<ホテルの窓からモンブランを望む>
モンブラン登頂記(7):シャモニー到着:フランス領に入る
(アルパインツアー)
2005年9月3日
■フランス領へ
私たち一行は,これからジュネーブ空港を出発して,今日の宿泊地,シャモニー(Chamonix)へ大型タクシーで向かうことになっている。
現地の観光会社のSさんが私たちを先導する。
初秋だというのに,私たちは,モンブランへ登るために,冬装備で来ている。そのために荷物が多い。蛇足だが,成田で手荷物を預けるときに,係員が荷物の重量を計測する。そのとき,私の荷物は17.5kgもあった。もちろん,持ち込み限度の20kgよりは軽いが,それにしても重い。各自,自分の荷物を引きずってタクシーに積み込む。
19時13分,ジュネーブ空港を出発する。
これから東北東に走って,フランス領のシャモニーへ向かう。ちなみに,シャモニーはフランス語で「かもしか」のことだそうである。
「国境は多分ノーチェックだと思いますが,念のためパスポートはすぐ出せるようにしておいて下さい」
とガイドから注意を受ける。
空港を出るとすぐに長いトンネルに入る。
気が早い私は,
「このトンネルがスイスとフランスの国境ですか」
と聞いてみる。
「いえ,国境はまだ先です。国境に差し掛かると,すぐ国境だと分かりますよ」
と白野さんが答える。
私の質問が切っ掛けになって,車内で雑談が始まる。
「高速道路の標識,見たことあるでしょう。スイスも日本も高速道路の標識の色はグリーンですよね。イギリスやドイツでもグリーンです。でも,フランスはブルーなんです・・・・それに,今,走っている同じ高速道路でも,速度制限がスイスでは150km/hなのに,フランスに入った途端に130km/hになります。フランスは,何でも周辺の国と区別したがるようですね・・・・」
こんな雑談をしている内に,19:27,国境の検問所を通過する。国境を撮影するのは御法度だというので写真は撮らなかったが,何のチェックもない。何となくスルスルとフランス領に入る。
なるほど,高速道路の標識の色がブルーに変わった。
片道3車線の素晴らしい道路が続く。私たちを乗せた車は,ノンノン,淡々と単調に走り続ける。
19時44分,車窓からゴツゴツと尖った山並みが,夕日の中にシルエットになって連なっている。何という素晴らしさだろう。妙義山など問題にならない雄大かつ威風堂々とした山並みである。私たちを乗せた自動車は,この山並みに突き刺さるように進む。
19時54分,進行方向右側の山並みが迫ってくる。沿線には綺麗な工場が建ち並んでいる。そして山の中腹まで民家が建っている。
20時05分,街の名前は良く分からないが,小さな街を通過する。
20時13分,再び短いトンネルを潜る。両側から山並みが迫る谷間の道をひた走る。モンブラン山の山脈が目の前に聳えている。そして,20時21分,私たちの車はシャモニー村の市街地に入る。いかにも観光地らしい洒落た建物が並んでいる。夕暮れが迫り,建物の電灯が点り始める。
■オテルプレオレ
20時21分,私たちは,今夜の宿泊地であるオテルプレオレ(Hotel Prieure)に到着した。
プレオレは小さなホテルである。小綺麗なロビーの横に40人も座れば一杯になりそうなレストランが続く。白野さんが代表して,私たちのチェックインをしてくれる。その間に添乗員兼国際ガイドのHさんから,明日の行動予定,注意事項などの説明を受ける。
20時40分頃,それぞれ割り当てられた部屋に入る。
私は,フクロウと同室,3階(日本式に言えば4階)の部屋である。それほど広い部屋ではないが,テラスへ出られるし,室内の装飾がとても凝っている。窓からは夕暮れ迫るモンブラン山脈の雄大な全景が見渡せる。すばらしい風景である。
21時40分,風呂に入る。ついでに,下着一式を洗濯する。
次いで,明日の氷河歩きの準備をする。これが意外に手間取る。睡魔が襲ってくる。
22時15分頃,就寝。
長い長い第1日目が終わった。
<オテルプレオレの外観>
(つづく)
「モンブラン登頂記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6a1ce8fd57204da0560551d9c8641296
「モンブラン登頂記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/b82aa9bef083fb0389d8cc1e94f1abaf
モンブラン登頂記(7):シャモニー到着:フランス領に入る
(アルパインツアー)
2005年9月3日
■フランス領へ
私たち一行は,これからジュネーブ空港を出発して,今日の宿泊地,シャモニー(Chamonix)へ大型タクシーで向かうことになっている。
現地の観光会社のSさんが私たちを先導する。
初秋だというのに,私たちは,モンブランへ登るために,冬装備で来ている。そのために荷物が多い。蛇足だが,成田で手荷物を預けるときに,係員が荷物の重量を計測する。そのとき,私の荷物は17.5kgもあった。もちろん,持ち込み限度の20kgよりは軽いが,それにしても重い。各自,自分の荷物を引きずってタクシーに積み込む。
19時13分,ジュネーブ空港を出発する。
これから東北東に走って,フランス領のシャモニーへ向かう。ちなみに,シャモニーはフランス語で「かもしか」のことだそうである。
「国境は多分ノーチェックだと思いますが,念のためパスポートはすぐ出せるようにしておいて下さい」
とガイドから注意を受ける。
空港を出るとすぐに長いトンネルに入る。
気が早い私は,
「このトンネルがスイスとフランスの国境ですか」
と聞いてみる。
「いえ,国境はまだ先です。国境に差し掛かると,すぐ国境だと分かりますよ」
と白野さんが答える。
私の質問が切っ掛けになって,車内で雑談が始まる。
「高速道路の標識,見たことあるでしょう。スイスも日本も高速道路の標識の色はグリーンですよね。イギリスやドイツでもグリーンです。でも,フランスはブルーなんです・・・・それに,今,走っている同じ高速道路でも,速度制限がスイスでは150km/hなのに,フランスに入った途端に130km/hになります。フランスは,何でも周辺の国と区別したがるようですね・・・・」
こんな雑談をしている内に,19:27,国境の検問所を通過する。国境を撮影するのは御法度だというので写真は撮らなかったが,何のチェックもない。何となくスルスルとフランス領に入る。
なるほど,高速道路の標識の色がブルーに変わった。
片道3車線の素晴らしい道路が続く。私たちを乗せた車は,ノンノン,淡々と単調に走り続ける。
19時44分,車窓からゴツゴツと尖った山並みが,夕日の中にシルエットになって連なっている。何という素晴らしさだろう。妙義山など問題にならない雄大かつ威風堂々とした山並みである。私たちを乗せた自動車は,この山並みに突き刺さるように進む。
19時54分,進行方向右側の山並みが迫ってくる。沿線には綺麗な工場が建ち並んでいる。そして山の中腹まで民家が建っている。
20時05分,街の名前は良く分からないが,小さな街を通過する。
20時13分,再び短いトンネルを潜る。両側から山並みが迫る谷間の道をひた走る。モンブラン山の山脈が目の前に聳えている。そして,20時21分,私たちの車はシャモニー村の市街地に入る。いかにも観光地らしい洒落た建物が並んでいる。夕暮れが迫り,建物の電灯が点り始める。
■オテルプレオレ
20時21分,私たちは,今夜の宿泊地であるオテルプレオレ(Hotel Prieure)に到着した。
プレオレは小さなホテルである。小綺麗なロビーの横に40人も座れば一杯になりそうなレストランが続く。白野さんが代表して,私たちのチェックインをしてくれる。その間に添乗員兼国際ガイドのHさんから,明日の行動予定,注意事項などの説明を受ける。
20時40分頃,それぞれ割り当てられた部屋に入る。
私は,フクロウと同室,3階(日本式に言えば4階)の部屋である。それほど広い部屋ではないが,テラスへ出られるし,室内の装飾がとても凝っている。窓からは夕暮れ迫るモンブラン山脈の雄大な全景が見渡せる。すばらしい風景である。
21時40分,風呂に入る。ついでに,下着一式を洗濯する。
次いで,明日の氷河歩きの準備をする。これが意外に手間取る。睡魔が襲ってくる。
22時15分頃,就寝。
長い長い第1日目が終わった。
<オテルプレオレの外観>
(つづく)
「モンブラン登頂記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/6a1ce8fd57204da0560551d9c8641296
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