中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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登頂2000回の門馬さんに会った丹沢:塔ノ岳(今年35回目)

2009年08月02日 06時10分13秒 | 丹沢の山旅

                     <雲間の表尾根>

    登頂2000回の門馬さんに会った丹沢:塔ノ岳(今年35回目)
            (単独山行)
         2009年8月1日(土)

■天気予報が外れる
 早朝4時に起床する.曇り空である.ピンポイントの天気予報で最終チェックをすると,終日曇りだが,雨が降る心配はなさそうである.ならば・・ということで,6日振りに丹沢塔ノ岳に向かう.
 5時10分に家を出る.さすがに早朝である.外気はヒンヤリとしていて気持ちがよい.休日の朝なので,電車は空いている.また,休日ダイアのために,小田原駅でのJRから小田急電鉄への乗換時間にも余裕がある.
 渋沢発大倉行1番バスは,立ち席がほんの1~2名,休日にしては空いている.例によって韋駄天のTさん,三角髭のTさん,門馬さんなどご常連が揃っている.
 バスは7時02分に大倉に到着する.
 残念なことに,バスが大倉に到着する頃から,天気予報が外れて,雨が降り始める.
 「どうしよう? このまま帰るか.それとも登るか・・」
私は,少々,戸惑う.
 そんな私の戸惑いをよそに,韋駄天のTさんや三角髭のTさんは,全く雨など意に介さない様子で,すぐに大倉を出発する.先発隊からやや遅れて門馬さんも歩き出す.
 これまで,大倉尾根には,何回も通っているので,私には,足元の石ころを見ただけで,現在地が分かるようになっている.この程度の雨ならば,慎重に歩けば問題ないと判断して,私も塔ノ岳へ登ることにする.
 私は,例によって要領が悪く,ザックに雨よけのカバーを被せたり,ショートパンツに履き替えたりしている内に,瞬く間に歩き出しが遅れてしまう.
 雨具を羽織るか,あるいは雨具を着ないで歩くか迷うが,少し強い程度の霧雨なので,森林の中に入れば,それほど濡れることもなかろうと考えて,当面は雨具を着ないまま歩こうと思う.そこで,雨具をリュックの一番上に入れ,7時12分,ようやく歩き出す.

■雨の中を慎重に登り続ける
 私の今日のモットーは,疲れないように歩くリズムを把握することにしようと思う.
 雨が降っているので,足元は雨が降っているので,当然濡れているし滑りやすい.転倒して怪我でもしたら百年目だと,自分に言い聞かせながら,慎重に登り続ける.できるだけ,疲れを貯めないように,特に歩き出しはゆっくりしたペースを保つように心がける.
 登山道に入る.前方には登山者が数珠繋ぎになっている.登山者の歩く後ろ姿を見ていると,十人十色で実に面白い.大きなリュックを背負った人,大股にヨイショヨイショという感じで歩く人,まるで冬のように重ね着をしている人など様々である.
 7時21分,克董窯を通過する頃から汗ばみ始める.もっと歩く速度を落とさなければダメと自分に言い聞かせる.
 7時12分,雑事場ノ平を通過する.何時もならば,ここで尾根道に出ると,海風が吹き始めて涼しくなるはずだが,今日は全くの無風.さらに濃い霧が辺りを覆い始める.
 見晴山荘を通過して,急坂に差し掛かる.雨で足元が滑りやすいので,いつもより,さらに慎重に登り続ける.

■黄色いバンダナの青年
 やがて,駒止茶屋手前の急坂に差し掛かる.ここで,大柄の若い男性に追い抜かれる.男性は尊仏山荘の黄色いバンダナを頭に巻いている.この前,塔ノ岳に登ったときも,この男性に追い抜かれている.
 「・・前回も,この辺りで追い抜かれましたね・・・前回は塔まで2時間位ですか?」
 「ああ,先週の日曜日ですね.あのときは,1時間45分ほどでした・・」
 「凄いですね・・私は,今日,2時間20分台で登れれば良いなと思っています・・どうぞお先へ・・」
と道を譲る.
 8時16分に駒止茶屋を通過する.今日の大倉からの所要時間は1時間04分である.ゆっくり歩いたつもりでも,所要時間にそれほど変わりがないのが意外である.
 駒止茶屋の直ぐ上のベンチでは,数名の登山客が休憩を取っている.その中に,先ほどの黄色いバンダナの青年も,給水のためにベンチに腰掛けている.
 「とりあえず,先に行っています・・」
と挨拶して,そのまま歩き続ける.

                 <私を追い抜いていった青年>

■霧の萱場平
 堀山の尾根に出る.雨は小止みになったが,相変わらず雲が低くたれ込めている.富士山は当然見えない.ただ,表尾根の山肌が雲間から見え隠れしている.これが,結構,綺麗なので,ここで数枚の写真をデジカメに収める.
 8時31分に堀山の家を通過する.小草平のベンチには誰も居ない.誰も居ないベンチが雨にタップリ濡れている.
 8時40分,萱場平を通過する.霧がますます深くなる.ベンチには誰も居ない.辺りは不気味なほど静まりかえっている.

                     <霧の萱場平>

■上には上が居るものだ
 霧の急坂を黙々と登り続ける.花立山荘手前の長い階段に差し掛かったときに,再び先ほどの黄色いバンダナの青年に追い越される.
 「今日,駒止茶屋までどのくらい掛かりましたか・・?」
と私に質問する.
 「今日は,1時間04分でした・・・」
 「そうですか,それなら,同じピッチで登り続ければ,2時間ちょっとで登れますよ」
と,私を慰める.
 「それがなかなか・・・でも,あなたを目標に努力しますよ・・.ところで花立の手前の階段.私は登り切るのに6~7分掛かりますが,あなたなら4~5分程度?」
 「まあ,そうですね.5分くらいですね・・」

■霧の塔ノ岳山頂
 9時10分に花立山荘を通過する.辺りには誰も居ない.相変わらず濃い霧が掛かっている.ようやく涼しくなり,楽に登れるようになる.
 9時25分,金冷シを通過する.ここで,山頂から戻ってくる韋駄天のTさんとすれ違う.
 「今日は何回目になります・・・180回は越えましたか?」
 「今日で,丁度,181回目になりました・・」
 金冷シを過ぎて最初の階段を登っている内に,何となく「シャリばて」のような脱力感を覚え始める.朝食が足りなかったかな.無理をしてはいけないと思って,さらに歩行速度を落とす.
 最後の階段を登って,9時39分に塔ノ岳山頂に到着する.
 先ほどの黄色いバンダナの青年が,丁度,下山を開始しようとしている.
 「また,お会いしましょう・・・」
と挨拶してお別れする.
 今日の大倉から塔ノ岳山頂までの所要時間は2時間27分.少々,物足りないが,まあ,こんなものだろうと納得.
 早速,尊仏山荘に入る.



               <霧の塔ノ岳山頂 9:40頃>

■登頂2000回の門馬さん
 尊仏山荘は,ご常連だけで満員になるほどの盛況である.とっくに到着した三角髭のTさんも,まだ,山荘に止まっている.
 私より少し前に山荘に到着した門馬さんが,「登頂2000回・・」と書いた大きな紙を持っている.今日は門馬さんの塔ノ岳登頂累計回数2000回達成のめでたい日である.
 仮に1年に100回登ったとしても,2000回に達するには,20年も掛かる.これは大変なことだなと実感する.
 「・・さあ,みんなで記念写真を撮ろう・・」
ということになる.
 一同,山頂の塔の前に集まって,記念写真を撮る.

                   <ご常連が門馬さんを囲む>
           ※画素数を落としてある:ブログ公開の了承を得ている.


                <尊仏山荘前の門馬さん>

■ミーくん穏やか
 再び尊仏山荘に戻る.今日の小屋番はネコのOさんである.
 大半のご常連が,大倉発12時15分のバスに乗ると言って,早々に山荘を出発する.
 そのとき,2階からトコトコと営業部長が降りてくる.ネコが降りてきたので,私は,即座に,次の12時40分のバスに乗ることにする.そして,営業部長の可愛い姿をデジカメに収める.
 Oさんが居ると,営業部長は,すっかりリラックスしている.終始,Oさんの近くにいるところが可愛い.穏やかなミー君の仕草を見ていると,こちらも心が和んでくる.
 
                               <Oさんと営業部長>

■霧の中のシカ
 私は,大倉発12時40分のバスに乗ろうと思う.
 ゆっくりと下山するために,余裕を持って,10時11分に尊仏山荘を出発する.
 山頂付近は,相変わらず濃い霧に覆われている.山頂で過ごしている登山者が,先ほどより大分増えている.
 吉の中を慎重に下山し続ける.
 山頂から少し下ったところで,霧の中のシカを見つける.シカはヒルを運ぶ害獣というイメージが定着してしまったが,オドオドしていているのに,人間を恐れないシカは,とても愛らしい動物のように思える.

               <霧の中のシカ>

■尊仏山荘のオーナーHさん
 10時35分,花立山荘を通過する.山荘前のベンチは,登山者で満席になっている.ここからの見晴らしは良いはずだが,相変わらず濃い霧に覆われていて,眺望は全くない.
 登ってくる沢山の登山者とすれ違いながら下り続ける.その間にも,何人かの登山客に追い抜かれる.
 10時45分,萱場平に近づいたところで,ボッカをしながら登ってくる尊仏山荘のオーナー,Hさんとすれ違う.私が,
 「・・今年初めにご紹介しましたペルーの三井さんが,ワスカランで遭難してしましましたよ・・・残念です」
と報告する.
 「えっ!・・そうでしたか! 全然知りませんでした・・」
とHさんは絶句する.
 12時31分,予定通りに大倉に到着する.
 下界は晴れている.

                   <尊仏山荘のHさんが登る>

[ラップタイム]

 7:12  大倉歩き出し
 7:33  観音茶屋
 7:40  見晴茶屋
 8:16  駒止茶屋
 8:31  堀山の家
 9:10  花立山荘
 9:25  金冷シ
 9:39  塔ノ岳山頂 着
=====================================================
10:11  塔ノ岳山頂 発(+17.5℃)
10:23  金冷シ
10:35  花立山荘
11:13  堀山の家
11;31  駒止茶屋
11:58  見晴茶屋
12:13  観音茶屋
12:31  大倉 着

[山行記録]

■水平歩行距離
       7.0km(片道)

■累積登攀下降高度     1250m

■登攀所要時間
  大倉 発        7:12
    塔ノ岳山頂 着     9:39
 (所要時間) 2時間27分(2.45h)
 登攀速度 1250m/2.45h=510.2m/h

■下降所要時間
  塔ノ岳山頂 発    10:11
    大倉 着        12:40
 (所要時間) 2時間20分(2.33h)
 下降速度  1250m/2.33h=536.5m/h
                          (おわり)
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4d0c31553a4f30542b685e4b1c57fa80
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/d546cf4611067415c88ff5f940eb02cb



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