<雪の菱野温泉>
春分の日;雪に追われてトンボ返りの小諸・菱野温泉の旅
(自分のルーツを探る独り旅)
2018年3月21日(水) 季節外れの吹雪
<ルート地図>
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<小諸へ>
▇季節外れの大雪予報
私の生業(なりわい)のかなりの部分は,いまだに生まれ故郷の信州に依存している.そのために,時々信州に里帰りをしている.
今回も,かねてより3月21日(水),祝日「春分の日」に信州に戻る計画を立てていた.今年になって三度目(かな?)の里帰りである.
今回は細々とした用件をこなすのが主目的だが,これはブログ記事にするには不適ななので省略する.
もう一つの目的は先祖祭に出席することである.
折悪しく,天気予報では,3月21日は時節外れの大雪に見舞われるとのこと,信州作地方の積雪予想は30セントメートルとのこと.私は21日朝まで,出掛けるか,それとも旅行をやめるか迷いに迷った.
でも,北陸新幹線はその程度の雪では運休になることもないだろうし,故郷に着いてしまえば,いざとなったら泊まるところに困ることもないし出掛けようと決心する.
▇新幹線で小諸へ
5時過ぎに,本格的な冬支度と雪靴で完全装備して,自宅を出発する.早朝といっても,何時も塔ノ岳に出掛けるときに比較すれば1時間も遅い時間なので,別にどうと言うこともない.ただ,朝から小雨模様で,路面が濡れているのが気になる.
久々に大船駅まで湘南モノレールを利用する.
まずは東海道本線で東京駅へ.
東京6時52分発北陸新幹線あさま601号自由席に乗車する.ウトウトと居眠りをしている内に.軽井沢駅に到着する.大雪警報が出ているためか,列車は空いている.パラパラと座席に座っていた乗客の過半数が軽井沢で下車してしまう.
車窓から軽井沢の風景を眺める.
分厚い雪雲がどんよりと重たく上空を覆っている.離山の山頂は完全に雲の中である.粉雪が激しく降っているが,まだ降り積もるほどの状態ではない.
<車窓から軽井沢を望む>
▇佐久平駅で時間つぶし
8時16分,佐久平駅に到着する.
私は佐久平駅で小海線小諸行に乗り換えるつもりである.
小海線の時刻表を事前に十分調べなかったのが災いしてか,ここで50分近く待たされることになる.
”同じJRなのになんでこんなに接続が悪いの…!”
と私は内心で憤慨する.
…というのも,わずか6分前の8時10分に小諸行の列車が出たばっかりなのだ.
ブツブツ言っていても仕方がないので,余り人気の無い売店をウロウロしたり,待合室の椅子に座ったりを繰り返して,ひたすら時間が来るのを待つ.
そして,漸く,9時02分発小諸行の列車に乗り込む.
この列車,2両編成のジーゼル車である.なかなかオシャレな車両である.
ジーゼル車というと,2月に伊勢志摩を旅行したときに乗ったジーゼル車をすぐに連想する.
伊勢志摩の旅で乗車したジーゼル車は,ガーガーとジーゼルエンジンの音がうるさかったが,小海線のジーゼル車はジーゼル特有のうるさい音が殆ど聞こえない.まるで普通の電車に乗っているような感じである(ジーゼル車ではないのかな?).
<小海線小諸行に乗車>
<ちょっとだけ小諸市内を散策>
▇小諸駅に到着
9時17分,小諸駅に到着する.
打ち合わせは10時から.まだちょっとばかり時間がある.
”懐古園を大急ぎで一回りしようかな…”
ということで,駅前の公園へ.
ところが雲行きがだんだんと怪しくなり,牡丹雪が激しく降り始める.
”まあ,ともかく懐古園入口まで行ってみよう…”
<小諸駅前の公園>
▇懐古園
まだ雪は積もり始めていないが,牡丹雪が一層激しく降り始める.
私は猟人所の前で,園内に入ろうか,それとも止めようかと迷う.もちろん,私は小諸市になにがしかの税金を払っているご褒美に無料の園内散策券を何枚か持っているので,中に入っても良いのだが,折角中に入っても,散策する時間は15分程度しかない.
”どうしよう…”
ためらっていると,突然,料金所窓口の窓が開いて.女性の窓口係が,
「いらっしゃいませ,雪の中ご苦労様です.」
と私に声を掛ける.私は窓口まで5~6メートル離れたところに立っているのに…
私は咄嗟に,
「…今,十分時間が無いので,夕方もう一度来ます」
と答えてしまう.これ本心.
”これで決まった…!”
ついでに,
「…桜が見頃になるのはいつ頃ですか…」
と伺ってみる.どうやら4月10日ぐらいになるようである.
”その頃,また懐古園を訪れてみよう…”
<懐古園入口>
▇小諸義塾を経由して小諸駅へ
踵を返して,小諸義塾へ.
小諸義塾の前の跨線橋を渡って,再び小諸駅に戻る.
とにかく寒いので,駅の待合室に入り込む.小さな待合室の真ん中にストーブが1台設置されている.今時冷暖房設備もない田舎駅だなと思いながら,とにかく体の表側だけでも輻射熱で暖める.
<小諸義塾>
<菱野温泉へ>
▇一族集結・専用車で移動
用件のことは一足飛びに省略.
午後から菱野温泉で開催される我がFH族の先祖会に出席する.
まずは集合場所である郊外の某所へ.雪がますます激しく降り出す.
定刻には30名余りの一族が集結する.一同,菱野温泉出迎えの車に乗って,会場のある菱野温泉まで移動する.
小諸から菱野温泉までは,長い登り坂である.
標高が高まるにつれ,また,時間が経過するにつれて,だんだんと雪が積もり始める.
”この調子だと大分降り積もりそうだな…”
私は,今日中には帰れなくなるかも知れないな…と思い始める.まあ,そうなったら,そうなったで,親戚のどこかへ泊まればいいや…と観念する.
<雪が積もり始める>
▇菱野温泉に到着
20分ほどの乗車で,会場のある菱野温泉に到着する.
私は,かれこれ,60年余りの昔にここを訪れたことがあるだけ.どんなところか全く記憶がない.とにかく,初めて訪れたのと同じなので興味津々である.
<菱野温泉に到着>
▇先祖祭花盛り
会場に案内される.
入口の案内板を見て驚いた.わがFH家だけでなく〇〇家,××家など何組もお先祖祭の会場になっているようである.
案内板の指示に従って,会場に移動する.
<案内板>
<先祖祭>
▇礼拝式
先祖祭が始まる.
まずは役員筆頭の挨拶.彼は亡姉の親友.
その後,1年間の行動内容,会計報告などの諸行事が起きなわれた後,壁に掛けられた掛け軸の前で,某神社宮司による礼拝式(正式名称は分からない)が行われる.
この掛け軸の時は,FH家の菩提寺である曹洞宗寺院の僧侶が書いたものだとのこと.
仏の前で神主が拝むのはちょっと奇妙な感じがするが,もともと神仏混淆だった名残なのだろう.写真には隠れてしまって写っていないが,左手に女性の宮司が居る.
2人で掛け合いながら,いろいろな所作を勧める.
多分,一つひとつの所作に,深い意味があるんだろうと興味深く拝見する.
<先祖祭>
▇懇親会
一連の行事を終えて,懇親会が始まる.
いやはや大変な料理である.特に”鯉こく”は最高.
同じ一族とは言え,お互いのことが良く分からない人も沢山居る.杯を酌み交わしながら雑談をしている内にお互いの関係が次第に分かり始める.
”なるほど! そういう関係なんですね…!”
これが遅延というヤツか! 私はここで図らずも「絆」の原型のようなものを再認識する.
その内にカラオケが始まる.
当然,私にもカラオケの無理強いが来る.これが田舎の宿命なんだ…とは思うものの,断固,歌わない.いや,歌えない.だって,小学校時代は戦時中.歌なんてろくに教わっていない.
”サラリーマン時代に”近代五種”で苦労させられたんで,もう結構です…!”
と断固,固辞する.
<懇親会の料理>
▇FH家のルーツ
某神社の宮司が調べてくれたFH家のルーツ資料を頂戴する.ブログで具体的に紹介するわけには行かないが.甲斐・諏訪辺りに源流があるようである.
もちろん,この貴重な資料に,自分と息子の名前を書き込むつもりである.
祝詞を上げていた女性の宮司と雑談.
「…(男性に宮司の)奥さんですか…?」
と伺う.女性宮司はビックリ,
「あれは私の息子ですよ!…でも(嫁に間違えられて)単純に,本当に,嬉しいです」
今度は私がビックリ.
”化粧って,本当に’化ける粧(よそおい)い’だな…”
とつくづく驚く.
<大雪にならない前に帰宅>
▇佐久平駅
雪が深々と降り続いている.
窓から外を見ると,もう雪が10センチメートルを越えるほど降り積もっている.グズグズしていると今日中に帰れなくなるので,14時50分頃,一足先に退散することにする.
一緒に出席している小諸在住の弟の車で,JR佐久平駅まで送って貰う.
「…雪の中,(車を運転して)大丈夫かい?」
と質問する.
「大丈夫だよ…3月いっぱいはスノータイヤを装着しているよ…」
さすがに雪国の住民は違うなと感心する.
15時08分,佐久平駅に到着する.
「…また暖かくなったら,(信州へ)戻るよ…」
ということで,小諸ともお別れである.
菱野温泉に比較して佐久平駅の標高は随分低いので,積雪も菱野温泉付近と比較すると半分以下のようである.
<雪の佐久平駅>
▇無事帰宅
時刻表を見る.
それほど待つこともなく,15時28分発の「あさま632号」東京行きがある.時刻表には掲載されていない列車なので着せ連れ紗那のだろう.でも最新型の車両出る.
電車は空いている.
電車の中は暖かいので,ついつい眠くなる.
半分寝ているような,起きているような気分で,何となく過ごす.
半分居眠りをしている間に,高崎駅に到着する.
”ああ,もう高崎駅か…”
そう思って,また居眠りを始める.実に良い気分である.
「…まもなく大宮,大宮に到着します…」
というアナウンスで,シッカリと目が覚める.
16時30分,上野駅に到着する.ここで新幹線から下車して,上野東京ラインの電車に乗り換える…が,何とか座れたものの,結構混雑している.
”次回からは大宮で在来線に乗り換えないとダメだな…”
と学習する.
17時29分,大船に到着する.
辺りは雨でビショビショ.小諸と同じぐらい寒いのに驚く.
路線バスを利用する.最寄りのバス停で降りて,ビショビショ道を歩く.どうやら雪が降っていたらしく,所々に腐れ雪の痕跡がある.
”(雪をかわして)無事帰宅できて良かった,良かった”
である.
(おわり)
「関東・上信越の山旅」の前回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/f96078c69f27b41d6c059734562c7e65
「関東・上信越の山旅」の次回の記事
https://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/66e46a736ca2721cd0154323be1d47a5
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