中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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モンブラン登頂記(28):エピローグ

2010年05月18日 01時30分12秒 | フランス・スイス;モンブラン登頂

                    <成田エキスプレス車内>

          モンブラン登頂(28):エピローグ
             (アルパインツアー)
            2005年9月11日(日)

■とにかくグッタリ
 9月11日の朝,7時33分に成田に着陸した私は,11時過ぎに帰宅した。
 自分の部屋に入る。出発したときの乱雑さがそのままになっている。暫くの間,時間が止まっていたかのような錯覚に陥る。午後は逆時差と安堵感から,寝床に入ってウトウトとしながら漫然と過ごす。どんな立派なホテルよりも,やっぱり自分の家が一番住み心地がよいことを実感する。
 夕食後,デジカメに収めた写真を,パソコンでザッと眺めてみる。
 何の予備知識もなく,ルンルン気分で訪れたメールドグラスの長い,長い鉄バシゴの写真を見ると,あのときのことを思い出して,身の毛がよだつ。暫くの間は,二度とあんな怖いところに行きたくない。
 モンブラン山頂近くで,鼻水を垂らしながら,拭く気力もなく疲れ切った自分の顔写真を見ると情けなくなる。とはいえ,この写真は自分で撮ったものである。だから,写真だけは撮る気になっていたのだろう。何も食べる気がしない状態だったのに,こんな写真を撮っていること自体が不思議である。この写真をご披露したいところだが,仲間内だけでなく,不特定多数にアクセスしていただく可能性のあるブログでの披露は差し控えることにしよう。
 ヒースロー空港でトランシットしたときに,空港内の書店で購入した本(注1)をパラパラと眺める.この本で暫くの間楽しめるなとは思うが,今日現在,これ以上見る気にならない.
   

            2005年9月12日(月)

■モンブラン行の総括

 翌,9月12日(月),朝から快晴。でも,残暑が厳しい。
 昨夜は逆時差ぼけのためによく眠れなかった。そのためか朝食後,ついついうたた寝をして,もう午後かと勘違いする。午前中は,モンブランへ出かける前の仕掛作業の整理に忙殺される。
 夕方,『山と渓谷』2005年1月号のモンブラン登頂記事を見直す。この記事の写真を見て,改めて「自分もこんなところへ行ったのだな」と感慨を新たにする。よく記事を見ると,私たちがお世話になったガイド頭のピエールの写真が載っている。とたんになんとも言えない親近感が沸いてくる。
 今回のモンブラン行の感想を総括すると,結局,以下に示す8項目に要約できそうである。
  1.私たちの仲間,5人中,3人がモンブラン登頂に成功した。
    成功率は60%である。これは,平均的な成功率と一致している。
  2.参加者全員が,それぞれに大満足である。
  3.添乗員兼ガイドのSさんのサポートが素晴らしかった。
    改めて国際ガイドの技術力の高さに感銘した。
  4.初体験の氷河歩きは,緊張したが素晴らしかった。
  5.モンブラン登頂は,予想通りに厳しかった。
  6.ヨーロッパアルプスの山並みの素晴らしさは,予想以上であった。
  7.ガイドのSさんから,実践的な教訓をずいぶんたくさん教えていただいた。
  8.自分の登山能力の低さを痛感した。

■エピローグはプロローグ
 私は,この頃,私自身の山登りの終点は,一体,何処なのだろうと迷うことが,しばしばである。所詮,私は山登りの素人である。とはいえ,ここ数年,登山技術の習得や,体力の維持には,私なりに努力はしてきたつもりである。
 私が,ウン十歳を超えたときの記念として,キリマンジャロ登頂を志して,これは成功した。キリマンジャロに登る前は,キリマンジャロへ登れれば,もう満足だと心底から思っていた。さらに昔に戻れば,10年前までは,北アルプスの槍ヶ岳に登れれば,それで満足と思っていたのは確かである。
 それなのに・・・である。
 今,モンブランへの登頂に成功すると,もう,次は何処へ行こうかと思い始めている。こうなると,私の登山歴の終点は,一体何処なのだろうかと,自分でも疑いたくなる。
 でも,何処かで矛先を収めないと,正に命取りになることも承知している。では,何処が収めどころかとなると,これが難しい。とはいえ,とにかく,ここ暫くは,次の登山目標を見定めて,前向きに取り組んでいきたい。
 そこで,当面のことである。
 まずは,来年(注2)1月下旬に,湘南カラビナ隊の方々10名と,ニュージーランド北島の山々をトレッキングすることは決まっている(注3)。ニュージーランドでは,美しい山々を,ゆっくりと眺めながら充実した日々を送りたいと思っている。そして,夏には“何処へ行こうか”,これが難題である。
 何れにしても,ひとつの山登りのエピローグが,次の山登りのプロローグでもある。
                             
 ※次回はモンブラン登頂に関連する地図などを掲載する.

(注)
1.この本の訳本が2009年になって日本でも売り出された.ヒースロー空港で原本を
 購入した頃は,私も現役の研究者だったので,この本から啓蒙されるところが
 多かった.この本を論評したいところだが,このブログにはなじまないので,割愛
 する.
2.2005年のこと.
3.このニュージーランド北島トレッキングも無事に成功した.
 メンバー10人と一緒にルアペフ山,タラナキ山(ニュージーランドの富士山)を登頂した.このときの記録は,次のブログ記事を参照.
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/091456aaf04ca8abb78755c87911b19c 
 
                             (記事編完)

「モンブラン登頂記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/737e5d432f80f16cf770fe6980c9e632
「モンブラン登頂記」の次回の記事
(編集中)



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