<ノートルダムドラゴルジュの教会の内部>
ツールドモンブラン(10);1日目(2);ノートルダムドラゴルジュ
(アルパインツアー)
011年7月16日(土)~24日(日)
第3日目;2011年7月18日(月)
<第1日目の地図>
↓ 歩行部分拡大
<専用車でノートルダムドラゴルジュへ>
■ジュネーブ行の道路を分岐
朝食を済ませた私たちは,宿泊していたパークホテルスイス近くの駐車場から,専用車に乗って,8時32分に出発.
現地ガイドのクリストファが,フランス訛りの強い英語で,
「登山口のノートルダムドラゴルジュまでは,45分か1時間ぐらい掛かるよ・・・」
と説明する.
“Here we go!・・・・”
クリストファは,ニコニコしながら,右手の拳をあげる.
専用車の後ろには,小さな荷物車が連結されている.この荷物車には,トレッキングの中間点,クールメイユールのホテルまで運ぶ私たちの身の回り品が入っている.専用車は,私たちを登山口のノートルダムドラゴルジュで下ろした後,クールメイユールのホテルまで,身の回り品を先送りしてくれることになっている.
片道2車線の素晴らしい道路が続く.
8時51分,ジュネーブへ向かう国道と分岐する.
<専用車の車内;経っている男性が現地ガイドのクリストファ,女性がアルパインのツアリーダー>
■トル川に沿って
数年前に,モンブランに登頂したときに購入した1/25,000地図を開く.何と発音するのか良く分からないがTorr川(ここでは仮に“トル川”と呼ぶことにしよう)沿いの道である.
まずはシャモニーの市街地から,トル川に沿って,暫くの間,西南西へ7~8キロメートルほど走る.そして,イラルリアズ(発音は怪しい;がIa Griaz)という集落を過ぎる辺りから,進行方向を北東に向きを変えて,さらに7~8キロメートルほど走る.この辺りからは片側1車線の狭い道路になる.
この辺りは,いかにも保養地らしい雰囲気が漂っている.道路の両側には小綺麗な家並みが続く.
クリストファに伺うと,この辺りは一応保養地なのだが,観光客は余り来ない所だという.
澄み切った青空が見え始める.朝の眩しい太陽が,車内に射し込んでくる.車窓から氷河に覆われた標高4000メートル級の山並みが見えている.
やがて,道路はレギュール山(les Gures;標高862m)の南側の谷間を抜けて鋭角に左へカーブしてから,トル川右岸を高巻きしながら,専用車は進路を南西に向けてユックリと進む.眼下の盆地を見下ろすと,まるで箱庭のように街が広がっている.広場の先には鉄道の線路も見える.地図を見ると,広場に"Zone Indust. des Roche, les Pres Chapeau"と書いてある.フランス語の表記なので,あんまり良く分からないが,あの有名なロッシュの工場用地なのだろうか.そして“シャトーの場所”と書いてあるような気がするところは隣接する住宅予定地か・・う~ン・・良く分からないが,まあ,いいや.
やがて,私たちの専用車の進路は,私の地図の外に出てしまう.別の粗い地図を見ると,地名か山脈の名前か良く分からないが,とにかく"Col de Voza"という峠を通過して,東斜面を下っている.そして,間もなく,専用車は,再び,私の1/25,000の地図に戻る.そして,セントグレバイ・レ・バイン(読み方が正しいかどうか分からない;St. Grevais les Bains)の南側でトル川を渡り,右岸沿いの道を,ほぼ南に向けて進む.
<清潔そうで美しい集落が続く>
■登山口ノートルダムドラゴルジュに到着
8時50分頃,レコンタミネモンジョ(Les Contamines-Montjoie)を通過する.かなり大きな街である.進行方向左手(つまり東側)に街の中心があるようだ.東側の大きな山につづら折りの道が続いているのが良く見える.
トル川の上流に進むにつれて,谷の幅が次第に狭くなる.
9時18分,私たちの専用車は,漸く登山道入口のノートルダムドラゴルジュ(標高1216m)の駐車場に到着する.
広い駐車場には,私たちが乗ってきた車以外にも,沢山の車が駐車している.これらの車に乗ってこられた方々も,多分,私たちと同じコースを歩くのだろう.
専用車が下車した私たちは,思い思いにトレッキングの身支度を調える.
専用車は,私たちが下車した後,専用車の後ろに連結している荷物車を牽引して,イタリアのクールメイユールのホテルまで向かう予定である.
<ノートルダムドラゴルジュの駐車場で出発準備>
<ノートルダムドラゴルジュの市街地>
■駐車場から歩き出す
9時40分,私たちはノートルダムドラゴルジュの駐車場から歩き出す.
暫くの間,広い道幅で緩やかな登り坂が続く.私は,毎度のことながら,少々シャイな性格をあって,成り行きで,列の一番後ろになってしまう.私は,一番後に付けているツアーリーダーのS村さんと雑談をしながら歩き続ける.
歩き出してすぐに,進行方向右手に小さな三角屋根の建物に到着する.私がクリストファに,
「教会か?」
と聞いてみる.すると,クリストファはちょっと首を傾げて,
「教会・・とは一寸違う.教会のようにここでミサはしないが・・住民や旅人の安全を祈願するところだ・・」
クリストファの説明によると、日本流に考えれば,道ばたの道祖神というところだろう.目的は日本の道祖神とほぼ同じようである.要するにこの付近の住民,旅人,家畜などの無事安全を祈願するのが目的のようである.
<小さな三角屋根の祈りの場所;日本の道祖神>
■小さな集落
9時45分,小さな集落に到着する.この辺りが,どうやらノートルダムドラゴルジュの中心部らしい.
集落の片隅に,白壁の小さな教会が建っている.
クリストファから,
「教会の中に入って見ましょう・・」
と促される.
恐る恐る境界の中に入る.こぢんまりとした教会だが,荘厳な雰囲気が漂っている.キリスト教に詳しい型ならば,この教会の写真を見たら,すぐにカトリックかプロテスタントか分かるかと思うが,無知な私には良く分からない.
教会を拝見しながら,5~6分休憩を取って,再び歩き出す.
<ノートルダムドラゴルジュの集落>
<可愛くて小さな教会>
<教会の内部;とても荘厳で立派>
■トル川を渡る
9時53分,トル川に架かる小さな橋を渡る.どうやら氷河を源流とする川らしくて,泥で濁った水がとうとうと流れている.地図で確かめると,どうやらP. de la Tena(標高1392m)という所らしい.
地図を見ると,私たちが歩いている道路のすぐ東側にChemin Romaninという道路のようなものが記載されている.地図の表記がフランス語なので,意味があまり良く分からないが,多分,ローマ時代に作られた水路が残っているのだろう.
<川幅一杯に水が流れる川を渡る>
■ローマ時代の欄干
歩くほどに,路面に大きな礫が混ざり始める.だんだんと深山の趣が濃くなってくる.
私たちは,道路は谷の左岸沿いに進む.緑豊かな鬱蒼とした木立の中を砂利道が続く.何とはなしに,道路の上り勾配が次第に大きくなっているような感じである.
10時30分頃,進行方向左手に深い谷が見え出す.谷は繁茂する木々に覆われていて,下の方は良く見えないが,滝があるようだ.
10時31分,石造りの橋を渡る.
クリストファの説明によると,この橋の欄干は,ローマ時代に作られたものだという.
私たちはローマ時代の橋のたもとで.10ほど休憩を取る.
下の写真,右の欄干に「ALTI425」という判じ物のような字が掘られている.1425の千の位の「1」はローマ字の「I」かも知れない.標高1425メートルのことか,それともBCかADか分からないが425年に作られたことを意味するのか,何だか分からない.
後でクリストファに聞こうと思っている内に,聞くのを忘れてしまう.
10分ほど休憩を取ってから,再び歩き出す.
<ローマ時代の橋桁>
<欄干にALT1425と書いてある>
(つづく)
「世界の山旅;ツールドモンブラン」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/ea9d82328871117afed647917cf4c978
「世界の山旅;ツールドモンブラン」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/574a00ab084ebcf85f06f1101c7ed34e
「ツールドモンブラン」の索引
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4a4c5fb759853b8b140c4d3944095d8c
「ツールドモンブラン」の目次
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/4a4c5fb759853b8b140c4d3944095d8c
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[編集後記]
2011年9月2日(金) 曇時々晴
台風12号が超ユックリの速度で,紀伊半島に接近している.今度の台風はかなり図体が大きくて,直径が1000キロメートル以上もあり,本州全体で強風が吹き荒れているようである.
丹沢地区や関東南部ではかなり強い風雨が吹き荒れているようだが,どういう訳か,私の住んでいる鎌倉付近は,全く雨は降らず,時折太陽が顔を出すほど穏やかである.気温はまだ少し暑いが,数日前に比較すると,随分としのぎやすくなっている.
私の部屋から,前の内の庇を見ると,夏の間,姿を見せなかった2匹のネコが,海から吹いてくるそよ風を受けながら,気持ちよさそうに昼寝をしている.その様子を見ている私の方が,あいつらとおなじネコになりたい気分になる.
<隣家の庇にネコ2匹;海風を浴びながらノンビリ昼寝をしている>
午後から雑用のために,鎌倉中央公園経由で,山を下って大船に出る.
曇っているので,蒸し暑くもなく,散歩が実に心地よい.公園の芝生で,数名の幼児が車座になっている.母親の一人が,どうやら紙芝居を読んで聞かせているようである.幼児達が食い入るように覗き込んでいる.この様子を見ている私の方が,なんだかほのぼのとした気分になる.
「それにしても,台風は何処へ行ったんだろう・・」
どうせ雨は降らないだろうと高をくくった私は,雨傘も持たないまま出掛けている.
西の空を見ると,モクモクと沸き上がるような大きな雲が屏風のように立ち上がっている.多分,あの大きな雲の下に丹沢があるんだろう.そして,この屏風の先は,多分,多摩や埼玉方面まで伸びているのだろう.
大船駅前で用事を済ませた私は,駅近くのY電機の店内をブラブラ.
今すぐ買う気はないが,防水デジカメを見て回る.すぐに店員が寄ってくる.店員に問われるままに,今すぐ買う気はないが,電源が単3電池で防水のカメラが良いなと答える.店員は,心なしか私をバカにしたような顔をして,
「今のデジカメの傾向は,高画質,小型化です.電池式は図体が大きくなるし,重くなります・・・だから電池が電源の防水型カメラは出ていないですよ・・・GPSが付いた防水カメラは如何ですか・・?」
私は内心で「ムカ~」とするが押さえる.
「電池式の図体が大きくなるなんて分かっているよ.でも,いちいち充電をするより,どこでも手に入る単3の方が私には良いんだよ・・・それに中途半端なGPSなどあまり魅力はないよ・・」
と心の中だけで怒鳴る.
インターネットで調べると,GEが安価な防水型デジカメを出している.小型でなかなか良いなと思うが,固定焦点なところが今ひとつ・・・・ま,そんなところから,今すぐ欲しい防水デジカメは見当たらない.
私がアマノジャクだからだろうか?
(愚痴おわり)