<モミジ坂の紅葉>
丹沢:塔ノ岳(大倉尾根)(今年45回目)
(単独山行)
2009年11月23日(月・勤労感謝の日)
■やっと塔ノ岳へ出掛ける気になった
前回,塔ノ岳(大倉尾根)を往復したのは,およそ8週間前の10月4日(日)のことである.
その後,日光道中二十一宿,中山道六十九宿,浅間山登頂など,結構,多忙な毎日ではあった.しかし,一番私を落胆させ苦しめたのは,10月18日(日)から約1週間続いた急性胃炎と,その後,さらに1週間続いたヘリコバクターピロリ菌除菌治療による激しい下痢である.この僅か2週間の間に,私の体重は66キログラムから61キログラムまで,5キログラムも減少してしまった.
この一連の騒動を通じて,平素,ほとんど病気をしたことのない人間ほど,一寸した体調不良でも,気力が大きく減退してしまう意気地なしだということに気がつく.もっと,精神的に強くならなければ駄目だと大いに反省する.
こんな毎日を過ごしている内に,私は早く塔ノ岳詣でを再開したいと思い続けていた.しかし,そうは言っても,“今日は天気が悪そうだ”,“今朝は朝寝坊をしてしまった”・・・等々,いろいろな理由を付けて,塔ノ岳詣でを一日延ばしにしてきた.
ところが,これもまた妙なもので,一日延ばしを数回している内に,今朝になって,突然,どうしても登るぞという気持ちが沸々としてくる.私は,急遽,身支度を整えて,早朝5時10分に家を出発する.
■果たして山頂まで登れるかな
大船から東海道本線小田原経由で,小田急渋沢に出る.車窓から丹沢山塊を眺めると,山麓までビッシリと雲がたれ込めている.天気予報では9時頃から晴れることになっているが,雨の登山になるかもしれないなと覚悟を決める.
渋沢発一番バスには,曇天にもかかわらず,かなり沢山の登山客が乗り込んでくる.カメラマンのMさん,三角髭のTさんの顔も見える.
大倉バス停で,カメラマンのMさんから,
「何時現れるかなと思っていましたよ・・」
と声を掛けられる.
身支度を整えてから,Mさんに,
「・・・病み上がりですから,山頂まで3時間で登れれば良いなと思っています・・・」
と声を掛ける.そして,7時05分,大倉から歩き出す.
つい明け方まで降っていた雨のために,路面はグズグスに濡れている.
正直なところ,前回の登頂から,すでに8週間ものブランクがあるので,果たして山頂までたどり着けるかどうか,とても不安である.今回は堀山の家辺りで引き返しても構わないし,仮に山頂まで登れたとしても,3時間30分程度の所要時間で登れたら満足と思っている.
■そろそろ紅葉が見頃なモミジ坂
歩き出してみると,気のせいかどうも足元が覚束ない感じがする.
それもその筈,このところ5キログラムも体重が減っている.仮に体脂肪率が20パーセントとすれば,脂肪以外が80パーセント.5kg×0.8=4.0kgが脂肪以外で減少したことになる.素人だから良く分からないが,多分,その大半が筋肉だろう.4.0キログラムに近い筋肉が減ったのでは,歩きに影響が出るのも,やむを得ないなと達観する.
7時43分に見晴茶屋を通過する.一本松周辺のモミジ坂の紅葉はそろそろ見頃を迎えている.これから暫くの間は紅葉が楽しめそうである.
■駒止茶屋まで1時間07分
慎重に,慎重に登り続け,歩き出してから1時間07分後に駒止茶屋に到着する.もし,体調が良ければ,秋深まる時期には,1時間程度で楽に登れるはずだが,今日は7分も超過している.今の私の体調を考慮すれば,やむを得ない.
堀山の家から花立山荘までの急坂は,病み上がりの私にはさすがにきつい.無理をしないように登攀速度を落として登り続ける.その結果,堀山の家から花立山荘まで,実に43分もの時間を要した.
しかし,登山を開始する前には,堀山の家辺りで引き返しても良いなと思っていたのに比較すれば,上出来である.
<富士山が見えるような見えないような>
<今日の萱場平>
■漸く塔ノ岳山頂に到着
結局,途中で1回も休憩を取らずに,先へ進むが,金冷シを過ぎた辺りから,シャリバテのような気分になり,ますます登攀速度が遅くなってしまう.喘ぐように登りつづけて,9時46分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.
大倉を歩き出してから,実に2時間41分も掛かっている.私にとって最悪の記録になった.とはいえ,病み上がりなのに,大倉から塔ノ岳山頂まで,1回も休憩を取らずに,1ピッチで登れたのは予想外のことである.
山頂から眺望は,雲が多くて,いまひとつ,肝心の富士山も雲の中である.
<山頂からの眺望>
■尊仏山荘
折から連休とあって,尊仏山荘では,4人の小屋番が全員揃い踏みをしている.私が山荘に顔を出すと,異口同音に,
「もう,(身体は)良いんですか・・?」
と私に声を掛けてくる.
私が急性胃炎に罹ったことを,小屋番全員が知っているのには驚いた.
いつものように,300円也のお茶を所望する.お茶を飲みながら.食事をしていると,カメラマンのMさんが到着する.
小屋番のOさんが番台に現れる.
Oさんにお願いして,ミー君を呼んで貰う.すぐに,ミー君が,ノッソリと現れる.この「ノッソリ」がミー君の堪らない魅力である.私は,ミー君の写真を数枚撮る.これで私は満足である.
小屋番の一人が,
「・・Oさんは,こいつの手下ですよ・・・」
と冗談を言う.
Oさんによると,今月27日のテレビ「アニマルプラネット」で,ミー君が登場するとのことである.
塔ノ岳山頂の気温は+8.0℃.この時期にしては,かなり暖かい.
<今日のミー君>
■ゆっくりと下山
私は,13時10分のバスに乗りたいので,10時27分に尊仏山荘から下山を開始する.
怪我をしたら万事休す.この所,安全のために,下りにはストックを使うようにしている.特に花立山荘からの長い階段,駒止茶屋付近の急な階段,見晴茶屋手前の階段の3カ所は特に要注意である.下山もゆっくりと歩いて,12時42分にバス停大倉に到着する.
果たして山頂までたどり着けるかという不安は,見事に解消されただけでなく,何とか1ピッチで登ることができた.これは,大きな自信につながった.
[ラップタイム]
7:05 大倉歩き出し
7:27 観音茶屋
7:43 見晴茶屋
8:12 駒止茶屋
8:30 堀山の家
9:13 花立山荘
9:29 金冷シ
9:46 塔ノ岳山頂 着
========================================
10:27 塔ノ岳山頂 発(+8.0℃)
10:36 金冷シ
10:51 花立山荘
11:27 堀山の家
11:43 駒止茶屋
12:09 見晴茶屋
12:29 観音茶屋
12:42 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km
■累積登攀下降高度 1250m
■登攀所要時間
大倉 発 7:05
塔ノ岳 着 9:46
(所要時間) 2時間41分(2.68h)
登攀速度 1250m/2.68h=466.4m/h
■下降所要時間
塔ノ岳 発 10:27
大倉 着 12:42
(所要時間) 2時間15分(2.25h)
下降速度 1250m/2.25h=555.6m/h
(おわり)
[加除修正]
2009/12/6 転換ミス,行換えミスを訂正
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bd08bab78a7cd74636920e1e08ed4cdb
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bc8feaa9851bd0aee18ee9fa801677e5
丹沢:塔ノ岳(大倉尾根)(今年45回目)
(単独山行)
2009年11月23日(月・勤労感謝の日)
■やっと塔ノ岳へ出掛ける気になった
前回,塔ノ岳(大倉尾根)を往復したのは,およそ8週間前の10月4日(日)のことである.
その後,日光道中二十一宿,中山道六十九宿,浅間山登頂など,結構,多忙な毎日ではあった.しかし,一番私を落胆させ苦しめたのは,10月18日(日)から約1週間続いた急性胃炎と,その後,さらに1週間続いたヘリコバクターピロリ菌除菌治療による激しい下痢である.この僅か2週間の間に,私の体重は66キログラムから61キログラムまで,5キログラムも減少してしまった.
この一連の騒動を通じて,平素,ほとんど病気をしたことのない人間ほど,一寸した体調不良でも,気力が大きく減退してしまう意気地なしだということに気がつく.もっと,精神的に強くならなければ駄目だと大いに反省する.
こんな毎日を過ごしている内に,私は早く塔ノ岳詣でを再開したいと思い続けていた.しかし,そうは言っても,“今日は天気が悪そうだ”,“今朝は朝寝坊をしてしまった”・・・等々,いろいろな理由を付けて,塔ノ岳詣でを一日延ばしにしてきた.
ところが,これもまた妙なもので,一日延ばしを数回している内に,今朝になって,突然,どうしても登るぞという気持ちが沸々としてくる.私は,急遽,身支度を整えて,早朝5時10分に家を出発する.
■果たして山頂まで登れるかな
大船から東海道本線小田原経由で,小田急渋沢に出る.車窓から丹沢山塊を眺めると,山麓までビッシリと雲がたれ込めている.天気予報では9時頃から晴れることになっているが,雨の登山になるかもしれないなと覚悟を決める.
渋沢発一番バスには,曇天にもかかわらず,かなり沢山の登山客が乗り込んでくる.カメラマンのMさん,三角髭のTさんの顔も見える.
大倉バス停で,カメラマンのMさんから,
「何時現れるかなと思っていましたよ・・」
と声を掛けられる.
身支度を整えてから,Mさんに,
「・・・病み上がりですから,山頂まで3時間で登れれば良いなと思っています・・・」
と声を掛ける.そして,7時05分,大倉から歩き出す.
つい明け方まで降っていた雨のために,路面はグズグスに濡れている.
正直なところ,前回の登頂から,すでに8週間ものブランクがあるので,果たして山頂までたどり着けるかどうか,とても不安である.今回は堀山の家辺りで引き返しても構わないし,仮に山頂まで登れたとしても,3時間30分程度の所要時間で登れたら満足と思っている.
■そろそろ紅葉が見頃なモミジ坂
歩き出してみると,気のせいかどうも足元が覚束ない感じがする.
それもその筈,このところ5キログラムも体重が減っている.仮に体脂肪率が20パーセントとすれば,脂肪以外が80パーセント.5kg×0.8=4.0kgが脂肪以外で減少したことになる.素人だから良く分からないが,多分,その大半が筋肉だろう.4.0キログラムに近い筋肉が減ったのでは,歩きに影響が出るのも,やむを得ないなと達観する.
7時43分に見晴茶屋を通過する.一本松周辺のモミジ坂の紅葉はそろそろ見頃を迎えている.これから暫くの間は紅葉が楽しめそうである.
■駒止茶屋まで1時間07分
慎重に,慎重に登り続け,歩き出してから1時間07分後に駒止茶屋に到着する.もし,体調が良ければ,秋深まる時期には,1時間程度で楽に登れるはずだが,今日は7分も超過している.今の私の体調を考慮すれば,やむを得ない.
堀山の家から花立山荘までの急坂は,病み上がりの私にはさすがにきつい.無理をしないように登攀速度を落として登り続ける.その結果,堀山の家から花立山荘まで,実に43分もの時間を要した.
しかし,登山を開始する前には,堀山の家辺りで引き返しても良いなと思っていたのに比較すれば,上出来である.
<富士山が見えるような見えないような>
<今日の萱場平>
■漸く塔ノ岳山頂に到着
結局,途中で1回も休憩を取らずに,先へ進むが,金冷シを過ぎた辺りから,シャリバテのような気分になり,ますます登攀速度が遅くなってしまう.喘ぐように登りつづけて,9時46分,漸く塔ノ岳山頂に到着する.
大倉を歩き出してから,実に2時間41分も掛かっている.私にとって最悪の記録になった.とはいえ,病み上がりなのに,大倉から塔ノ岳山頂まで,1回も休憩を取らずに,1ピッチで登れたのは予想外のことである.
山頂から眺望は,雲が多くて,いまひとつ,肝心の富士山も雲の中である.
<山頂からの眺望>
■尊仏山荘
折から連休とあって,尊仏山荘では,4人の小屋番が全員揃い踏みをしている.私が山荘に顔を出すと,異口同音に,
「もう,(身体は)良いんですか・・?」
と私に声を掛けてくる.
私が急性胃炎に罹ったことを,小屋番全員が知っているのには驚いた.
いつものように,300円也のお茶を所望する.お茶を飲みながら.食事をしていると,カメラマンのMさんが到着する.
小屋番のOさんが番台に現れる.
Oさんにお願いして,ミー君を呼んで貰う.すぐに,ミー君が,ノッソリと現れる.この「ノッソリ」がミー君の堪らない魅力である.私は,ミー君の写真を数枚撮る.これで私は満足である.
小屋番の一人が,
「・・Oさんは,こいつの手下ですよ・・・」
と冗談を言う.
Oさんによると,今月27日のテレビ「アニマルプラネット」で,ミー君が登場するとのことである.
塔ノ岳山頂の気温は+8.0℃.この時期にしては,かなり暖かい.
<今日のミー君>
■ゆっくりと下山
私は,13時10分のバスに乗りたいので,10時27分に尊仏山荘から下山を開始する.
怪我をしたら万事休す.この所,安全のために,下りにはストックを使うようにしている.特に花立山荘からの長い階段,駒止茶屋付近の急な階段,見晴茶屋手前の階段の3カ所は特に要注意である.下山もゆっくりと歩いて,12時42分にバス停大倉に到着する.
果たして山頂までたどり着けるかという不安は,見事に解消されただけでなく,何とか1ピッチで登ることができた.これは,大きな自信につながった.
[ラップタイム]
7:05 大倉歩き出し
7:27 観音茶屋
7:43 見晴茶屋
8:12 駒止茶屋
8:30 堀山の家
9:13 花立山荘
9:29 金冷シ
9:46 塔ノ岳山頂 着
========================================
10:27 塔ノ岳山頂 発(+8.0℃)
10:36 金冷シ
10:51 花立山荘
11:27 堀山の家
11:43 駒止茶屋
12:09 見晴茶屋
12:29 観音茶屋
12:42 大倉 着
[山行記録]
■水平距離 7.0km
■累積登攀下降高度 1250m
■登攀所要時間
大倉 発 7:05
塔ノ岳 着 9:46
(所要時間) 2時間41分(2.68h)
登攀速度 1250m/2.68h=466.4m/h
■下降所要時間
塔ノ岳 発 10:27
大倉 着 12:42
(所要時間) 2時間15分(2.25h)
下降速度 1250m/2.25h=555.6m/h
(おわり)
[加除修正]
2009/12/6 転換ミス,行換えミスを訂正
「丹沢の山旅」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bd08bab78a7cd74636920e1e08ed4cdb
「丹沢の山旅」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/bc8feaa9851bd0aee18ee9fa801677e5
コメント有り難うございました.
心臓のこと,心配ですね.お互いに無理をせずに,登山を楽しみましょう.
また,丹沢でお目に掛かれるのを楽しみにしています.
ご自愛のほど祈念しています.