中高年の山旅三昧(その2)

■登山遍歴と鎌倉散策の記録■
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熊野古道:大雲取越・小雲取越縦走(8)(完)

2007年04月16日 06時34分01秒 | 南アルプス・西日本

        熊野古道:大雲取越・小雲取越縦走(8)(完)
             (湘南カラビナ隊)
        2007年3月30日(金)~4月1日(日)

第3日目 4月1日(日)
 (つづき)

<旅の終わり>

■紀伊田辺駅へ

 私達は2日間にわたる大雲取越・小雲取越縦走を終えて,11時47分に下地橋バス停に到着する。

           <請川側の熊野古道登山口>

 やっと,大雲取越・小雲取越の長い旅が終わった。これから,下地橋バス停から100メートルほど先にある清川バス停から,12時36分発の竜神バス(株)紀伊田辺行バスに乗車する予定である。まだ,大分時間があるので,下地橋バス停の近くにあるコンビニ風の「何でも屋」に入り込んで時間を潰す。

           <請川バス停の時刻表>

 バスは意外に混雑している。私達は何とか座ることができたが,その後のバス停から乗車した人達の殆どが立ったままである。実に長い,長いバスの旅である。沢山のバス停を経由して,私達を乗せたバスは西へ,西へと向かう。
 バスの中で,堪らなく眠くなる。ときどき居眠りをしながら,窓外の風景を楽しむ。バスは広い谷間を下っている。谷間の両側には,うねうねと尾根が続いている。これらの尾根の中にも沢山の古道があるという。また機会があったら,是非,この辺りの古道を歩いてみたいと思う。

■指定席と自由席
 私達を乗せたバスは,2時間ほど走り続けて,14時31分,ようやく紀伊田辺駅に到着する。紀伊田辺駅は,正面が三角屋根の瀟洒な駅舎である。ピンク色の屋根がかわいい雰囲気を醸し出している。

           <シックな紀伊田辺駅>

 駅舎の中は旅行客でいっぱいである。私達は,紀伊田辺15時05分発特急「くろしお24号」で新大阪へ向かう予定である。何時ものことながら,ずぼらな私は,出発日ギリギリになるまで,座席指定券を買いに行かなかった。出発の前日になって,指定席を買いに大船駅へ出向いた。新幹線は運良く指定席が取れたものの,「くろしお24号」は満席だった。その結果,仲間内では,私だけが自由席である。
 私は「ままよ・・・だれか指定席をキャンセルした人が居るかも知れない」と思って,田辺駅の出札口で指定席があるかどうか聞いてみる。喫煙席なら指定席が1枚残っているようである。喫煙席は辛いが,立っていくよりはマシだと思って,指定券を購入する。

■あたふたと帰途につく
 改札口の係員に,購入したばかりの指定券を見せて,何番線のホームから発車するかを確かめる。すると,私の指定券を見た係員が,
 「すぐこの列車に乗れ・・・」
と私に言う。私が購入した指定席は,当初乗る予定の列車より1本早い列車だった。私は大急ぎで仲間に挨拶して列車に飛び乗る。
 16時51分に新大阪に到着する。折から日曜日とあって,駅は大混雑である。新幹線のどの列車の自由席も満席である。折角,新大阪に早く着いたのに,結局は,小1時間待って,あらかじめ指定席を取っていた新大阪17時40分発のぞみに乗車する。
 20時00分に新横浜へ到着。そして,21時過ぎに無事に帰宅した。

[第3日目のラップタイム]

 6:48  小口自然の家歩き出し
  ↓
 7:17  尾切地蔵
  ↓
 8:29  桜茶屋跡
  ↓
 9:15  石堂茶屋跡
  ↓
10:01  百間ぐら
  ↓
10:33  松畑茶屋跡
  ↓
11:47  清川バス停着

■歩行距離      約13.0km
■登攀高度      約600m
■下降高度      約600m
■所要時間      5時間12分
   (標準所要時間 5時間35分)
■3日間の累計
 歩行距離      約 28km
 登攀高度      約1900m
 下降高度      約1900m
 所要時間(除:初日) 12時間40分

<エピローグ>

 こうして積年の希望であった熊野古道大雲取越・小雲取越の旅は終わった。
 苔むした石畳,歴史の襞を感じさせるたくさんの遺構,素晴らしい林の中の巡礼道。平安の時代から今日まで,どれだけ沢山の旅人が,この道を通ったのだろうか。どんな想いを秘めて,この道を歩いたのだろうか。私は,そんなことを何時も考えながら,この古道を歩いていた。
 実は,今からウン十年前の昔,昔,私は新婚旅行で紀伊勝浦から那智の滝周辺を訪れたことがある。もう昔々のことなので,あまりハッキリとは覚えていないが,当時の那智の滝周辺は,観光客も少なく,霊気一杯で,荘厳な雰囲気が漂っていたような気がする。今は熊野那智大社は世界遺産にも登録された。そして,観光客が増えたことは喜ばしいことだが,けばけばしい看板が増えたり自動車道路が大蛇のように辺りをのさばるなど,随分と俗化してしまったのが残念である・・・あくまで私見だが。
 何れ機会を見て,ウン10年前の写真を見ながら,今の大社付近と比較してみたいと思っている。

 とはいえ,熊野古道は素晴らしかった。また何時の日か,この古道を,もう一度,ジックリと,一人旅してみたいと思う。
                             (おわり)



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