中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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富士山と桜・猫ボンヤリの丹沢;塔ノ岳(今年20回目)

2012年04月28日 18時16分16秒 | 丹沢の山旅

                                  <堀山の桜は見頃>

      富士山と桜・猫ボンヤリの丹沢:塔ノ岳(今年20回目)
           (登り下りともご常連と一緒)
        2012年4月28日(土) 晴・下界は霧


■未だ体調は本調子ではないが・・・
 前回(4月25日),塔ノ岳を往復したときは,塔ノ岳詣でに20日以上のブランクがあったため,登っている間に身体が重くて仕方がなかった.そして,下山後もかなりの疲労感が残った.あれから,今日は3日目.そろそろ塔ノ岳を往復しなければ,体力がますます減退してしまいそうである.
 一昨日以来,天気予報を子細に検討してきたが,もし塔ノ岳に登るんなら,今日登るしかないなと自分に言い聞かせる.
 昨夜は,何時もより少し夜更かしをして21時に就寝.ひょっとすると,朝,寝過ごしてしまうかなと一抹の心配があったが,例により
 「寝過ごしたら寝過ごしたで仕方がないな・・・まあ,,それはそれで良いか・・・」
と怠惰を決め込む.
 気が張っていたのか,今朝は,1時半頃,一旦目が覚める.いくら何でも起床するには早すぎるし,ちょっと寝不足である.そこでもう一度寝てしまう.
 「はっ・・!」
と気がついたら,4時20分を過ぎている.
 「いけねえ・・・寝坊してしまった!」
 私は急いで登山用の身支度を調え,ソソクサと朝食を済ませて,何時ものように5時10分に家を出発する.
 天気予報では,今日は朝から良い天気の筈なのに,霧雨模様で,路面はしっとりと濡れている.私は,丹沢行きを止めようかと思ったが,まあ,せっかく家を出たんだから,もう少し先まで行ってみよう・・・そして,雨が降り出したらソソクサとUターンしようと思う.
 今日の小田急電車は休日ダイヤなので,小田原駅での乗換え時間が平日の3分より,3分長く6分もある.したがって,駅の階段を2段跳びで駆け上がる必要がないが,階段を登りながら,どうも身体が重い感じがする.
 「こりゃ~ぁ・・・今日もダメだな~ぁ・・」
と思い始める.

■マドンナさんの後ろを歩く
 渋沢発大倉行1番バスは,臨時バスが出たために,メチャメチャには混雑していない.でもかなりの立ち席が出ているので,ご常連の何方が乗車されているかハッキリとは分からないが,韋駄天のTさん,韋駄天のSさん,三角髭のTさん,K井さん,F田さん,K大Nさん,ツカサちゃん,土曜のマドンナさんなどの姿が見える.車内は若い登山客で一杯である.
 バスの通路を挟んで,私の向かい側に座っている三角髭のTさんと大杉山の雑談をしている内に,バスはバス停大倉に到着する.今日は連休の初日のためか,沢山の警官が道案内や登山届の世話をしている.
 私がモタモタと出発準備をしている間に,大方のご常連の方々は早々と歩き出す.
 私も雑踏の中で登山届を画いて提出する.そして,7時10分にバス停大倉から歩き出す.
 ふと前を見ると,マドンナさんが飄々とした調子で軽やかに歩いている.ゆっくり歩いているように見えるが,結構速いので,早々と追い付くのを諦める.
 観音茶屋の手前で,K大Nさんに追い付く.ここから,暫くの間,K大Nさんと四方山話をしながら,極々,ユックリとしたペースで登り続ける.
 相変わらず足許は濡れている上に,気温,湿度ともに高く,登山には悪条件である.
 「今日は湿度が高いので,歩きにくいですね・・・」
とK大Nさんが,ポツリと言う.

<花一杯の克董窯;前方に白いぴっけのマドンナさんが歩いている>

■K井さん,F田さんとご一緒に
 雑事場ノ平辺りで,K大Nさんとお別れして,先に行かせてもらう.
 この辺りから,地上から沸き上がる雲の中に入る.辺りには霧が立ちこめていて,近くの木々も霧の中のシルエットになっている.
 7時50分,漸く見晴山荘を通過する.
 その先の見晴階段も霧の中である.急傾斜の階段を登り始めると,今日の体調が余り良くないことがさらにハッキリする.私は無理はしないぞと心の中で誓って,急坂を登り続ける.
 階段が終わってモミジ坂に差し掛かる.モミジ坂を登り切って,そろそろ一本松に到着する頃,K井さんとF田さんに追い付かれる.お二人とも,今日は何か思いものを背負っておられるとかで,足取りが重い.ここから先,山頂付近まで,お二人の後を,やっとの思いで付いていく.

<深い霧の見晴階段>

■富士山と豆桜がとても綺麗
 8時22分に駒止茶屋を通過する.大倉からの所要時間は1時間12分.
 「こりゃ・・・ダメだ!」
私は内心で自分の体力のなさを,とても歯がゆく思っている.
 堀山の尾根道までは,かなりの泥んこ道になっている.たちまちの内に靴が泥だらけになる.
 先ほどまでの霧が嘘のように,何時の間にか晴れ渡っている.どうやら山麓に棚引いていた雲の上に出たようである.
 今日は久々に富士山が良く見えている.何時,雪が積もったのか分からないが,5合目辺りまで真っ白である.
 「何となくスッキリしないですね・・・スッキリと見るには冬まで待たなければダメだね・・」
と同行のK井さんが,独り言のようにボッソリと言う.
 折角の富士山は,春霞で茫洋としているが,堀山の尾根に自生している豆桜は,今が正に見頃である.それに,今日は久々に晴天である.可憐な花が殊の外美しい.早速,桜の写真を撮り続ける.

<堀山の富士山:沸き上がる雲が美しい>


<堀山の桜>


<沸き上がる雲と表尾根>

■萱場平
 8時37分,堀山の家を通過する.小草平からは,相変わらず富士山が良く見えている.
 9時02分,萱場平を通過する.萱場平には人影がない静まり返っている.

<萱場平>

■登山は修行
 まだ,体調が本調子でない私は,お二人の後を付けて登るのがやっと.
 それでも,雑談をしながら登り続ける.
 「無理をしてはいけないのは分かっているんですけれど・・・中々悟りきれないんですよ.前に人が居れば追い越したくなるし,後ろに迫ってくる人が居ると,抜かれたくないし・・・そこを達観するのはなかなか難しいですね.正に山登りは修行ですよ・・・」
と私が本音を言う.すると,F田さんが,
 「もうこれ以上速く歩けないときに,『マイペースで登ります』って,言っちゃうんですよ・・」
という.正に図星.私も同じだな・・・と,自問自答する.
 長い登り坂をノソノソと登っていると,30分ほど後のバスで来られたジャイアンさんに追い付かれる.相変わらず俊足である.
 9時18分,後7分坂の手前で,下山してくるマコさんとすれ違う.無断で写真をパチリ.
 「ブログ見ましたよ・・・コメント入れときましたよ」
とのこと.
 今朝寝坊した私は,パソコンを覗かないまま,家を出発したので,まだマコさんのコメントは見ていない.
 暫くの間,3人で雑談.

<後7分坂の少し手前でご常連と雑談>


<後7分坂:皆さんに付いていくのが大変>

■花立山荘と韋駄天のSさん
 後7分坂も辛い.それでも何とかお二人の後を付いていく.
 階段の途中で,会ったことがあるような,ないような女性に追い付かれる.
 「FHさんですか,展覧会の絵を拝見しました・・・お目に掛かれて嬉しいです」
と挨拶される.
 「はて,どなただろう?」
 9時27分,漸く花立山荘に到着する.
 丁度そのとき,上から韋駄天のSさんが下山してくる.
 「たまにはブログに載せる写真を撮らせて下さい・・・」
とお願いして1枚パチリ.
 韋駄天のSさんを交えて,4名で暫く雑談.

<花立山荘で立ち話>


<韋駄天のSさん>

■チャンピョンが下る
 9時33分,花立山荘を出発する.
 「花立山荘から花立山山頂までの上り坂が一番辛いです・・・」
と私が愚痴を言う.これ本音.
 カメラを弄っているときに,上からチャンピョンが降りてくる.
 「何? オレの写真撮るの?」
 私は意表を突かれて,一寸焦るが,
 「はい.1枚写真を撮らせtください・・・」
とお願いする.チャンピョンはポーズを取りながら,
 「オレ,明日,登頂4000回になるよ.毎日新聞が取材に来るよ・・」
とのこと.今日中に3回往復するという.1日3回のボッカとは! 恐れ入った! さすが超人である.
 9時35分,ようやく花立山山頂を通過する.
 相変わらず富士山が良く見えている.

<明日4000回登頂の偉大なるチャンピョン>

■金冷シ付近で韋駄天のTさんと雑談
 馬の背で下山してくる韋駄天のTさんとすれ違う.
 Tさんが,何時になく私に深々とお辞儀をしながら,
 「ようやく,あなたのブログが見えるようになりました・・・それにしても,登山の翌日に記事を載せるとは速いですね・・」
という.
 「そうでしたか! では,メールアドレスを教えて下さい・・」
 「いや,メールはもう少し馴れてから・・・」
 何れにしても,近々,メールのやり取りができるようになれば,とても便利になる.
 Tさんと立ち話をしている内に,お二人との距離が開いてしまう.
 9時56分,ようやく金冷シを通過する.

■ジャイアンさんからの忠告
 お二人との間が空いてしまったので,私は歩く速度をやや早めて後を追う.
 金冷シから最初の長い階段を登っているときに,下山してくるジャイアンさんとすれ違う.ジャイアンさんとは,前回,4月25日の塔ノ岳でご一緒している.そのとき私の調子が余り良くなかったことをご存じである.
 「今日の調子はどうですか?」
とジャイアンさんが私に聞く.
 「まだ,本調子ではないですが,まあ,大丈夫です・・」
と率直にお答えする.
 「どうぞ,頑張って下さい・・」
と励まされる.
 ご常連さんのご通告は,何よりも有り難いことである.大いに勇気付けられる.
 ジャイアンさんと雑談をしている内に,お二人との距離は決定的に開いてしまう.私はお二人の後を追うのを諦める.そうなると気の抜けた風船のように,あっちへフラフラ,こっちへフラフラしながら,道草三昧.

<山頂からの富士山の眺望>

■塔ノ岳山頂
 10時09分,やっと塔ノ岳山頂に到着する.何時もならば,尊仏山荘での雑談を終えて,そろそろ下山する時間である.今日の大倉からの所要時間は実に2時間59分.あきれて物も言えない不甲斐なさである.
 山頂には,もう沢山の登山客が居る.
 マドンナさんや三角髭のTさん達も居る.早速,Tさんの写真を撮らせて頂く.
 「(私のブログを見られている)息子さんにお伝えするために,ブログに写真載せますよ」
とお断りする.

 後7分坂でお会いした女性が山頂に居られる.
 「FHさんは,満ウン十歳を越えられるけど,とても精力的な方だと伺っていましたが,どんな方だろうとお会いできるのを楽しみにしていました・・」
 私は内心で,
 「えっ! ウン十歳を越える?」
とビックリする.まだ,ウン十歳になるまでには,7ヶ月ほどあるのに・・・

<三角髭のTさん;富士山をバックに>

■尊仏山荘
 辺りの写真を一回り撮ってから,尊仏山荘に入る.山荘はご常連や一般客で少し混雑している.山荘の温度計では,山頂の気温は17.3℃.随分と暖かい.今日の小屋番はオーナーのH立さんとW林さん.
 W林さんには,先日の展覧会にお越し頂いている.W林さんは某芸大出身の絵のプロ.
 「・・油絵には大分バラツキがありましたが,水彩画は総じてレベルが高かったですね・・」
との講評を頂戴する.
 ご常連と雑談をしている内に,U林さんなど,私が把握していない数名の方に,私の絵をご高覧頂いていることが分かった.本当に嬉しい.
 その内に猫のミー君が,どこからともなくのっそりと表れる.猫が元気そうでホッとする.W林さんが,猫を抱き上げて椅子の上に座らせる.温和しくボンヤリとした表情で座っている猫がとても可愛い.
 私は猫の頭を撫でながら,
 「お互いに年を取ったな~ぁ・・・元気で過ごしなさいよ」
と猫にエールを送る.
 そうこうしている内に,K大Nさんが尊仏山荘に到着する.
 K大Nさんと雑談をしている内に,私が最近作った足底板の話になる.
 「・・・実は歩いていると右足の踵が痛くなるんで,スポーツ障害に詳しい整形外科で,足底板を作ったんです.実に調子良いですね・・・でも,両足で22000円もするんですよ.保険が利きますが・・」
と言いながら,軽登山靴の中から足底板を取りだして披露する.
 「なるほど・・・・ゴローの靴を作ったときに,足の底の型をとりましたよ・・・ゴローの靴は確重いけれど,下山してからの疲れが違いますね」
とK大Nさんが言う.
 「足の底に合わせて作るんなら,足底板を敷くのと同じですね.そう考えるとゴローの靴も決して高くないですね・・・」
 ※足底板については,別途,ブログ記事にする予定.



<猫のミー君>

■折角だからなるべくゆっくり下山しよう
 今日は山荘に入る時間が遅かった上に,長時間,雑談をしていたので,下山開始時間が大分遅くなってしまった.
 私はK大Nさんと一緒に11時07分に下山を開始する.
 小屋を出ると,山頂には爽やかな微風が吹いている.実に心地がよい.
 「気持ちが良いですね・・・何時までもここにいたい気分ですね・・・」
 「折角登ってきたんだから,急いで下る必要はないですよ・・・なるべくゆっくり楽しみながら下山すべきですよ・・」
とK大Nさん.
 切れ目がないほど次から次へと登ってくる登山者とすれ違いながら,ノンビリユックリと下山し続ける.何人もの顔見知りの方々ともすれ違う.
 萱場平付近までは,K大Nさんと一緒に下山していたが,何時の間にかはぐれてしまう.
 堀山の家でコーヒーでも飲もうかと思ったが,混雑しているようなのでパス.
 堀山の尾根の桜を堪能しながら,満ち足りた気分で下山し続ける.
 雲が高く湧いていて,午前中見えていた富士山も,今は厚い雲の中に隠れている.
 13時33分にバス停大倉に到着する.下山所要時間は2時間26分.超ユックリ.

<超満員の花立山荘>

■楽しい1日だった
 登り下りともにユックリペースだったので,今回はほとんど疲労感もなく,電車の中で居眠りなどせずに過ごす.小田原から旨い具合に快速アクティに乗れたので,意外に早く帰宅する.
 夕方,横浜に住んでいる次女一家5人が1泊の予定で来訪.3人の孫を肴にしての夕食は実に良いものだ.
 こうして,復帰2回目の塔ノ岳詣では無事終わった.
 連休中に,後2回程度は塔ノ岳詣でをしたいなと思っている. 

<ラップタイム>

 7:10  歩き出し
 7:32  観音茶屋
 7:49  見晴茶屋
 8:22  駒止茶屋
 8:37  堀山の家
 9:27  花立山荘
 9:56  金冷シ
10:09  塔ノ岳山頂着(17.3℃)
11:07      〃  発
11:26  金冷シ
11:38  花立山荘
12:18  堀山の家
12:38  駒止茶屋
13:01  見晴茶屋
13:11  分岐
13:14  観音茶屋
13:333 大倉 着

 [山行記録]

■水平距離       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度   1269m

■登攀所要時間(雑談時間を含む)
  大倉   発       7:10
   塔ノ岳  着      10:09
 (所要時間)  2時間59分(2.98h)
  水平歩行速度   7.0km/2.98h=2.35km/h
 登攀速度    1269m/2.98h=425.8m/h

■下降所要時間(雑談時間を含む)
  塔ノ岳  発       11:07
  大倉   着       13:33
 (所要時間)  2時間26分(2.43h)
 水平歩行速度     7.0km/2.43h=2.88km/h
 下降速度    1269m/2.43h=522.2m/h
                                                                            (おわり) 

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c74dba6d83e4a9173f708df477050f5a
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2f6f6a95e0043f1e3792bcfd433b87e2



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