中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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真っ白に輝く富士山を眺めながら登る丹沢;塔ノ岳(今年5回目)

2012年01月19日 04時16分53秒 | 丹沢の山旅

                          <塔ノ岳山頂から富士山・南アルプスを望む>

   真っ白に輝く富士山を眺めながら登る丹沢;塔ノ岳(今年5回目)
             (単独山行)
           2012年1月18日(水)
 晴

■今朝も寒いぞ
 毎度のことながら,早朝3時30分頃起床してから,丹沢へ「行く,行かない,・・」を何回か繰り返した後,4時頃,やっと出掛ける気になる.そして,例によって,登山用の戦闘服に着替えると,気持ちがシャンとする.
 「今日も,塔ノ岳に登るぞ! エィッ!,エイッ!,オー!・・・」
と心の中で叫んでから,急に馬鹿馬鹿しくなる.
 実は,この掛け声は,小田急トラベル主催の街道歩きで,何時も出発時にやらされていた行事である.この掛け声と一緒に右手の握り拳を高く上げるのである.
 旅行中,私は,何時も,心の中で,
 「馬ッ鹿ジャないの・・・!」
と思いながら,声を出さずに,一寸だけ右手を挙げるふりをしてきた.
 ソウ,私は天の邪鬼なのである.
 そんなことを思い出して,私は心の中だけでニタニタ,5時10分に家を出る.そして,何時ものように,近くのモノレール駅のホームで初電を待つ.今朝も同じ顔ぶれの通勤客がホームに揃う.毎度,リュック姿の私を見て,顔見知りの通勤客は,私が何処へ通っているのか気になるかもしれない.
 そう.私は今年になって,週に2回の頻度で,塔ノ岳へ通勤している.
 それにしても,今朝も寒い.
 私は駅前のコンビニで握り飯2個と,ペットボトル入りの熱いお茶を購入する.そして,ペットボトルの両側に握り飯をピッタリと密着させて,手拭いでグルグル巻きにして,ビニール袋に収める.その袋をリュックの一番中心に仕舞い込む.こうしておくと,尊仏山荘に到着する頃,この握り飯は,食べるのにほどよい暖かさになっている.とても美味しく食べられる.
 「皆さんも,是非,お試しを・・」
と推奨したくなる.

■小田急で人身事故
 私が乗車した電車は,6時21分に小田原駅に到着する.
 「さあ~てっ・・と!・・・・猛ダッシュするぞ・・」
 私は意気込む.これから3分で,小田急電鉄のホームまで猛ダッシュして,6時24分発の新宿行の急行電車に乗らなければならない.
 毎度,同じことばかり書いているが,この猛ダッシュのシンドイこと.ひょっとしたら,マイペースで登れる塔ノ岳登頂よりシンドイかも知れない.
 ところが,今朝は,辺りの様子が,どうも何時もと違う.
 小田急電鉄の乗り場から,何十人ものサラリーマンが,JRの乗り場の方にダッシュしてくる.
 「何だか,おかしいな・・・」
と思いながらも,とにかく,追い立てられた羊の群れのようなサラリーマン諸氏を除けながら,ダッシュを続けて,小田急のホームに到着する.
 ところが,何時ものホームに電車が居ない.どうやら,向ヶ丘遊園付近の駅で人身事故があったらしくて,ダイヤが乱れている.やがてホームに回送電車が到着する.この電車,海老名行急行電車だという.
 6時28分,電車は小田原駅を出発する.渋沢では6時48分大倉行の1番バスに何とか間に合う.

■見晴階段
 バスの乗客は,ほんの数名.ご常連は,U村さんと,ホッシーさんだけ.何時も下り電車で来られる大半のご常連は,どうやらこのバスに間に合わないようである.
 バスが大倉に到着する.
 私としては,珍しく歩き出し前の行事をすべて省略して,7時01分にU村さんと一緒に大倉から歩き出す.
 このところ,東京では連続34日間にも渡って,乾燥注意報が出たままになっている.そのためか,大倉付近の路面はすっかり乾燥していて歩きやすい.
 U村さんが私の歩行速度に合わせて頂いたのか,何とか見晴山荘まではご一緒させていただくが,見晴らし階段から先は,私ごときは,到底,U村さんには付いて行けない.
 「ここからは,ユックリ参りますので,どうぞお先に・・・」
 「では,・・・」
でお別れしする.
 途端に,U村さんのスピードが上がる.瞬く間に,私との間が広がっていく.
 見晴階段を見上げると,結構沢山の登山客の後ろ姿が見える.平素,塔ノ岳にはあまり来られていない方々が殆どらしく,汗ビッショリになって力んで登っておられる.
 申し訳ないが,殆どの方々を追い越させて貰う.

<見晴階段を登る>

■残雪の堀山の尾根と真っ白な富士山
 駒止茶屋手前の階段で,若い男性2人に追い越される.
 「若い人には,敵わないな~ぁ・・」
と心の中で思いながら,お二人に道を譲る.
 8時06分に駒止茶屋を通過する.大倉を歩き出してから1時間05分掛かっている.
 「この調子だと,今日も(塔ノ岳山頂まで)2時間30分ちょいというところかな・・・」
と到着時間を予測する.予測が当たるか外れるかに,結構興味がある.
 今日の堀山の尾根からの富士山は最高である.山裾までタップリ雪に覆われている.空の高いところに雲が湧いている.この雲が富士山を一層引き立たせている.
 堀山の家付近から,昨日降ったらしい雪が残っている.残雪の路面はカリカリに凍結している

 8時14分,堀山を通過する.何時もならば,ここから始まる緩やかな下りを,思いっきり飛ばすが,今日は残雪があるので,充分注意しながら慎重に歩き続ける.万一,転倒して怪我でもしたら大変.慎重には慎重を重ねた方が身のためである.
 8時24分,ようやく堀山の家を通過する.小草平からは相変わらず富士山が良く見えている.

<堀山付近から残雪が見え出す>


<堀山尾根道からの富士山>

■萱場平
 戸沢分岐の手前で,また先ほどの2人に追い抜かれる.
 「・・あれ,また会いましたね・・・どこかで休憩していたんですか?」
 「ええ,休憩しないと,とても歩けないんで・・」
 「そうでしたか・・・私は,途中で休憩を取らない代わりに,ユックリ登っていますよ・・」
で,また同じ2人に道を譲る.
 8時43分
 萱場平に到着する.前回より多めの残雪である.前方には先ほど私を追い越した2人の後姿が見えている.
 萱場平を過ぎると,雪が一段と多くなり,辺りはすっかり冬景色に変わる.
 毎度,同じことを書いているが,私は大倉尾根の中では,堀山の家から花立山荘の間が大好きである.この区間には,一番登山をしているような雰囲気があるからである.
 色々なことを考えたり連想したりしながら,一歩一歩登っていく.こればまた楽しい.
 8時58分,後7分坂に到着する.ここで振り返って下界を眺める.柔らかい日射しを一杯に浴びる相模湾が一面に広がっている.実に素晴らしい風景である.ここで2~3枚の写真を撮ってから,いよいよ後7分坂を登り始める.
 何時の間にか,先ほど私を追い越していった2人に追い付いている.
 そのとき,韋駄天のY沢さんが,ダダダダッともの凄い勢いで階段を駆け下りてくる.瞬く間にずっと下の方へすっ飛んでいく.両手に持ったストックを飛行機の羽根のように広げて持っている.まるで飛行機が滑空しているように見える.

<萱場平>

■花立山からの富士山と南アルプス
 9時04分,花立山荘に到着する.先ほどの2人が,庭先のベンチにへたり込んでいる.
 「・・ユックリ先へ行っていますから,また追い越して下さい・・」
と挨拶して,私は,そのまま花立山荘を通過する.
 花立山の階段を登っていると,ご常連のKシゲさんが下山してくる.一言二言挨拶する.
 「やあ・・今日は暖かで登りやすいですね.山頂にはほとんど雪はなくて,アイゼンなんか要らないですよ・・」
と山頂の様子を教えてくれる.
 「ところで,今年何回登ったの・・」
私は,
 「私,今日で,やっと5回目です・・」
と答える.
 「じゃあ,・・オレより多いよ・・・じゃあ,またネ」
でお別れする.

 今のところ,全く疲労感がないので,花立山荘から花立山まで7分程度で登っている.何時もより2分ほど速いペースである.
 花立山山頂の木道に到着すると,心身共にホッとする.ここまで来れば塔ノ岳山頂に到着したのと,もう同じである.
 今日は空気が澄んでいて,富士山だけでなく南アルプスの山々もクッキリと見えている.私は,少々,時間を取って,花立山からの眺望を,何枚もデジカメに収める.

<花立山からの眺望>

■塔ノ岳山頂
 9時18分,やっと金冷シを通過する.大倉を歩き出してから,2時間17分経過している.遅い!
 でも,遅くても,これが今の私,仕方がないな.
 後は惰性で登り続ける.ここまで登ると一段と雪が多くなる.辺り一面が雪で真っ白である.
 ”そろそろ,次のバスで来た韋駄天のTさんに追い付かれる頃だな・・・”と思う.私の心中は,半分は韋駄天さんの姿が見えるのを期待しながら,後の半分は,山頂まで追い付かれたくないと思っている.
 9時32分,やっと塔ノ岳山頂に到着する.大倉からの所要時間は2時間31分.やっぱり2時間半の壁は破れなかった.ガックリ.ここ2~3年の間に,平均で5分程度,余計に時間が掛かるようになっている.マズイナ.ただ,幸いなことに,疲労感は全くない.
 まずは,山頂の儀式として,ここから見える風景をグルリ一周撮影する.
 つい先日訪れた大山も,ここから良く見えている.ご常連の情報によると,ゲザンシュタインさんは,今日,大山に登っておられるとのこと.
 ここから富士山を見ると,山頂に傘雲が掛かっている.そして上空には飛行雲のような筋雲が何本も掛かっている.今日の富士山の情景は,なかなか見応えがある.
 山頂の気温はマイナス2.8℃.案外暖かい.

<塔ノ岳山頂直下の雪道>


<塔ノ岳山頂>


<塔ノ岳山頂から大山を望む>

■尊仏山荘
 山頂での儀式を終えて尊仏山荘に入る.
 先客は見晴山荘までご一緒したU村さん他2人.
 U村さんは,私より30分も早く到着していたようである.私が山荘に到着したときは,私と入れ替わりに下山しようとしている.
 今日の小屋番はオーナーのH立さん.私は,ネコのミー君とのご対面を即座に諦める.
 300円也のお茶を所望する.
 お茶を飲みながら,あれこれと雑談が始まる.
 9時45分頃,小田急電車事故で2番バスになってしまった韋駄天のTさんが到着する.
 Tさんと前後して,先ほど私を2回追い越した男性2人が,やっと到着する.どうやら途中で失速したらしい.どうやら,2人ははじめて塔ノ岳に来られたようである.小屋番のH立さんに,
 「ここに住んで居られるんですか・・?」
と意表を突く質問をする.
 「そうですよ・・ここに住んでいますよ」
 「へぇ~ッ・・!」
と2人は驚く.
 「・・時々は下へ降りますよ・・」
とH立さんが,面倒くさそうに追加して返事をする.
 暫くして,2人は山荘を出発.そのまま大倉尾根を下るという.

<今日の尊仏山荘>

■山頂付近でご常連とバッタリ
 10時01分,私も下山しようかと思う.偶然,韋駄天のTさんも一緒の時間に下山を開始する.
 山荘を出ると,入れ替わりに1番バスに乗っていたホッシーさんが山荘に入っていく.
 山頂で,余儀なく2番バスで来られたM田女史とバッタリ.
 「あなたのブログの写真,綺麗ですね・・」
と誉められる.お世辞でも嬉しい.
 私は,ついでに,
 「あちこちに散逸している古い登山記録を整理して,
ブログに載せたいと思っています.参考にして頂ければ嬉しいです・・」
と付け加える.
 その後,韋駄天のTさんの後に付いて下山し続ける.
 馬の背から花立山付近で,遅いバスで来られたご常連とすれ違う.山荘に立ち寄らずに下山中の三角髭のTさんともバッタリ.
 成り行きで,暫くの間,三角髭のTさん,韋駄天のTさんと3人で下山し続ける.
 特に下り階段で足の遅い私は,後7分坂で,先頭になる.私1人のときはあちこちキョロキョロしながら,遊び半分でノンビリと下るが,今日はお二人と一緒なので,キョロキョロせずに,真面目に下山し続ける.
 その内に,何時の間にか,私1人になっているのに気がつく.お二人はどこかに立ち寄っているんだろうか.
 露岩帯を降りていると,私達より大分早く下山しはじめた例の2人の男性に追い付く.2人は四苦八苦しながら露岩帯を下っている.
 「下り,結構大変ですね・・」
と私に話しかける.山をはじめた頃の私もあんな歩き方だったなと,昔のことを懐かしく思い出す.

一本前のバスに間に合いそうだ
 何時の間にか,韋駄天のTさんや三角髭のTさんと別れ別れになってしまった.こうなったら,勝手に下山するまでだ.
 11時04分,駒止茶屋を通過する.
 「あれ・・一寸急げば11時52分のバスに間に合いそうだな・・」
と気がつく.
 私は,道草を一切せずに下り続ける.もちろん,安全には十分に配慮しながらである.
 11時24分,見晴山荘を通過.このまま急げば,11時52分のバスに確実の間に合う筈である.幸いなことにここから先の登山道には危険なところもない.
 私は歩行ピッチを上げる.一人歩きなので誰にも気兼ねすることはない,途中,数名に登山客を追い抜いて,11時48分,無事にバス停大倉に到着する.
 下山所要時間は,最後急いだこともあって,1時間46分.途中で道草しなければ,100分程度で下山できるなと確信する.
 11時52分のバスに乗る.
 乗客は疎ら.先客の中にN村(弟)さんが居られる.N村さんも,今朝の小田急事故で1番バスには間に合わなかったとのこと.
 「途中でお会いしなかったですね・・」
とN村さんが不思議がる.多分,私が尊仏山荘でお茶を飲んでいるときに,N村さんは山頂で折り返したのだろう.
 バスの中で,N村さんから,ランナー用の腕時計を魅せて頂く.データーロガーが搭載されている,いちいちノートに手書きしなくても時間が記録できるらしい.なかなか便利そうである.ちなみに,私は気圧計,高度計.温度計,方位磁石付の登山専用の時計を使っている.登山用時計にデーターロガー機能が付いている時計があったら良いなと思う.

■熱い風呂と昼寝は極楽だ
 12時06分,バスは渋沢駅に到着する.私は小田原経由東海道本線で.14時前に自宅に帰えりつく.
 すぐに風呂を沸かして,ユックリと入浴する.気分最高.
 とはいえ,こんな風呂の入り方は,注意しないと血圧が大きく変動して,極めて危険.そんなに長風呂はしないことにしている.
 入浴で火照った身体のまま,お昼寝.実に良い気分である.本当はやらなければならない用事が沢山あるのに・・・・
 グウタラ人生万歳!

<ラップタイム>

 7:01  大倉歩きだし
 7:21  観音茶屋
 7:36  見晴茶屋
 8:06  駒止茶屋
 8:24  堀山の家
 9:04  花立山荘
 9:18  金冷シ
 9:32  塔ノ岳山頂着(-2.8℃)
10:01     〃   発
10:15  金冷シ
10:24  花立山荘
10:41  堀山の家
11:04  駒止茶屋
11:24  見晴茶屋
11:34  観音茶屋
11:48  大倉 着

[山行記録]

■水平歩行距離
        7.0km(片道)

■累積登攀下降高度     1269m

■登り所要時間(雑談時間を含む)
   大倉    発       7:01
   塔ノ岳山頂着               9:32
  (所要時間)          2時間31分(2.52h)
  水平歩行速度    7.0km/2.52h=2.78km/h 
  登攀速度       1269m/2.52h=503.6m/h

■下り所要時間(雑談時間を含む)
   塔ノ岳山頂発             10:03
   大倉    着             11:49
  (所要時間)             1時間46分(1.77h)
  水平歩行速度     7.0km/1.77h=3.95km/h
  下降速度        1259m/1.77h=716.9m/h
                               (おわり)

「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/2586f90dba9e9f2a4dbc1f12e02d9330
「塔ノ岳」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c43f2e35a17c2e5c0abe157d13ce774c
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ecec91418482dc5093197aade1312190
「塔ノ岳」の次回の記事
(なし)




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1 コメント

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Unknown (塔ノ岳(丹沢ウッズ))
2012-01-19 05:37:11
お疲れ様でした

雪はうっすらですネ

土曜日に満を持して行きたいと思っています

最近、やたらと人身事故が多いです

車も、高速で追突事故が多くて

山の中は、いつもどおりのメンバーが沢山歩いていて微笑ましいです

私の方は、なかなか仲間が増えて行きません

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