中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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スリルに満ちた西丹沢の秘境;大杉山・弥七沢ノ頭周遊

2012年01月30日 07時05分58秒 | 丹沢の山旅

                                     <大杉山からの眺望>

       スリルに満ちた西丹沢の秘境;大杉山・弥七沢ノ頭周遊
             (湘南カラビナ隊)
            2004年4月23日(金)

<登山地図>



<プロフィールマップ>



■バスで中川橋へ
 私たちは山旅スクール5期の有志が集まった湘南カラビナ隊である.かねてより,丹沢に詳しいクラツリの山爺(愛称)から,
 「大杉山は地図読みの勉強になりますよ・・」
という話を伺っていたので,このほど有志で多すぎ山にチャレンジしてみることになった.参加者はシェルパ,フクロウ,仙人,それにFHの男ばかり4人である.
 JR国府津7時56分発御殿場線の電車に乗車する.御殿場線谷峨駅に8時27分に到着する.そして,谷峨駅8時39分発西丹沢自然教室行バスに乗車する.
 9時02分,バス停「中川橋」に到着する.

<御殿場線谷峨駅>

■登山口
 9時06分にバス停中川橋から歩き始める.まずは中川橋を渡る.

 中川橋を渡った突き当たりに登山口(標高365m)がある.入口に「左折」と書いた案内板が目印になる.ここから草むした階段をのぼる.階段はすぐに終わりになり,その先は踏み跡もない.

<大杉山登山口>

二つのピークを越えてミツマタの群生地へ

 いきなり杉林の中の急傾斜の登り坂になる.道路も踏み跡もないので,尾根を目指して,急な斜面を這い上がる.その後は,地形図を見ながら,尾根を外さないように登り続ける.
 9時25分,標高465メートル峰に到着する.南の方から大きな尾根が合流している.
 ここから進行方向が西に変わる.少し下り坂が続いた後また登り坂になる.小さなコルを一つ越えて,また下り坂になる.
 9時54分,標高540メートル峰を通過する.地形図を見ても,この小さなピークには名前が付いていない.
 このピークを過ぎると,ミツマタの群生地が続くようになる. 

<ミツマタの群生地へ入る>

■710メートル峰で小休止
 10時20分,標高710メートル付近で,10分ほど休憩を取る.
 10時30分,再び歩き出す.相変わらず尾根道を外さないように注意をしながら急坂を登り続ける.ザレた急坂を小一時間登り続ける.
 やがて,急坂もなだらかな尾根筋に変わる.尾根の両側にはミツマタの大群生地が広がる.薄黄色の花が沢山咲いている.私たち以外に全く人影がない.辺りは不気味なほどに静まり返っている.

<戸沢ノ頭近くのミツマタの群生>

■戸沢ノ頭(遠見山)
 なだらかな尾根道を進んで,10時49分に戸沢ノ頭(遠見山;標高880m)に到着する.尾根筋に沿って長い鹿除けの柵が続く.
 山頂は,一見,どこが山頂か分からないほどなだらかである.良く見ると,鹿除けの柵に「遠見山」と書いてある小さな案内板が取り付けられている.

<戸沢ノ頭(遠見山)山頂>

■予期しない凹地が目の前に
 戸沢ノ頭では,殆ど休憩を取らずに,そのまま尾根筋を北東の方向に歩き続ける.
 この辺りからは,ミツマタの群生地と広い幅の尾根道が続く.尾根道は細かな凹凸があるものの.概してなだらかである.尾根の広さはどの程度か分からないが,地形図で見ると200メートルほどもあるようだ.よほど注意して歩かないと.尾根がどちらの方向を向いているかも分からなくなりそうである.
 再び,ミツマタの大群生地に入り込む.辺りは不気味なほどに静まり返っている.正に深山幽谷の趣である.
 やがて,余程注意して地形図を見ないと,とても読み取れない凹地が進行方向左手に現れる.この凹地の出現には,予想していなかったので,少々ビックリする.しかし,現場で子細に地形図を眺めると,なるほどと納得がいく.凹地の右側は鹿除けの柵が続く.もちろん踏み跡は全くない.
 相変わらずミツマタの群生地が続く.

<凹地付近のミツマタの群生地>

■鹿除けの柵に沿って尾根を歩く
 小さなアップダウンはあるものの,心地よい尾根が続く.
 相変わらず踏み跡は全くないが,尾根筋を外さないように注意しながら歩き続ける.辺りは雑木林で実に心地よい.尾根筋に張られた鹿除けの柵に沿って,歩き続ける.

<踏み跡もない静かな尾根道が続く>

■大杉山山頂で昼食
 
地図を頼りに尾根道を進む.ミツマタの小さな群生地を抜けて,11時28分に大杉山山頂に到着する.
 山頂には,大杉山と書いた木片が赤い
ビニールテープで棒切れに貼り付けてある.字は風化して殆ど読めなくなっている.
 私たちは,ここで昼食を摂ることにする.


<大杉山山頂>

■峻険な尾根に迷い込む
 昼食を終えて,11時58分に大杉山から,再び歩き出す.暫くの間は長閑な尾根道が続く.
 12時09分,845メートル地点に到着する.
 ここで尾根が左右に分かれる.踏み跡のように見えるところを,不用意にそのまま進む.ところがすぐに踏み跡のようなものは消えてしまう.その先は,いきなり峻険なヤセ尾根になる.先頭を行く仙人が,なおも先に下ろうとするので,臆病な私が呼び止める.そして,なかば強引に元の場所に戻る.
 改めて地図を子細に眺めると,私たちが進むべき尾根は右手の尾根だと分かる.一見,誤って入り込んだ尾根が中川温泉の方を向いているので,心情的には,左手の尾根に入りたくなる.正解の尾根は,むしろ中川温泉の方向から遠ざかるように見えるので,間違えるのも無理がないようだ.
 12時40分,もとの場所から歩き出す.誤った尾根に入ったおかげで,31分のタイムロスになる.

 ここからは
,細かな上り下りが連続する.

■弥七沢ノ頭
 弥七沢ノ頭手前の小さなコルを越える.その先には高さ10メートルほどの壁が立ちはだかっている.この岩壁の割れ目を伝わるようにして登る.割れ目登りに危険はないが,それでも緊張する.そこから急坂を標高差200メートルほど登り詰める.そして,13時32分,ようやく弥七沢ノ頭(標高956m)に到着する.
 この辺りの地形を読図するのは,極めて難しいなと実感しながら,休憩を取る.

<弥七沢ノ頭>

■ザレた急傾斜を下る
 13時47分,弥七沢ノ頭を出発する.
 地形図と,所々に張ってある赤いビニールテープの目印を参考にしながら,弥七沢ノ頭から少し戻って,西南西に延びるザレた急斜面の尾根を慎重に下り続ける.幅が極めて広い尾根なので,絶えず地図を見ながら下る方向を見定めないといけない.
 何度も,何度も,地形図を確かめながら,762メートル峰を通過する.ここから急傾斜のザレた斜面が連続する.ここを慎重に降り続ける.
 14時38分,標高762メートル峰を通過する.ここから南南西に延びる尾根道を辿る.
 14時54分,標高610メートル峰に到着する.ここで数分間休憩を取る.

<急坂の途中で小休止>

■砂防ダム
 15時02分,610メートル峰から歩き出す.急傾斜の斜面を西の方向に下る.もちろん登山道はおろか踏み跡もない.ただ,地形図だけを頼りに下り続ける.最後に崖があって降りられなかったら,往路を辿って返るしかないなと観念している.でも地形図を見る限り,崖などはないはずである.
 15時20分,眼下に見えていた河原に無事降り立つ.心底からホッとする.
 川の名前は良く分からないが,中川の支流,湯ノ沢を流下する川である.降りたところは,この川に作られた砂防ダムの中である.
 砂防ダムの川底の沿って下流に向かう.
 砂防ダムの堤防をよじ登って,ようやく林道に出る.

<砂防ダムをよじ登る>

 (注)次回,大杉山を訪れたときに,この砂防ダムの左岸に道路があることを確認した.この道路を通れば,わざわざ砂防ダムを這い上がらなくてよい.

■中川温泉入口へ
 砂防ダムをよじ登ってから,林道を少し下ると,畠の中の集落に入る.
 集落の入口に設置されている自動販売機でジュースを購入する.緊張の連続で渇いた喉には,平凡なジュースが,ことのほか美味に感じる.
 今回ほど,参加者一同が,真剣に読図したことは,これまでになかったように思える.あらかじめ地形図で予測したルートと殆ど違わずに下山できたのが嬉しい.
 15時43分,無事,バス停中川温泉入口に到着する.

<中川温泉入口>

■国府津駅前で懇親会
 中川温泉入口16時00分発新松田行のバスに乗車する.バスは空いている.
 谷峨駅で御殿場線の電車に乗車.17時07分に国府津駅に到着する.
 どこかで簡単に懇親会をやろうということになり,国府津駅で途中下車,駅前のレストランで乾杯・・・といっても,私はコップ販売ほどのビールしか嗜まないが・・・
 懇親会は山の話で弾む.
 今度は,他の仲間と一緒に.もう一度,大杉山を訪れようと意見が一致する.
 注;翌2005年4月に2回目の大杉山山行を実施した.

<国府津駅前で懇親会>

■無事帰宅
 18府20分頃,懇親会はお開きになる.
 国府津発18時31分の東海道本線上り電車に乗車する.19時30分頃,無事帰宅する.
 かねてより,秘境大杉山ってどんなところだろうと想像していたが,実際に訪れて見ると,やっぱりスリル満点でミツマタが綺麗な秘境であった.
 途中,道に迷ったが,すぐに引き返して良かったなと改めて胸をなで下ろす.もし,あのまま強引に急峻な尾根を下ったら,遭難する可能性が高かったと思う.
 山旅スクールで繰り返し教えられているように,地図読みをシッカリすることが以下に重要かを改めて体験した次第である.

<ラップタイム>

 9:06  中川橋歩き出し
 9:25  465m峰(9:29まで休憩)
 9:39  540m峰
 9:54  580m峰(9:57まで休憩;この後ミツマタの群生地)
10:20  710m峰(10:30まで休憩)
10:49  戸沢ノ頭(遠見山)
11:23  大杉山山頂(11:58まで昼食)
12:09  845m峰(左尾根に迷い込む.ロスタイム31分)
12:40  再び845m峰
13:32  弥七沢ノ頭(13:47まで休憩)
14:26  762m峰の手前(14:35まで地形図確認のため休憩;ここから急なザレ場)
14:54  610m峰(15:02まで休憩)
15:20  河原に出る
15:38  新湯ノ沢橋を渡る
15:43  中川温泉入口着

[山行記録]

■水平歩行距離  
               6.2km

■累積登攀高度          829m[

■累積下降高度          802m

■所要時間(休憩時間込み)
  中川橋歩き出し      9:06
  中川温泉入口着    15:43
  (所要時間)   6時間37分(6.62h)
  水平歩行速度      6.2km/6.62h=0.94km/h
                                  (おわり)

「丹沢の山旅」の前の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ffe1e99e76d361141d9e241e68513810
「丹沢の山旅」の後の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/86578d75eb808872d7d943b2fe5759e1



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