山山頂の木道は,深い雪に埋まっている.木道を踏み外さないように慎重に歩く.相変わらず富士山や南アルプスが良く見えている.近場の丹沢の山々にもタップリの雪が積もっているので,実に見事な風景である.
遅れ序でに,ここでも気が済むまで沢山の写真を撮る.
花立山から馬ノ背までの稜線には,さらに沢山の雪が積もっている.金冷シ手前の2カ所の下り坂は,短いけれども,残雪が凍り付くと手強いところである.でも,今日は新雪が降り積もっているので,随分と歩きやすい.
■素晴らしい樹氷
9時54分,漸く金冷シを通過する.積雪はますます増える.膝ほどもあるだろうか.前の人の踏み後を辿りながら,一歩一歩進む.階段道はほぼ雪で埋まっている.
金冷シを過ぎて最初の長い階段を登っていると,上から韋駄天のTさんが降りてくる.
「・・今日の山頂の気温はマイナス5℃でしたよ・・」
何だか何時もより随分と草臥れた感じがするので,さらに歩く速度を遅くする.
山頂直下の階段を登り切ると,木製の階段道になる.その手前で,ちょっと脇へ入って,谷間を覗き込む.すると眼下に素晴らしい樹氷林が広がる.この風景を見るだけで,今日苦労して登ってきた甲斐がある.
わたしは,またもや,ここで道草をして,樹氷の写真を撮りまくる.
■塔ノ岳山頂
再び階段道を登り始める.すると,顔見知りの女性が降りてくる.
「あれ・・随分ユックリですね.1番バスでしたか・・?」
と私に話しかけてくる.
彼女は土曜日のご常連である.私は,あれこれと遅くなった言い訳をする.でも,言い訳をしながら,結局は体力がないから遅くなったんだと,心の中で冷静に分析する.彼女から,たった今の山頂の気温がマイナス4℃だったことを教えて貰う.
10時11分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.何時もなら,尊仏山荘でお茶を飲んでから,下山する時間である.私は,山荘には立ち寄らずに,そのまま下山することに決める.
それにしても,今日は登りに2時間58分を要した.勿論,今年の最低記録である.
山頂は一面の雪景色.つい3日前に登ったときには,ほとんど雪はなかったのに・・・
山頂では沢山の登山客が屯している.気温はそれほど高くはないが,風がないので,そんなに寒くは感じない.私も写真を撮り終えた後,山頂の片隅で10分ほど休憩を取ってから,下山を開始する.
■下山開始
山頂直下の急坂を慎重に下る.階段がすっかり雪に覆われているので,階段を踏み外しそうになる.下りには“転ばぬ先の杖”ではないが,ストックを使っている.
下り始めて間もなく,ご常連のHさんとすれ違う.
「やあ,暫く振りですね・・」
「この頃,金曜日に登ることが多いんです.FHさんのブログを見ると,FHさんが登った次の日に登ることが多いですよ・・・」
という.暫く立ち話をする.
花立山荘付近で,重い荷物を背負ったチャンピョンとすれ違う.
私は,年のせいかバランスが悪くなっているような気がする.転倒しては大変なので,慎重に下り続ける.途中で何人もの方々に追い越される.
11時20分,萱場平を通過する.そのときベンチから,
「FHさん・・随分速く降りてきましたね」
と声がする.先ほどのご常連の女性である.
彼女は,萱場平で昼食を摂ってから下山するという.そういえば,私も尊仏山荘に立ち寄らなかったので,昼食を食べていない.このことに気がついた途端に,空腹が気になり始める.
朝方の冷え込みに比較すると,日が差し始めてから,ぐんぐんと気温が上がっているようである.日の当たる場所は,雪が溶けてドロドロになりはじめている.アイゼンは付けたり外したりするのが面倒だし,もともと4本爪アイゼンなので,装着したまま歩いても,それほど邪魔でもない.結局,見晴山荘まではアイゼンを付けたまま下山する.
12時57分,漸くバス停大倉に到着する.
15時少し前に帰宅する.長男一家が訪れている.可愛い孫娘も一緒である.眠くなるのを我慢して,“おじいちゃん・・”と甘えてくる孫娘一家と一緒に,すき焼きウドンを楽しむ.その内に,一族郎党揃って,どこか温泉に行こうかという話も出て来る.
久々の冬山で疲れて眠たいけれども,愉しい一時である.
<ラップタイム>
7:13 大倉歩き出し
7:35 観音茶屋
7:52 見晴茶屋
8:27 駒止茶屋
8:47 堀山の家
9:36 花立山荘
9:54 金冷シ
10:12 塔ノ岳山頂 着(-4.0℃)
===================================
10:22 塔ノ岳山頂 発
10:40 金冷シ
10:59 花立山荘
11:37 堀山の家
11:56 駒止茶屋
12:21 見晴茶屋
12:38 観音茶屋
12:57 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間
大倉 発 7:13
塔ノ岳 着 10:12
(所要時間) 2時間59分(2.98h)
登攀速度 1269m/2.98h=425.8m/h
■下降所要時間
塔ノ岳 発 10:22
大倉 着 12:57
(所要時間) 2時間35分(2.58h)
下降速度 1269m/2.58h=491.8m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0d9beb31ed433b3f1577b2eff108e154
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/7ebc3bfb0b1aaa07968f7bb46764745f
雪・霧氷・富士山を楽しむ丹沢:塔ノ岳(今年9回目)
(単独山行)
2011年2月13日(日).晴.
■春が忍び寄ってくる
春の使者のような低気圧が本州南海上を東に進んでいる.
そのため,丹沢山行を楽しみにしていた昨日,土曜日の朝,私の住んでいる鎌倉では冷たい雨が降っていた.丹沢へ行けば,雨ではなく雪が降っていることは分かっていた.でも,さすがの私も,早朝,雨の中を出掛ける気にはならなかった.
そして今日,天気予報では日中は上々の行楽日和になりそうである.そこで私はイソイソと家を出た.昨夜から今朝に掛けて,気温が大分下がったらしくて,自宅からモノレールの最寄りの駅までの坂道が凍てついていて,とても滑りやすくなっている.こんなところで怪我はしたくない.私は駅まで下り坂を随分と慎重に歩いた.
2月の中旬ともなると,日の出も随分と早くなっている.東海道本線の電車が小田原駅に到着する頃には,辺りがだんだんと明るくなってくる.
渋沢発大倉行のバスは,私と同じようにもともと土曜日に登山するつもりの人たちが日曜日に廻ったこともあって,ついに乗り残しがでるほどの大混雑である.その中にご常連の顔も随分と沢山揃っている.韋駄天のTさん,Sさん,ウッズさん,K女史他の顔が見える.
バス停大倉付近は,鎌倉に比較すると朝の最低気温が,日によって5~6℃も低いことがある.天気予報によると,今日の大倉の最適気温はマイナス4℃.バスが大倉に到着したときも実に寒々としている.
大倉バス停から登山口までの舗装道路は,残雪こそないが,雨が降っていたらしくて,路面が完全に凍結している.滑りやすい道を注意しながら登り続ける.
昨夜も降雪があったらしくて,登山口を過ぎると,新雪で覆われた雪道になる.そのため,路面の状態は最悪.状態が良ければ,大倉から登山口まで,およそ4分で登れるのに,今日は6分も掛かってしまう.次いで,登山口から克董窯までも通常4分の所が6分も掛かる.
前方には沢山の登山客が歩いている.ユックリ歩いている私よりさらにユックリ歩いているので,申し訳ないが,追い越させていただく.
頭上を覆う杉の枝に降り積もった残雪が,キラキラと輝きながら,絶えずパラパラと落ちてくる.時々,首筋にも入り込む.冷たいのなんのって・・・でも,これぞ雪山だぞという興奮も覚える.
<朝日新聞(2011/212,13)から引用>
※本州南岸を低気圧が発達しながら通過した.
■駒止茶屋
私は,路面が少々滑りやすいなとは思いながらも,ノーアイゼンで登り続ける.そして見晴茶屋を通過して,最初の急坂を登り切ったところで,ノーアイゼンでは随分と疲労してしまうような気がしてくる,そして,ついに4本爪アイゼンを装着する.すると,ノーアイゼンの時よりも大分楽に歩けるようになる.
駒止茶屋手前の急坂に差し掛かる.アイゼンを装着しているので滑る心配はないが,アイゼンの歯か小石に当たって,ガリガリと音を立てる.歩きにくいので,一層ユックリ丁寧に歩き続ける.
歩き出して1時間14分,ようやく駒止茶屋に到着する.いつもより10分ほど余計に掛かっている.
「今日は,まあ,(塔ノ岳山頂まで)3時間というところだな・・」
私は自分に,雪の日は特にユックリ安全に登るんだぞと言い聞かせる.
駒止茶屋を過ぎると雪の量がさらに増える.
■見事な富士山
雪に覆われた堀山の尾根を進む.途中から富士山が見え出す.快晴の青空に雪を被った富士山がクッキリと見えている.手前の山々にも残雪があって,凛とした雰囲気が伝わってくる.
私は富士山の見える場所に立ち止まって,気が済むまで沢山の写真を撮りまくる.後から来た登山者が,私の脇に立って,
「素晴らしい景色ですね・・」
と言いながらリュックを降ろしてカメラを出す.
■萱場平
堀山の尾根の下り坂に差し掛かる.何時もなら,かなりスピードを上げて歩くところだが,今日は雪が降り積もっているので,慎重に歩き続ける.そして,8時47分に漸く堀山の家に到着する.何時もならば萱場平に到着している時間である.
急坂の露岩帯を登り続ける.途中で数名の方を追い抜くが,逆に数名の方に追い越される.
9時08分に萱場平に到着する.木道が埋まりそうになるほどの積雪である.
■花立山荘
アイゼンをガリガリ言わせながら,ノソノソと露岩帯を登り続ける.立て続けに数名の登山者に追い抜かれる.
突然,頭上で人の気配がする.尊仏山荘のOさんである.
「やあ,こんにちは・・」
と挨拶して,二言三言雑談をする.尊仏山荘にOさんが居なければ,ネコにも会えない.それに,今日は大分時間も押しているので,尊仏山荘には立ち寄らずに下山してしまおうかと思い始める.
後7分坂を10分も掛けて登る.坂の途中で,韋駄天のSさん等と擦れ違う.Sさんは,私に,
「さすが外国の山へ登っておられるので用心が良いですね.ちゃんとアイゼンを付けているんですね・・」
と妙な褒め方をする.立ち止まって,1~2分雑談.
9時36分,漸く花立山荘に到着する.何時もなら,もうとっくに尊仏山荘に入っている時間である.花立山荘前のベンチには,色とりどりの服装をした登山客が休憩を取っている.その向こうに,相変わらず素晴らしい富士山が見えている.
■花立山から馬の背へ
10分掛けて花立山山頂を通過する.足の速いご常連2人が,軽やかな足取りで,下山してくる.
「やあ,やあ,・・・どうも,お先に・・」
と私に挨拶して,軽快に下っていく.
花立山山頂の木道は,深い雪に埋まっている.木道を踏み外さないように慎重に歩く.相変わらず富士山や南アルプスが良く見えている.近場の丹沢の山々にもタップリの雪が積もっているので,実に見事な風景である.
遅れ序でに,ここでも気が済むまで沢山の写真を撮る.
花立山から馬ノ背までの稜線には,さらに沢山の雪が積もっている.金冷シ手前の2カ所の下り坂は,短いけれども,残雪が凍り付くと手強いところである.でも,今日は新雪が降り積もっているので,随分と歩きやすい.
■素晴らしい樹氷
9時54分,漸く金冷シを通過する.積雪はますます増える.膝ほどもあるだろうか.前の人の踏み後を辿りながら,一歩一歩進む.階段道はほぼ雪で埋まっている.
金冷シを過ぎて最初の長い階段を登っていると,上から韋駄天のTさんが降りてくる.
「・・今日の山頂の気温はマイナス5℃でしたよ・・」
何だか何時もより随分と草臥れた感じがするので,さらに歩く速度を遅くする.
山頂直下の階段を登り切ると,木製の階段道になる.その手前で,ちょっと脇へ入って,谷間を覗き込む.すると眼下に素晴らしい樹氷林が広がる.この風景を見るだけで,今日苦労して登ってきた甲斐がある.
わたしは,またもや,ここで道草をして,樹氷の写真を撮りまくる.
■塔ノ岳山頂
再び階段道を登り始める.すると,顔見知りの女性が降りてくる.
「あれ・・随分ユックリですね.1番バスでしたか・・?」
と私に話しかけてくる.
彼女は土曜日のご常連である.私は,あれこれと遅くなった言い訳をする.でも,言い訳をしながら,結局は体力がないから遅くなったんだと,心の中で冷静に分析する.彼女から,たった今の山頂の気温がマイナス4℃だったことを教えて貰う.
10時11分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.何時もなら,尊仏山荘でお茶を飲んでから,下山する時間である.私は,山荘には立ち寄らずに,そのまま下山することに決める.
それにしても,今日は登りに2時間58分を要した.勿論,今年の最低記録である.
山頂は一面の雪景色.つい3日前に登ったときには,ほとんど雪はなかったのに・・・
山頂では沢山の登山客が屯している.気温はそれほど高くはないが,風がないので,そんなに寒くは感じない.私も写真を撮り終えた後,山頂の片隅で10分ほど休憩を取ってから,下山を開始する.
■下山開始
山頂直下の急坂を慎重に下る.階段がすっかり雪に覆われているので,階段を踏み外しそうになる.下りには“転ばぬ先の杖”ではないが,ストックを使っている.
下り始めて間もなく,ご常連のHさんとすれ違う.
「やあ,暫く振りですね・・」
「この頃,金曜日に登ることが多いんです.FHさんのブログを見ると,FHさんが登った次の日に登ることが多いですよ・・・」
という.暫く立ち話をする.
花立山荘付近で,重い荷物を背負ったチャンピョンとすれ違う.
私は,年のせいかバランスが悪くなっているような気がする.転倒しては大変なので,慎重に下り続ける.途中で何人もの方々に追い越される.
11時20分,萱場平を通過する.そのときベンチから,
「FHさん・・随分速く降りてきましたね」
と声がする.先ほどのご常連の女性である.
彼女は,萱場平で昼食を摂ってから下山するという.そういえば,私も尊仏山荘に立ち寄らなかったので,昼食を食べていない.このことに気がついた途端に,空腹が気になり始める.
朝方の冷え込みに比較すると,日が差し始めてから,ぐんぐんと気温が上がっているようである.日の当たる場所は,雪が溶けてドロドロになりはじめている.アイゼンは付けたり外したりするのが面倒だし,もともと4本爪アイゼンなので,装着したまま歩いても,それほど邪魔でもない.結局,見晴山荘まではアイゼンを付けたまま下山する.
12時57分,漸くバス停大倉に到着する.
15時少し前に帰宅する.長男一家が訪れている.可愛い孫娘も一緒である.眠くなるのを我慢して,“おじいちゃん・・”と甘えてくる孫娘一家と一緒に,すき焼きウドンを楽しむ.その内に,一族郎党揃って,どこか温泉に行こうかという話も出て来る.
久々の冬山で疲れて眠たいけれども,愉しい一時である.
<ラップタイム>
7:13 大倉歩き出し
7:35 観音茶屋
7:52 見晴茶屋
8:27 駒止茶屋
8:47 堀山の家
9:36 花立山荘
9:54 金冷シ
10:12 塔ノ岳山頂 着(-4.0℃)
===================================
10:22 塔ノ岳山頂 発
10:40 金冷シ
10:59 花立山荘
11:37 堀山の家
11:56 駒止茶屋
12:21 見晴茶屋
12:38 観音茶屋
12:57 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km(片道)
■累積登攀下降高度 1269m
■登攀所要時間
大倉 発 7:13
塔ノ岳 着 10:12
(所要時間) 2時間59分(2.98h)
登攀速度 1269m/2.98h=425.8m/h
■下降所要時間
塔ノ岳 発 10:22
大倉 着 12:57
(所要時間) 2時間35分(2.58h)
下降速度 1269m/2.58h=491.8m/h
(おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/0d9beb31ed433b3f1577b2eff108e154
「丹沢の山旅」の次回の記事
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早朝のコメント有り難うございました.
1番バスでご一緒できて愉しかったです.
当日,綺麗な雪景色を堪能することができましたが,結構,疲れました.
今日(2月15日)も,塔ノ岳は面白そうですが,あいにく,仲間達の鎌倉案内のスケジュールがあり,塔ノ岳はお休みです.
でも,2~3日中に,塔ノ岳を訪れてみたいなと思っています.
これからも,当ブログを宜しくお願いいたします.
一番バスでは隣り合わせになりました。
とりとめのない話でスイマセン。
降雪後の晴天下に、ササッと出られる
腰の軽さはさすがです。
今も丹沢では、大雪が積もっていることと思います。
明日は? なんて言ってたら大変ですネ。