中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
最初に左下の“カテゴリー”を選んで,クリックして下さい.

雲間の富士山とネコの丹沢;塔ノ岳(今年8回目)

2013年02月04日 05時34分19秒 | 丹沢の山旅

                               <花立階段下から富士山を眺める>

     雲間の富士山とネコの丹沢;塔ノ岳(今年8回目)
             (単独山行)
         2013年2月3日(日)  晴

■もうすぐ立春だ
 この所,特段の用事がない限り,毎週水曜日と土曜日に塔ノ岳へ出掛けているが,昨日の土曜日は午前中雨という予報だったので,塔ノ岳詣では取りやめた.そして,1日ずらして今日日曜日に出掛けることにする.
 天気予報によると,昨日までの春を思わせるポカポカ陽気が一変して,今日から寒くなるととのことである.でも,さすがに立春間近の今頃になると,寒いといっても極寒の頃に比較すると,随分と暖かい.そのため,今朝は何の躊躇もなく起床することができた.
 今日は日曜日.従ってあの忌まわしい小田原駅の2段跳び乗換もないので,出掛ける前から思い気分にならなくて済むのが有り難い.
 2月になると,さすがに夜が明けるのも早くなっている.電車が鴨宮辺りを走っている頃,東の空が明るくなり始める.ついこの間までは,電車が渋沢に到着する頃,ようやく明るくなり始めたのに比較すると大違いである.
 渋沢に到着する.すでに臨時バスが出たらしくて,1番バスを待っている登山客はほとんどいない.バスの座席に座って,一息入れていると,下り電車が到着したらしく,一度にドヤドヤと沢山の登山客が乗ってくる.忽ちの内にバスは超満員になる.超韋駄天にS藤さん,韋駄天のTさん,鵠沼さん,ジャイアンさん,編集長のY川さん,Y田さんなどのご常連が乗車している.
 バスは7時頃大倉に到着する.

■杉の花粉が一杯だ
 少々気温が高いので,バスの中で防寒具は脱いでしまった.そのため,それほど準備に時間を掛けずに,7時02分に大倉から一人で歩き出す.
 私は今朝方から少し体が重いような気がするので,今日はゆっくり登ろうと思う.大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間を,一応,2時間40分と設定する.
 大倉を歩き出してすぐに気になるのが,杉の花粉である.今年の大倉周辺の杉は,真っ黄色になるほど沢山の花粉を着けている.杉の木を見ているだけでクシャミが出そうな気分になる.
 幸いなことに私自身は杉花粉のアレルギーは未だないが,こんなに花粉が凄い杉を見ているとすぐにでも発病するんではないかと不安になる.

<大倉付近の花粉一杯の杉>

■見晴山荘
 7時18分,丹沢ベースを通過する.足許の石ころが濡れていて滑りやすい.杉林の中の登山道をマイペースで登っているときに,早々とジャイアンさんに追い抜かれる.見る見るうちにジャイアンさんとの距離が広がっていく.私もジャイアンさんのように歩きたい.実に羨ましい.でも,指をくわえて見送るしかない.
 7時42分,見晴茶屋に到着する.見晴茶屋から相模湾を見下ろすと,手前のススキの穂が朝日に輝いている.逆光になるのを承知で,とにかく写真を1枚撮る.でも,そこは名にし負う馬鹿カメラである.相模湾の光る海は見事にすっ飛んでしまい,何も写っていない.でも写真から朝日の雰囲気は何となく感じられるので,一応ブログに掲載することにしよう.
 山荘前でカメラをゴシャゴシャと弄っている間に,後ろに居られたY田さんに追い抜かれる.



<見晴らし山荘前のススキ>

■見晴階段
 見晴階段に差し掛かる.見上げると沢山の登山者の後ろ姿が見えている.
 今日は何となく身体が重い感じなので,無理をせずに登ろうと,強く自分に言い聞かせる.そうしないと,どこかに負けん気が潜んでいる私は,無意識のうちに,ついついオーバーペースになってしまうからである.まあ,この辺りを自分で制御するのも山登りを続ける理由の一つかもしれないなと自分でも思っている.
 その内に,気がつくと,
 “安全登山って何だ・・・”
 “どうやって'安全’を客観的に測定するか”
なんていう面倒くさいことを,歩きながら頻りに考えている自分に気がつく.歩きながら余所のことを考えているなんて,逆に安全確保の立場から見ると飛んでもないことなんだが・・・まあ,そこは,通い慣れている大倉尾根なので大目に見ておこう.
 このとき私が頻りに考えていたのは,製造企業に勤めていた方なら誰でも知っているMTBFとMTTRのことである.
 釈迦に説法になるかもしれないが,念のために一言コメントしておこう.
 MTBFは,ご存じの通り“Mean Time Between Failure”のこと.何か事故や故障を起こしてから,次の事故や故障を起こすまでの間の時間の平均値である.当然,この平均値が大きいほど安全だということになる.
 …で,MTTRは“Mean Time To Repair”のこと.万一,事故や故障が生じたとき,その回復に要した時間の平均値である.当然のことながら,この値が小さい方が良い.
 登山の安全に,この二つの概念を導入するのは,とても面白いし,意味のあることだとは思うが,さて,具体的にこれらの数値をどのように測定するか考えている内に,ハタと行き詰まる.
 例えばMTBF.
 大倉尾根を1往復するには,山小屋での休憩時間を含めて,約5時間.何も事故を起こさなければ,それを積算していけばよい.まあ,これは何とか測定できるだろう.ただ,どの程度の障害があったときに事故と評価するかが,ちょっと分からない.足許が滑った程度は数える必要はないだろう.これは自明.でも転倒して擦り傷を負ったのは事故と言えるのだろうか.まあその辺りの定義が判然としない.
 MTTRについても同じようにどう測定したらよいのか良く分からない点が多々ある.例えば定期的に通院している間は,どう家運とするんだろうか?
 そんなことを考えている内に,
 “やめた,やめた~あ・・・っと”
と私の体に潜んでいるもう一人の私が悲鳴を上げる.

<見晴階段>

■韋駄天組に追い抜かれる
 私がMTBFだのMTTRだのスベッタコロンダを考えながら見晴階段を登り終えて,モミジ坂に差し掛かったところで,韋駄天のTさんと鵠沼さんに追い抜かれる.私はこの一瞬にMTBFの呪詛から解放される.
 「どうぞお先に・・・今日,私は2時間40分程度欠けて登りますので宜しく・・・」
と挨拶する.すると鵠沼さんが,
 「初めから何時間で登るって,決めているんですか・・・」
と不思議そうに私に質問する.
 私は,毎回,自分の体調や天候などを勘案して,およその所要時間を想定して登っているので,質問された途端に,
 “あれっ・・・・私の登り方っておかしいのかな”
と新鮮な気分になる.
 その後,暫くの間,私もお二人の後ろを付かず離れずの状態で登り続けるが,一本松付近で,私がノートを取り出して時間を記録している間に,お二人の後ろ姿はかなり遠退いてしまう.そして,駒止階段に差し掛かる頃には,お二人の姿は私の視界から消えてしまう.
 駒止階段をユックリと登る.こんなユックリな私でも,階段の途中で停まりそうな速度で登っている中年男性お一人を追い越す.汗ビッショリの男性が,
 「いや~あ・・・キツイです」
と悲鳴を上げている.
 駒止階段の上部には,まだ,凍結した残雪がかなり残っている.
 8時13分,駒止茶屋を通過する.大倉からの背負おう時間は1時間11分.やっぱり何時もより3~4分余計に時間が掛かっている.

<モミジ坂で韋駄天のTさんと鵠沼さんに追い抜かれる>

■富士山が写らない…この馬鹿カメラめ!
 堀山の尾根に差し掛かる.
 まだ,あちこちに多少の残雪があるが,歩行に差し支えるほどの量ではないので,何時ものように多少速度を速めて歩く.
 富士山が良く見える場所では,どうせ写らないだろうなとは思いながら,色々条件を変えて富士山の写真を撮ってみる.でも,結果は,ご覧の通りである.肉眼ではっきり見えている富士山が,全く写っていない.これはまるで魔法である.
 “この馬鹿カメラめ・・・テメエなんか死んじゃえ・・”
と私は無言で自分のカメラを罵倒する.自分の技術のなさを棚に上げて・・・

<堀山の尾根からの富士山だが何も写らない>

■萱場平
 8時29分,堀山の家に到着する.
 小草平のベンチに韋駄天のTさんと鵠沼さんが居る.
 「あれっ! もう(堀山の家に)入ったんですか?」
 「いえ…ちょっと給水休憩です」
 3人で同時に堀山の家から歩き出す.登るほどに先を行くお二人の後ろ姿が小さくなっていく.
 登山道には残雪は殆どなく,かなり歩き易い.何人もの若い登山客に追い越されながら,8時07分,萱場平を通過する.
 恒例の定点観測用の写真をパチリ.
 前を行く男性が倒れ込むようにベンチに座る.近付くと汗ビッショリでハアハアと荒い息遣いをしている.
 「ああ・・・もうダメだ!」
と同伴の女性に言っている.
 「大変ですね・・・どうぞ,お気を付けて」
と挨拶して先に行かせてもらう.
 登山では“頑張らない”こと,これが鉄則だと私は信じている.あんなにハアハアになるほど頑張ったら,私など5分も持たないだろうなと思う.
 相変わらず上空には青空が広がっているが,少し雲が湧いてきたようである.

<萱場平>

■花立山荘
 今日は全くの一人旅.気楽である.
 頭の中のバックグラウンドでは,今,春の展覧会に出品する水彩画のことで一杯である.
 “オレにとって'絵’って一体何だ!”
 終始,こんなことを考えながら登り続ける.
 …自分の感動を一枚の絵に注ぎ込むんだ.だから,ただ見えている美しいものを画くのでは物足りない.そこに感動した自分の感動を形や色にして画かなければ絵にはならない.じゃあ,どうしたら自分の感動を具体的な形や色に変えることが出来るんだろう・・・これが,今の私が思い迷う最大の難問だ.ただ,綺麗なもの,美しいものを画いていたのでは,素人写真と一緒ではないか.ましてや,そこらで撮した写真を,そのまま絵にしていたのでは意味がない・・・・
 こんなことを考えながら登り続ける.すると,何となく,何時の間にか,後7分坂に差し掛かる.
 “ハッ”と我に返る.後7分坂の下から富士山がとても良く見えている.ここで富士山の写真を撮る.毎回,不思議なことに,ここから富士山を撮ると,私の馬鹿カメラでもとてもよく写る(冒頭の写真).
 この頃の私は,後7分坂を7分では到底登れなくなっている.8分または9分掛けてユックリと登る.そして,8時16分,漸く花立山荘に到着する.大倉からの所要時間は,なんと2時間12分も掛かっている.
 「“鳴く児と地頭”どころではない…やっぱり寄る年波には勝てないな」
と自分自身が情けなくなる・・・・が,一方では,“なるようになるさ,どうでもいいや”とやけくそな気分にもなる.
 山荘前のベンチでは,何人かの登山客が休憩を取っている.
 相変わらず富士山が良く見えている.

<花立山荘>

花立山
 考え事をしながら,ゆっくりと登り続けたこともあって,花立山荘を過ぎてからも気力十分である.前方に抜けるような青空をバックに花立山山頂が見えている.今日は疲労感が全くないまま,気分良く花立山を登る.途中にほんの少し残雪がある.
 相変わらず富士山が良く見えている.例によって写真を撮りながら登り続ける.ただ,遠くが幾分霞んでいて,残念ながら南アルプスは余りはっきり見えない.
 “ひょっとして,今話題になっている中国の大気汚染が流れ込んできたのかな”
と,嫌なことを連想する.
 花立山山頂付近で,下山してくる超韋駄天のS藤さんとすれ違う.ここで記念写真を1枚パチリ.暫くの間,雑談.
 
<花立山山頂を望む>                            <超韋駄天のS藤さん>

■金冷シ
 花立山を過ぎると残雪が増え出す.
 馬の背付近から,多少の残雪はあるものの何となく早春の気配を感じる山並みが見えている.ようやく長い冬も終わって春間近である.そんな早春の気配を写真に収める.
 9時30分,やっと金冷シを通過する.
 “多分,もう韋駄天のTさんと鵠沼さんは尊仏山荘に到着しているだろうな・・・”
と想像する.
 
<馬の背付近から丹沢の山並みを望む>

■凍てつく泥んこ道
 金冷シを過ぎると,俄然,残雪が多くなる.
 金冷シを過ぎて最初の長い階段を登る.階段の半分ぐらいはまだ雪に埋もれている.長い階段を登り切ると,一旦下り坂になる.鞍部に差し掛かると,どういう訳か,全く残雪はない.その代わりに,無数の凸凹した靴跡が凍り付いている.
 下山する頃には,多分,この靴跡が溶け出して,大変な泥んこ道になるだろうなと思いながら通過する.
 金冷シから2番目の階段に差し掛かる.ここからは,一時に比較すれば随分と残雪は減ったとはいえ,まだ,まだ,大量の雪が残っている.特に塔ノ岳山頂付近には大量の残雪がある.
 金冷シで軽アイゼンを装着しようかなと思ったが,登りはまあこのままアイゼンなしで行こうかと決める.
 さすがにアイゼンなしでは登頂速度が上がらないが,たまにはアイゼンなしの経験もしなければと思いながら登り続ける.
 金冷シから2番目の階段に差し掛かる頃,下山してくるジャイアンさんとすれ違う.
 「アイゼンなしでも登れますよ・・・」
と教えていただく.
 山頂の木道に差し掛かるところで,下山してくるH谷川女史とすれ違う.久々のご対面である.しばし立ち話.
 続いて,木道を上りかけたところで,下山してくるY田女史,Y内さんとすれ違う.
 Y内さんは,下山途中の山荘で各駅停車するとかで,尊仏山荘には立ち寄らずに下山するとのこと.私も下山途中で堀山の家には立ち寄るつもりである.ひょっとしたら堀山の家でお会いするかもしれませんということでお別れする.

<凍てつく泥んこ道>

■塔ノ岳山頂
 9時46分,ようやく塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間44分.冴えないけれどもまあこんなもの.後で区間ラップを検証すると,金冷シから塔ノ岳山頂までの所要時間が偉く長いことに気がつく.やっぱり金冷シで軽アイゼンを装着すべきだったなと反省する.
 山頂の気温は0℃.風がないので寒さは殆ど感じない.そのためか山頂で休憩を取っている登山客が多い.
 山頂からの周囲の写真を撮る儀式を済ませる.丁度このとき,富士山方面に雲が湧き始めて,富士山は全く見えなくなる.

<塔ノ岳山頂>

■ネコと一緒に尊仏山荘へ入る
 山頂での儀式を終えて,尊仏山荘に向かう.
 丁度そのとき,尊仏山荘から韋駄天のTさんが出てくる.
 外出中のネコ,華伊達美弥雄さんが,山荘入口で,
 ”早く入口の戸を開けて下さい・・”
という仕草で,私が入口に来るのを待っている.私は,
 「おや・・・外へ出ていたんだね・・」
とネコに話しかける.ネコは無言.
 扉を開けると,私より先に室内に入る.そして,透明な声で,
 「ニャ~ん・・」
と人鳴きしてから,石油ストーブの前に座り込む.
 先客で顔見知りは鵠沼さんだけ.後の数名は,平素見掛けないお客さんである.
 小屋番は,W林さんと,W田さんのお二人.例によって300円也のお茶を所望する.
 お茶をすすりながら,暫くの間,取り留めもない雑談で過ごす.
 
<早く戸を開けて・・・>                            <私より先に室内に入る>


<石油ストーブの前が一番良い>

花立山荘でノシイカさんとバッタリ
 10時30分,そろそろ下山開始.
 山頂から木道に差し掛かるところで,塔ノ岳常連最長老のお一人,K村さんとバッタリ会う.何時も日曜日に登られているK村さんにお会いするのは,久々のことである.続いて超韋駄天のM本さんとすれ違う.
 私は,10年以上前に白馬に登ったときに麓で仕入れた4本爪軽アイゼンを装着している.当時,多分,500円ほどで購入したものである.これ,結構重宝している.
 暫くの間,鵠沼さんと前後しながら,下山し続ける.金冷シでアイゼンを脱着する.
 11時丁度に花立山荘に到着する.先ほどとは違って,ベンチは鈴なりの登山客で満席である.
 入口近くのベンチで,山旅スクール5期のノシイカさんが座っている.
 「おや,こんにちは・・・」
 「まさか,FHさんに会えるとは思わなかった・・・大山よろしく」
 実は今週末に山旅スクール5期の皆様と大山へ登ることにしている.ただ,天気が気になる.
 暫くの間,ノシイカさんと立ち話をする.
 標高が下がるにつれて,辺りは春らしく“ほのぼの感”が漂い始める.
 「こんな”ほのぼの感”を絵にしたいんですよ」
と私は多少熱っぽく鵠沼さんに話しかける.
 「鵠沼さんだったら,この感じをどんな形と色で表現しますか・・・」
 「そうね・・・ピンク色かしら.円い風船のような・・・」
 「なるほど! それに,山の中に居ることをどうやって表現したら良いんでしょう・・・」
と半ば自問自答する.
 「見えるものをそのまま画いたんでは写真と同じですよね・・」
と鵠沼さんが言う.
 その後,病気のことや,記録帳のことなどが話題になるが,プライベートなことなので非公開.

■堀山の家
 11時26分,堀山の家に到着する.
 鵠沼さんは都合が悪いとのことで,堀山の家はパス.
 私は一人で堀山の家に立ち寄って,300円也のコーヒーを賞味させていただく.カステラが一切れ付いてお値打ちものである.
 多分,韋駄天のTさん,編集長のYさん,Y内さんも堀山の家に立ち寄ったに違いないが,会えずじまいである.
 女主人から,おでんと焼きそばを勧められるが,尊仏山荘で食べた昼食が,まだ,胸につかえていて,残念ながら一口も入らない.

<堀山の家のコーヒー>

■超韋駄天のM下さん
 11時50分,堀山の家を出発する.
 堀山付近では,泥田のような泥んこ道が続く.登山靴は泥だらけになって重くなる.
 暑くなく寒くなく穏やかな天気である.甘い初春の空気を堪能しながらノンビリと下り続ける.
 駒止山荘に差し掛かる頃,後ろから足音が近付いてくる.道幅が広いところなので,追い越して貰おうと歩く速度を落とす・・・が,後ろの足音も遅くなる.変だなと思って振り返ると,超韋駄天のM下さんである.
 12時06分,M下さんと一緒に駒止茶屋を通過する.
 「FHさん,お元気ですね・・・」
とM下さんが言う.
 お褒めの言葉は,率直に有り難いが,このお褒めの言葉の前に,「お年寄りにしては・・・」という慣用句が隠れていることに私は気がついている.
 一本松手前のベンチで休憩中のY川編集長に会う.
 「今日は,どこまで行かれましたか?」
と伺う.堀山の家まで登られたとのこと.
 「では,お先に・・・」
ということでお別れする.
 一本松を過ぎたところで,
 「では・・・お気を付けて・・・」
と一言残して,M下さんは飛んでもない速度で,下山を始める.そして,前方を下っている登山客を次々に追い抜いて,見る見るうちに見えなくなってしまう.
 “すげ~な・・・”
 私は惚れ惚れとM下三の後ろ姿を見送る.
 モミジ坂の途中で,マスクを掛けた男性に呼び止められる.
 「FHさんでしょう・・・今年8回目の塔ノ岳ですね・・・ブログ見ていますよ」
 “はて! この方,どなただろう? まあ,いいか・・・”
ですれ違う.

■15時前に帰宅
 今日は,大倉13時10分発のバスに乗ることにする.まだ,十分に時間があるので,急がずに下山し続ける.
 登山口を過ぎて舗装道路に出る.道端の100円スタンドを覗きながらノンビリベースである.
 12時58分に大倉に到着する.早速,バス停にリュックを置いて順番を確保する.前から5~6人目である.前の方には,堀山の家までご一緒した鵠沼さんが居られる.
 「おや・・・随分早かったですね・・」
と多少ビックリされているようである.
 洗い場で,靴やスパッツの泥を洗い落とす.
 バスはほどほどの混雑で,途中から2~3忍の立ち席が出た程度.
 渋沢駅,小田原駅,大船駅での接続は上々で,15時前,早々と帰宅する.
 今日は終始自重して登ったので,帰宅しても疲労感は全くない.返って気分が高揚している.その勢いで,確定申告などの雑務を精力的にこなす.
 今日の登山も,良かった.良かった.
 

<ラップタイム>

 7:02  大倉歩き出し
 7:25  観音茶屋
 7:42  見晴山荘
 8:13  駒止茶屋
 9:11  花立山荘
 9:23  花立山
 9:27  金冷シ
 9:46  塔ノ岳山頂着(-5.0℃)
10:32     〃  発
10:49  金冷シ  ※アイゼン脱着 
11:00  花立山荘
11:26  堀山の家(11:50までコーヒーブレーク)
12:06  駒止茶屋
12:26  見晴山荘
12:39  観音茶屋
12:58  大倉 着

 [山行記録]

■水平歩行距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
   大倉   発       7:02
   塔ノ岳  着       9:46
    (所要時間)  2時間44分(2.73h)
   水平歩行速度   7.0km/2.73=2.56km/h
   登攀速度    1269m/2.73h=464.8m/h

■下降所要時間(休憩時間を含む)
   塔ノ岳  発       10:32
   大倉   着       12:58
    (所要時間)  2時間26分(2.43h)
   水平歩行速度     7.0km/2.43h=2.88km/h
   下降速度     1269m/2.43h=522.2m/h
                                 (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2dc7f103441a9f875374f56c26b93a41
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/e39e56cd91c0bae225b40a80dca227fd



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。